【ネタバレ】『珈琲いかがでしょう』山田杏奈、臼田あさ美のちょっぴりビターな物語

山田杏奈演じる雅は、まるで真っ白なままのキャンパスだ。そして、妬(ねた)み嫉(そね)み僻(ひが)みの沼にズブズブと埋まって、画家を目指していたにも関わらず、もう何も描けなくなってしまった礼(臼田あさ美)が、眩しそうにそれを見つめている。

珈琲いかがでしょう』第2話は、ちょっぴりビターな味わい。1杯目「キラキラ珈琲」は、ピンク髪の女子高生・雅の「東京」への夢と憧れを全部詰め込んだかのような、とてつもなく可愛いピンク色の珈琲"ロサメヒカーノ"。

2杯目「だめになった珈琲」は、リアルな「東京」を生きて夢を見ることを忘れてしまった女性・礼がもう一度がんばるための、深煎りのフレンチローストで淹れた"エスプレッソ"。『珈琲"もう一杯"いかがでしょう』(Paraviにて独占配信中)で3杯目の"カプチーノ"を味わってホッとするのもいい。本編では東京の「ギタギタでペラペラでドロドロ」を凝縮したような悪人ぶりだった礼の悪友たち(小柳心、小柳友)の、意外な一面を楽しむことができる。

脚本は1話と変わらず荻上直子。監督は『ひゃくはち』『聖の青春』の森義隆。「現実の東京」パートを彩る、まるで1本の映画のようなキャストに注目である。スカウトマンに池田良、礼のルームメイトに三浦透子、回想で川瀬陽太柳英里紗。雅が見る「これからの夢」に匹敵するほど、礼が「かつて見ていた夢」は切なく、生々しく、輝いていなければならなかった。

みかん畑に囲まれた田舎道から始まった物語「キラキラ珈琲」は、東京に憧れるピンク髪の女子高生・雅が、東京へと向かう中村倫也演じる青山の移動珈琲屋「たこ珈琲」の車内に転がりこんで、たちまちポップなロードムービーに。それから彼女が見る「キラキラでフワフワで、ピカピカでチカチカ」な、夢の街・東京。でも、雅のインスタのファンだという、東京の綺麗なお姉さん・礼の家に行ってから、事態は一変する。散らかった部屋、トイレから出てくるガラの悪そうな男。雅は、彼女の父親から頼まれて尾行していた青山に助けられ、窮地を脱する。

一方の「だめになった珈琲」は、「キラキラ珈琲」で雅を理不尽に傷つけた女性、礼の人生の物語だ。雅が忘れたスマートフォンを探しに、再び礼の部屋に訪れた青山は、動かないエスプレッソマシーンを発見する。礼は懐かしさのあまり、エスプレッソマシーンが動いていた当時、画家になる夢を追っていた話を青山にするのだった。

礼と雅が初めて会った時、2人は真っ先に互いを褒め合う。雅が礼を褒めた途端、礼が「もう、そういうのいいから」と早々に切り上げる。それからもう、臼田演じる礼に目が離せなくなった。彼女は、誰かの調子のいい褒め言葉に淡い期待を抱いては何度も裏切られ、もう何の感情も抱かなくなった人の顔をしていたからだ。

もらったスカウトの名刺が全部詐欺まがいのものだと知らされ、さらには礼にまで「こっちでは雅ちゃんレベル、ゴロゴロいる」と言われ、無理して笑う雅。「まだそっちでいたい人だったんだ、笑える」と言われ、「あんた本当にダメになったね」と返すも、その瞬間ひどく傷ついた顔をした、画家を目指す仲間同士だったルームメイト・ヤイ子(三浦透子)。彼女たちのヒリヒリとした心の痛みを、確かに知っている。

「たとえ(選ばれし者だけが持っている)"あれ"を持っていなかったとしても、しがみついて続けられる人は、それに匹敵する何かを得ることができるのではないでしょうか(中略)苦みを知ったからこそ描けるものがあるのでは」
青山の言葉は、彼女たちの心の痛みとエスプレッソの苦味を知っている大人たちに優しく寄り添う。

磯村勇斗演じる謎の男がますます執拗に青山を追う中、気になるのは、青山がふと見せた「人を殺したことのある目」である。彼は一体どんな過去を抱えているのか。さらには3話予告に映る、スナックのママに扮した麗しい滝藤賢一中森明菜「DESIRE」。気になってしょうがない。

(文・藤原奈緒/イラスト・まつもとりえこ)

【第3話(4月19日[月]放送)あらすじ】

「男子珈琲」 飯田正彦(戸次重幸)は、仕事もルックスも完璧なサラリーマン。あのヨン様にも似ていると言われるほどで、周囲に慕われていることは本人も自覚していた。青山一(中村倫也)の「たこ珈琲」に女子社員たちを引き連れ、全員分の珈琲を奢ったり、珈琲のうんちくを披露したりと"いい上司"をアピールしていた。
そんな折、新しい企画について部下と意見が衝突。かみ合わない不満を、見た目も性格も正反対の同僚・森(小手伸也)にぶつける。感情的になる飯田を森はなだめるが、そんな矢先、飯田はひょんなことから、女子社員の陰口を耳にし、自分が嫌われていることを知ってしまう。「勘違いしている」など、飯田の話題で盛り上がる女子社員たちの罵詈雑言にショックを受けた飯田は、青山の前で自分のカッコ悪さを嘆く。その頃、謎の男・ぺい(磯村勇斗)は青山に近づきつつあった――。

「金魚珈琲」ぺいの姿を見た青山は、なぜか慌ててワゴン車で逃亡。ある田舎町にたどり着いた青山は、タイヤがパンクするというアクシデントをきっかけに、スナックのママ・アケミ(滝藤賢一)と出会う。しかもなりゆきでスナックの手伝いをすることに。あっという間に人気者となった青山を、アケミは昔どこかで見かけたような気がして・・・。
そんな折、偶然にもアケミの中学の同級生・遠藤(丸山智己)が来店する。野球部のエースで、学校の人気者だったという。青山が入れた珈琲焼酎を味わいながら、2人は久々の再会を喜ぶ。
アケミはスナックを営む傍ら、母親の介護にも追われていた。そしてかつて夢を諦めた後悔のような思いを、青山に吐露する。そんな心情を感じ取ったのか、遠藤はアケミに「閉鎖的な町から抜け出して、もう一度夢と向き合うべき」と訴える。

◆番組情報
『珈琲いかがでしょう』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
※初回~3話は5分拡大
出演:中村倫也 夏帆 磯村勇斗 ほか
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」では本編見逃し配信のほかに、Paraviオリジナルストーリー「珈琲"もう一杯"いかがでしょう」を独占配信中

【公式HP】https://www.tv-tokyo.co.jp/coffee_ikaga/
【公式Twitter】@tx_coffee
【公式Instagram】@tx_coffee_ikaga

(C)「珈琲いかがでしょう」製作委員会

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菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀、古川琴音が出演する土曜ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系、毎週土曜22:00~)の第9話が、6月12日に放送。菅田演じる高岩春斗が、兄の俊春(毎熊克哉)や友人の小林勇馬(浅香航大)と再会を果たした(以下、ネタバレが含まれます)。

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