中村憲剛が感じた“プロ”の世界「背筋が凍る思い」「楽しみしかない」

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中村憲剛、影山優佳(日向坂46)
中村憲剛、影山優佳(日向坂46)

元なでしこジャパンの安藤梢岩清水梓が、6月5日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。今回、番組アナリストとして初登場する中村憲剛と番組スペシャルアナリストの影山優佳日向坂46)と共に9月開幕予定の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」について語った。

安藤は、約8年間ドイツでプレーした後、2017年に浦和レッズレディースに復帰し、今年3月から母校・筑波大学の助教も務めている。岩清水は2003年から日テレ・ベレーザ一筋で、2019年に結婚、今年3月の第1子出産を経てプレーを続けている。

WEリーグは、なでしこリーグで戦っていた9つのクラブと、新規参入の2クラブを合わせた全11クラブが参加。中でも話題なのが、WEリーグ発足を機に設立した大宮アルディージャVENTUS。なでしこジャパンをワールドカップ優勝に導いた佐々木則夫が総監督、優勝チームで活躍した大野忍がコーチに就任。さらに、これまでなでしこリーグでトップ争いを繰り広げてきた日テレ・ベレーザから有吉佐織阪口夢穂、INAC神戸レオネッサから鮫島彩仲田歩夢スタンボー華とワールドカップ優勝経験者や代表クラスの選手を獲得し話題をさらっている。

番組では、大宮アルディージャVENTUSを取材。大きな期待が寄せられる新規参入クラブだが、練習場は大学のグラウンドで、練習後には選手たちがボール磨きをする姿も……。仲田は「Jリーグと違ってホペイロ(用具係)はいないので、遠征や試合、用具の準備は基本的に選手たちがやる」と明かし、プロ化されたとはいえ環境整備は追いついていない状況が明らかに。

では、プロ化によって変化したことはないのだろうか? その疑問に答えたのは、大宮のオフィシャルカメラマン・早草紀子。「選手たちが、どういう風にしたらより良くなるか、お客さんが来てくれるかをものすごく考えている。それこそが重要」と話した。実際大宮では、選手とクラブスタッフがミーティングを行い、鮫島はクラブが目指す方向性を選手たちも一緒に考えたいと提案。有吉も「今までもプロ意識は持っていたつもりだが、より女子サッカーを知ってもらう、応援してもらうために選手がやれること、努力するべきことがたくさんあると実感している」と語った。

VTRを見た中村は「きっとJリーグが始まった時もそうだと思いますが、先輩方が色々な思い、経験をした上で今があるので、今回はそれを皆さんがやっていく。いっぱい失敗もあると思うけれど、それは後の成功の為だと思いました。熱量を感じたし、楽しみでしかない」と期待を示した。

そして、プロ化は選手の待遇も変えた。WEリーグは、1チーム15名以上(A契約5名、B・C契約10名以上)のプロ契約を義務化し、別の仕事を両立させたい選手のアマチュア契約も認めている。大宮のキャプテン有吉が33歳ではじめてのプロ契約をした一方で、今年、早稲田大学から加入した村上真帆は、昼の練習を終えると別の仕事をするアマチュア契約。村上は「数年後の目標としてはプロとしてやっていきたい。今は、職場で社会勉強をさせてもらえているので、仕事もサッカーもどちらも頑張りたい」と話した。また、プロとしてプレーした大野コーチは、「まだ選手たち自身もプロリーグがどういうものか認識がないので、徐々に選手同士で変わっていけたら。たくさんの方が応援してくれるか、くれないかは自分たちの結果次第で変わってくる」と気を引き締めた。

この様子を見て番組MCの勝村政信が中村に「プロを意識したってどういうことだった?」と質問。中村は「最初にガツンとプロを感じました」と述べ、「プロになった瞬間、結果次第では退路がない、背筋が凍る思いでした。けど、それが自分を成長させなければいけないというパワーに変わりました。そして試合に出続けることで少しずつピッチ外のことも見えるようになってきました」と振り返った。

では、プロ化で選手にとって不安視する声はあるのだろうか? 安藤は「プロになれる期待感が大きくて、さらにサッカーに集中できるというポジティブな選手の方が圧倒的に多い」と語り、岩清水は「個人事業主になったということで、今まで税金をどうやって払っていたのかとか、チーム内でお金に関する話が多くなった」とリアルな一面を伝えた。

また、プロ化を期に変わり始めているクラブや選手たちもいる。INAC神戸はTikTokと提携し、チームでサッカーオリジナルコンテンツを発信したり、選手個人がプライベート感のある動画を投稿したりチャレンジを続けている。SNSで話題となることに長けている川崎フロンターレだが、中村は「最初はみんな手探りでした」と語りつつ、「反応を見ながらこの選手お茶目な一面などを小出しにしていた」とコツを伝授。また、WEリーグの新人研修で話をする機会があると明かすと、岩清水と安藤が「その新人研修行きたい」「たぶん全員受けたい」と興味津々だった。

来週は初めてのプレシーズンマッチに奔走するクラブスタッフに密着。さらに影山がリーグを盛り上げるための、目から鱗の提言を披露する。

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