“幼稚園男子”な愛犬を溺愛!?クズ夫を愛し続ける難役に挑む中村ゆりの意外な一面:ただ離婚してないだけ

公開: 更新: テレ東プラス

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「......私......できちゃったかも」
流産の経験がある妻が子供を待ち望む中、不倫相手が妊娠!? 第1話から目が離せない展開となった、ドラマホリック!「ただ離婚してないだけ」(毎週水曜深夜0時放送/テレビ東京ほか)。

冷え切った関係の夫婦が、夫の不倫をきっかけに、取り返しのつかないところまで堕ちていく......。本作で、主人公・柿野正隆(北山宏光)の妻・雪映を演じる中村ゆり。自暴自棄に生きる正隆から日常的に冷たくあしらわれ、浮気までされながらも、夫を愛し続ける雪映を熱演している。

ハードな作品に臨む思いから、日々の癒し、人生の節目を迎える気持ちなど、中村さんにインタビュー。Instagramでもおなじみ愛犬・天ちゃんの話になると......!?

tadarikon_20210712_02.jpg中村ゆりさんInstagramより(@yurinakamurawoori

妻から見て北山さんのクズ夫っぷりは?

――まずは、原作漫画を読んだご感想は?

「不倫サスペンスという題材ですが、タイトルからは想像もつかないようなお話だったので驚きましたし、このハードな内容をドラマ化するテレ東さんは"攻めてるな"と思いました」

――どんなところが"攻めている"と思われましたか?

「ネタバレになるので詳しくは言えませんが、私のマネージャーがモニターで見ていて『これ、テレビで放送できるのかな?』と思わず口にしてしまったくらい攻めてます(笑)。とてもスリリング。『原作漫画よりもマイルドにするかも』と聞いていましたが、全然マイルドじゃない(笑)」

――マイルドじゃない脚本(笑)、原作とは設定が違っている部分もありますね。

「脚本では、柿野夫婦の過去や、正隆の育った環境・家庭にもフォーカスを当てていて、より深い人間ドラマになっています。夫婦関係が屈折してしまった理由もしっかり伝わるように描かれていて、雪映にとって正隆は、今はひどい夫だとしても、そうではない彼を知っているからこそ、簡単には離れないのだと思いました」

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――ひどい夫・正隆を演じる北山宏光さんの印象は、いかがですか?

「大変なシーンの連続なので協力し合わなくちゃいけない。北山さんは、こちらを緊張させないようにしてくださる優しさのある方なので頼もしいです。忙しくても疲れたと決して言わないところに尊敬もします。お芝居に真剣に向き合っていらっしゃるのが伝わりますし、信頼して一緒に現場に居られます」

――北山さんのどんなところに優しさや気遣いを感じましたか?

「お互いに、"一人で居たい"という時には自然と距離を取って、"ちょっとリラックスしたいな"という時は楽しいお話をしてくださいます。周りをよく見て、空気を読んでいらっしゃるんでしょうね。スタッフの皆さんと仲が良くて、撮影は緊張感が途絶えませんが、合間は笑いが絶えないんです。現場全体のファミリー感は北山さんが作ってくださっています」

――そんな北山さんがクズ男を演じていますが、妻役の中村さんから見て"クズ"っぷりはいかがですか?

「北山さんは監督と話し合いながら繊細に演じていらっしゃいます。例えば、暴言を吐く場面でも『自分も傷つきながら言ってるんだよね』とか正隆の裏の気持ちを考えたり。"この人もかわいそうな面があるんだ"と感じられて、クズだけど人間らしい深みのあるキャラクターになっていると思います。

監督は"一緒に作ろう"という情熱が強い方で、こちらの話もすごく聞いてくださいます。演技プランが2つあって迷っていると、両方撮ってみたり、時間がかかっても一緒に探してくれる。とても丁寧にお芝居をさせてもらっています」

女優として、この役を演じられる私は幸運

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――つらい状況にある雪映を演じるのは苦しいことでもあると思います。そういう役を演じる上で大切にしていることは何ですか?

「雪映は、一見弱々しく耐えている女性に見えますが、良かった頃の正隆を知っていて、彼がどうしてこうなってしまったのか、一番近くで見ていた人。だから、彼女が耐えて我慢しているのは、逆に強いからじゃないかと思います。雪映をただ弱い女性にするのではなく、強いから耐えてあげることができる、そうした裏側にある気持ちをきちんと作り上げたいですね。原作にはない2人の過去が描かれているので、それが演じる助けにもなっています」

――雪映のような体験をすることはまずないと思いますが、自分の経験にない役を演じる時、どのような姿勢で臨むのでしょう?

「人って、何か一つ歯車が狂ったら自分もそうなるかもしれない......という可能性があるんですよね。冷え切った夫婦関係もありふれているでしょうし、正隆と雪映も望んでそうなったわけではない。そういう意味では、雪映の人生がすごく遠いものとは感じられず、共感してしまうところもあります」

――実際に演じてみて、難しさを感じていますか?

「自分に務めあげられるのかと不安な気持ちはありましたが、女優としては、ここまで背負う役にチャレンジしてみたかった。演じられる私は幸運だと思います。大変な役ですが、脚本がしっかりしているので雑念なく役に寄り添えていると思います。つらいシーンの連続ですが、この役を演じるのがうれしいと感じる瞬間があります」

――後半には、さらに複雑な心情を表現するような場面も増えるそうですが?

「かなりバイオレンスになっていくので、思いっきりやろうと思っています。雪映は子供に対する思いが強いので、自分よりも大切なもの、守りたいものができた時の女性の強さを表現できたら。監督もスタッフさんも、みんなが夢中になって作っている気持ちが私たちキャストにも伝わりますし、内容はすごいですが、幸せな現場です」

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