スマイリーキクチ、誹謗中傷との戦いを告白

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ネプチューン名倉潤次長課長の河本準一らがMCを務める『じっくり聞いタロウ 〜スター近況(秘)報告〜』(テレビ東京系、毎週木曜24:00~)が、6月3日に放送。この日は「事件に巻き込まれた人SP」と題し、お笑い芸人のスマイリーキクチが長年にわたって戦った誹謗中傷について語った。

1989年に発覚した「女子高生コンクリート詰め殺人事件」から10年後の1999年に、インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」に、キクチは同事件の犯人の一味であるというデマを書き込まれるようになった。同事件は、世間を震撼させた凶悪事件であったが、犯人たちが未成年であったため実名が伏せられ、その人物像が世間に広く知られることはなかった。そのため、出身地が同じ足立区で、犯人と年齢も同じということから、イタズラでキクチの本名を掲示板に書き込んだ者がいたのだという。

デマはどんどん広がり、「殺人事件のことをネタにしたネタをテレビでやっていた」といったものや、同級生やテレビ局関係者と名乗る者から「一緒に乱暴しました」「楽屋で本人とその話をしたら『関与したが殺してない』と言っていました」などの投稿があったほか、キクチ本人になりすまし「もう過去のことは許してください、僕はもう過去のことは償いました」と謝罪しているものもあったと話す。

そうした誹謗中傷は、事務所のファンが交流する掲示板にも及び、それに対しファンがキクチを援護すれば、「犯罪者擁護だお前らは」と、ファンも叩かれるはめに。仕事関係でも、スポンサーやテレビ局まで抗議が入り、被害が広がった。

そして被害が落ち着いてきた6年後の2005年に、今度は元警視庁刑事が出版した書籍の中で「女子高生コンクリート詰め殺人事件」が記述され、そこに「犯人のうちの1人はお笑いコンビでデビューした」と書かれていたため、再びキクチへの攻撃がはじまる。裏付けや証拠があったわけでもないのに、書籍に書かれたたった2行の文言で、またしてもキクチの辛い日々がはじまった。

そこで遂に警察に助けを求めたキクチだが、ハイテク犯罪対策センターでも全く相手にされず取り合ってはもらえなかった。そのため、キクチは自ら証拠集めに奔走し、デマの書き込みなど全てを印字して保存。その数、段ボール4箱分にもなったと話す。そして2008年、偶然にも「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の捜査を担当していたこともあるインターネットに詳しい刑事と出会い、デマを流していた犯人の特定に成功。結果的に19人が検挙されることに。翌2009年には、キクチのネット中傷被害が大々的に報道され、ネット上での集団的な誹謗中傷が一斉摘発された国内初の事例となった。

キクチの戦いにネット上では、「勘違いから生まれる正義感は怖い」「デマがデマを呼ぶ構図」「スマイリーキクチ可哀想すぎる」などのコメントが寄せられた。

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