「うなぎ」を愛するポーランド人が、2時間待ちの行列店で”蒲焼作りの極意”を学ぶ!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時~)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。

暑いニッポンの夏に欠かせないのが、夏バテを防ぐスタミナ食! 今回は「夏バテを乗り切る! ニッポンのスタミナ食を愛する外国人スペシャル」をお届けします。

人気店とコンテスト優勝者の"美味しい餃子を作る秘訣"とは?

紹介するのは、オランダに住む、餃子を愛するアニークさん。

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アニークさんがニッポンの餃子に出会ったのは約12年前。ニッポンに行ったことのある友人が振る舞ってくれた手作り餃子の美味しさに魅了され、やみつきに。以来、週に1回のペースで作っているそう。餃子の餡に使われる豚肉は疲労回復に良いとされるビタミンB1が豊富で、ニンニクやニラなどと一緒に食べることでその効果が増し、夏バテにも良いとされています。そのルーツは、終戦後、中国から日本に引き揚げてきた人々が、もともと中国にあった水餃子を焼き始めたことにありました。焼き餃子の美味しさはニッポン中に広まり、栃木の宇都宮餃子や静岡の浜松餃子など、ご当地餃子が次々と誕生しました。

早速餃子を作ってもらうことに。まずは細かく切った白菜に塩をふって揉み込み、水分を出します。白菜のボリュームを抑えると、上手く包めるそう。餃子の皮は値段が高いので、一から手作り。小麦粉に水と塩を混ぜて練り、1時間寝かせた生地を伸ばして丸く抜けば完成です。
続いて、合挽きミンチやニンニク・白菜に、醤油とごま油を入れて餡を作り、慣れた手つきで皮で包んでいきます。熱したフライパンに並べ、黄金色の焼き色がつくまで待ち、水を入れて蒸すこと2分。手作り餃子が完成!

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アニークさんの餃子は友人たちに大好評ですが、皮も餡も常に同じ材料、同じ分量で、それしか作ることができないのが悩みだそう。そんなアニークさんを、4年前、ニッポンにご招待!

向かったのは、全国餃子ランキングで常に上位の人気店、東京・飯田橋にある「餃子の店おけ以(おけい)」。ご主人の馬道仁さんに、1日に約1300個売れる絶品餃子の作り方を特別に教えていただきます。まずは、肉の仕込みから。国産の豚バラを粗くひいたひき肉にたっぷりのごま油を入れてコクをプラス。そこに、おろした生姜と塩を加えます。アニークさんは餡に醤油を入れていましたが、醤油は最後につけて食べるので、下味は塩でつけるのがおけ以のこだわり。
さらに胡椒を入れ、手で20分以上混ぜると、豚肉の繊維が潰れてクリーム状に! これを1日寝かせます。「こんなになるまで練ったことはありません」と驚くアニークさん。こうすることで、焼いた時に脂が溶け、肉汁たっぷりの餃子になるのです。

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白菜は1センチ角に細かく切り、肉の旨みを入りやすくするために湯通しして水で締めます。そして、1日寝かせたひき肉に大量のニラを投入し、均等に混ざったところで白菜を加えます。重要なのは、手で混ぜること。機械で混ぜると野菜の繊維が切れて、食感が悪くなるのだとか。
続いては、皮作り。強力粉にごま油を入れて熱湯を注ぎ、力強くこねて1日寝かせます。こうすることで小麦粉のグルテンの力を最大限に引き出し、モチモチとした食感になるそう。「私のやり方と全く違うんですね」とアニークさん。生地を円形に延ばしていく際にもこだわりが。良く見ると皮の真ん中だけ分厚くなっています。これは、餡を詰める際に破けないようにするため。さらに、皮と餡の間に隙間ができると旨味が逃げてしまうので、目一杯詰めるのもポイント。

作ったその日に食べる家庭とは違い、おけ以では肉を1日寝かせ、次の日に野菜を混ぜて皮に包み、冷蔵庫にしまって、焼くのは3日目。「妥協がありませんね」と驚くアニークさんに、「それが、皆さんに愛される餃子の極意」と語る馬道さん。時間をかけることで餡が熟成され、味が一つにまとまるのです。
焼き方にもこだわりが。小麦粉を溶いた水を鉄鍋に入れ、餃子を並べます。この状態で餃子を茹で、ある程度水分が飛んだらフタをして蒸し、最後に焼き目を入れますが、焼き上がりまでは実に10分以上! この工程を可能にしたのが、厚さ9ミリの分厚い鉄鍋。ゆっくり熱が入るため、中までしっかり火が通り、最後にきれいな焼き目がつくそう。ガスは火力にムラがあるので、途中で鍋を回し、火のあたりを均一にするのも美味しく焼き上げる秘訣です。

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餃子作りを学び、「どの工程でも繊細な感覚と根気が必要なことがわかりました。もっと練習します」とアニークさん。馬道さんも「トライしてください」と激励します。

翌日訪れたのは、地域別の餃子の購入金額が去年全国1位だった静岡県浜松市。浜松餃子は、トッピングの茹でもやしが特徴です。市内には、およそ180もの餃子を販売するお店があり、スーパーはご当地餃子のコーナーが充実!
そんな餃子愛あふれる浜松で開催されるのが、家庭で作る餃子の味を競う「オラが餃子コンテスト」。優勝経験のある千賀幹彦さんに、浜松餃子の作り方を教えていただきます。

アニークさんが驚いたのは、白菜ではなくキャベツを使うところ。キャベツをみじん切りにし、餃子専用の絞り袋に入れて出てくる水の泡が小さくなるまで絞っていきます。

続いて、豚バラをフードプロセッサーでクリーム状にし、キャベツやニラ、調味料などと合わせます。ここでアニークさんが気になったのは、肉の量が少ないこと。「一般的な浜松餃子は、肉の量が5%から10%なんですよね」と千賀さん。千賀さんの餃子は、クリーム状の豚バラとミンチを合わせて使うことで、肉の量が少なくても、食感がありながら肉汁たっぷり。それが決め手となって優勝したのです。

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家族みんなで餃子を包み、厚さ3ミリの鉄鍋で焼くのが千賀さんのこだわり。焼き上がったら茹でもやしを添え、餃子パーティーがスタートします。アニークさんのためにシャンパンで乾杯! 初めて浜松餃子を味わい、「キャベツの食感が良くて美味しいです。いくらでも食べられますね!」とアニークさん。しそやチーズ入りの餃子も美味しくいただきました。

別れの時。「家族の一員のように接してくださって、本当にありがとうございます。餃子もとっても美味しかったです。一生の思い出になります」と、感謝を伝えます。今回の来日で、ニッポンの餃子をしっかり学ぶことができました!

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