『行列の女神』中川順平P「理想と現実の間でもがく姿を描きたい」

鈴木京香主演ドラマ『行列の女神~らーめん才遊記~』がテレビ東京系で毎週月曜夜10:00より放送、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信中。ラーメン業界をけん引する「清流企画」社長・芹沢達美(鈴木)が、奇抜なアイデアと計算しつくされた手法で、苦境にあえぐ街のラーメン店を繁盛店へと導くフード・コンサルティングの物語。ビジネスを切り口にコメディタッチで味つけした、新たな"食ドラマ"として注目を集めている本作のプロデューサーを務める中川順平氏にインタビュー。ドラマ化のきっかけや主演・鈴木の印象、ドラマならではの魅力などを聞いた。

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――本作をドラマ化したきっかけを教えてください。

ドラマBiz枠というのは、仕事やビジネスにフォーカスしているのですが、今作は仕事に焦点を当てつつ"食"が大きなテーマになっています。テレビ東京はこれまでに『きのう何食べた?』や『孤独のグルメ』などの食ドラマを色々とやらせていただいており、視聴者にとっても親和性があるんじゃないかと思いました。更にこの枠は、どちらかと言えば重厚感のある真面目なものが多かったので、コメディ要素が強くてエンターテイメント度も高い本作は、枠の新たな挑戦という意味で面白いと思いました。

また、鈴木京香さんとは以前SPドラマでご一緒させていただいていて、「とても素晴らしい女優さん」ですし、またご一緒できる機会があればと考えていました。そこでこの作品を提案したところ、ご快諾いただけたんです。それもあって本作を、ぜひドラマ化したいと思いました。

――原作では男性だったキャラを女性に変えたのはどんな意図があったのでしょうか?

原作は青年誌に連載しているコミックなのですが、こちらは夜10時の連続ドラマということで、お客さんの層がまったく違うんです。連ドラの場合はコミックより、女性の比重が高く、年齢も上の層を中心に幅広い。だとするとスキンヘッドの中年男性よりも、鈴木京香さんの方が、視聴者の方々により広く受け入れられるはずと考えました。

芹沢さんはカリスマ性があるんですけど、京香さんなら、カリスマ性やプロフェッショナルとしての説得力もある。しかも、こんなにアクの強い役のイメージはあまりないので、その意味でも視聴者に面白いと思って頂けるのではないかと考えました。"女性にしたい"というよりは、この役を演じる京香さんを、皆さんにお届けしたかったというのが大きいかもしれないですね。実際に撮影に入ったら期待以上の、京香さんらしい、素晴らしい芹沢を作り上げてくださったので狙い通りでした。

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――他の登場人物のキャスティングのポイントは?

今作ではバラエティに富んだ感じになればいいと思いながらキャスティングしました。黒島さんが演じる汐見ゆとりだと、芹沢とは全く違う、明るくてかなりKYなはじけたキャラで、人をイラっとさせる役なんですけど、黒島さんが演じれば、一味違うイライラキャラになると期待してお願いしました。実際、ドラマ内で芹沢たちはイライラさせられるんですけど、黒島さんだと、イライラに愛らしさが相まって、憎めないキャラクターに仕上がっているんですよね。あと夏川彩役の高橋メアリージュンさんは、華が素晴らしくあるし、強い女性像という感じが役のイメージにぴったり。見事に表現していただけたと思います。皆さん、役のキャラクターを引き立てつつ、それぞれの個性を発揮してくださっていると思います。

――個性的なキャラクターが多い現場の雰囲気はいかがでしたか?

鈴木京香さんを中心に和気あいあいと穏やかな雰囲気でした。黒島さんが劇中でラーメンを食べるシーンが結構あるんですけど、本当に全部食べちゃうんですよね(笑)。それがとても微笑ましかったです。

ちなみに本作では、劇中のラーメンを指導の方が、すごく力を入れて作ってくださっているんです。原作のラーメンを再現するんですけど、ドラマとしては、画面上の見た目が近ければある程度OKという感じはあります。でも今回は、そこできちんと味も追求して、本当においしいもの作って下さいました。もちろんその方が、実際に食べる役者にとって良いのは、言うまでもありません。そのおいしさが画面を通して伝わればと思っています。

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――原作とは違うドラマならではの魅力は?

原作はコミック11巻で、ドラマは全8話。原作のすべてをドラマで描くことは、時間的に不可能です。そこで、原作はゆとりちゃんが主役なんですけど、ドラマでは、芹沢を中心に組み立てさせて頂くことにしました。

何より芹沢というキャラクターが魅力的だし、彼が裏に抱えている葛藤に共感できます。全部を描く時間がないのなら、ドラマは芹沢に焦点を絞って見せたいと思いました。芹沢の葛藤とは、"理想の味を追求"するということと、"売れる味を追求すること" ・・・その完全には両立しない理想と現実の間で、カリスマ芹沢も、実はもがき苦しんできたのです・・・これはラーメン職人に限らず、他の多くの仕事でも当てはまる悩みだと思うんです。

自分がやりたいこと、求めていることと、他人が求めることとのギャップ。仕事をする上で、人生を歩んでいく中で、誰しもが直面する理想と現実。それが物語後半の見どころになっていきます。ドラマならではアレンジも加えつつ、これから6話7話最終話と増々盛り上がります。そして、芹沢自身が直面する大問題...その中で胸熱な展開もあるので楽しみにしていただければと思います。

――ありがとうございました。最後に視聴者へメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスで大変な状況になった今だからこそ、エンターテイメントの重要性を感じています。ラーメン店に行列ができるような、そんな日常が早く戻ってきてほしいなという思いもあります。新作としてお届けできている作品が少ない中で、これは最後までお届けできますので、ぜひ見ていただけたらうれしいです。

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◆番組情報
『行列の女神~らーめん才遊記~』
毎週月曜夜10:00にテレビ東京系で放送。
地上波放送終了後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信されている。
(C)久部緑郎・河合単・小学館/テレビ東京

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