竹財輝之助、現場で“比嘉愛未イジり”を満喫中!?「ニヤニヤしながら楽しんでいます」『にぶんのいち夫婦』インタビュー

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比嘉愛未さんが主演を務めるドラマParavi『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京系、毎週水曜24:40~)が6月2日よりスタートします。

原作・夏川ゆきの、漫画・黒沢明世による同名コミックをドラマ化した本作は、嘘と真実、純愛と裏切りが交錯する“ざわハラ”ラブストーリー。誰もが羨む新婚生活を送る中山文でしたが、夫のスマホに届いた意味深なメッセージから、浮気疑惑が浮上。不安を募らせながらも、文は証拠探しに動き出します。

今回は、主人公・文役の比嘉さんと、夫・和真役の竹財輝之助さんにインタビュー。これまでにないチャレンジングな役どころを演じる比嘉さんの思い、そして、そんな比嘉さんをサポートする竹財さんの本音とは? 過去にも共演歴があり、互いに信頼を寄せ合うおふたりに、撮影の裏側について伺いました。

比嘉愛未、竹財輝之助
比嘉愛未、竹財輝之助

――ドラマ化決定の際、比嘉さんが「恋愛ドラマをやってみたかった」とコメントされているのが印象的でした。

比嘉:20歳くらいから東京でお芝居を始めたんですが、普通はそのくらいの年齢で学園モノとかキラキラした恋愛ドラマをやるはずなのに、私は旅館の女将だったり、看護師だったり、お仕事系のクールな役柄が多くて。個人的には恋愛モノも好きなので演じてみたかったんですけど、そういったお話がこなくて(笑)。そんな中、今回お話をいただいたので、「待ってました!」という感覚でした。

――お仕事ドラマと恋愛ドラマでは、演じ方にも違いがありそうですね。

比嘉:そうなんですよ。職業にはルールがあるけど、恋愛のルールは人によって違うので正解がないじゃないですか。どこまで自分を出していいものか、その塩梅に悩みながらも楽しんでいます。今までなかった経験や刺激が沢山ありますね。

――竹財さんは、恋愛ドラマの出演経験が多いイメージがあります。

比嘉:竹さんは多いですよね。スペシャリストですよ。

竹財:スペシャリストじゃないよ!!(笑)

――(笑)。恋愛ドラマを演じる際に、意識していることはありますか?

竹財:相手の方をよく観察するようにしています。女優さんでいる時も、女性としている時も。

比嘉:こわっ!

竹財:(ニヤリと笑って)見てるぞ~(笑)。もともと人間観察が好きなんですけど、こういう恋愛作品を演じる時は、特に見ているかもしれないですね。

――今作に対して最初に抱いた印象と、実際に現場に入ってからの感想を聞かせてください。

比嘉:原作を読ませていただいて、すぐに文ちゃんに同調したので、「早く現場で文として生きたい!」と思っていました。クランクインしてからは日々、(役柄的にも)心がすり減ってボロボロになっていくけど、なかなかできない経験なので、すごく楽しいです。人間関係をしっかりと見つめ直す、いい機会にもなっています。

竹財:僕は最初、楽しそうだなと思いました。どこまで嘘をつき続けられるんだろう、って。ちょっと語弊があるかもしれないですけど、役者は常に嘘をつき続けるお仕事で、そこにさらに和真としても嘘を重ねていかなきゃいけない。どこまで視聴者を騙せるのか、すごく楽しみでしたね。けど現場に入ってみると、比嘉さんの辛そうな顔を見るのが、結構キツいです。

――ワクワクだけではなくなったと。

竹財:文ちゃんほどではないですけど、すり減ってますよ。和真が抱えているものは大したことないですけど(笑)、やっぱり文ちゃんの顔を見ているのが辛くて。しかも、和真としてはそれを表に出しちゃいけないっていうのもあるし。あと、文ちゃんがすごく想像するんですよ。

比嘉:そう、文ちゃんは妄想癖なの。ごめんね(笑)。

竹財:なに妄想してんだ⁉ っていうことを演じなきゃいけない。「文が想像しなきゃ、やらなくて良かったのに!」と思いながら(笑)。

――役を演じる上で、どんなことを軸にしていますか?

比嘉:文ちゃんは素直でまっすぐな人なので、竹財さんは“演技に演技(嘘に嘘)を重ねる”とおっしゃっていたけど、私は逆で、なるべく型にはめないようにしようと思いました。その時の相手の熱量や言葉をちゃんと受けて、それに反応する。台本にとらわれないように、柔軟に演じたいなと思っています。

竹財:軸は文ちゃんですね。全部、文ちゃんを中心に考えています。作品としては辛い顔をさせなきゃいけないところもあるし……。ほぼ、そればかりなんですけど、“楽しかった時も絶対にあるはず”という思いがベースにあるので、本番中ではないオフの比嘉さんを見て楽しんでいます(笑)。そういうところで補充しつつ、現場に居るようにしていますね。

――クランクイン前に、役作りとして準備されたことはありますか?

竹財:今回は、とくにしていないです。事前に、かなり細かいところまで設定が書かれた資料をいただいたんですよ。こういう家族構成で、この年でこのポジションだから、年収はこのぐらいで、っていう。和真は飲食関係の仕事をしていて、実際に飲食系の仕事をしている友達もいるので、その人を多少は参考にはしています。でも、それをストレートに出すところはほとんどないですね。

比嘉:私は髪を切りました。美容師さんに原作を見せて、「これでお願いします!」と(笑)。私も、好きな漫画が実写化される時は、なるべくイメージに近い子であってほしいと思うので。声色には限界があるけど、見た目は寄せられると思うので、なるべく文ちゃん像をしっかり作りたいなと思っていました。ショートカットにしたり、服装をボーイッシュにしたり、まずは外側から固めて、現場に入ってから中身を足していった感じです。

――とくに見どころになりそうなシーンを教えてください。

竹財:今まで見たことがない比嘉愛未が見られる。文ちゃんの想像シーンは、すごいですよ。めっちゃおもしろい(笑)。物語を見ている人は、“おもしろい”と思わないのかもしれないけど。

比嘉:現場で見ていると、おもしろい?(笑)。

竹財:うわっ、すげぇな、このはじけっぷり! って思っちゃう。

――演じていても、すごく楽しいのでは?

比嘉:楽しいですよ~(笑)。「自分にそんな引き出しがあったんだ」ってビックリしたことが何回かありました。いい意味で、いろいろ裏切っていけたらいいかなと思っています。

――ちなみに比嘉さんから見た、竹財さんのおすすめシーンは?

比嘉:竹さんがバックハグをするシーンが、結構多いんです。いいですよ、キュンとすると思います。

第1話シーンカット 比嘉愛未、竹財輝之助
第1話シーンカット 比嘉愛未、竹財輝之助

――竹財さんは胸キュンシーンを演じる上で、テクニックなどありますか?

比嘉:こうすれば、キュンとするんだろ? って(笑)。

竹財:いや、ないない(笑)。それがわかっていたら、どれだけ楽か。わからないんですよ、本当に。キュンキュンさせられていたら嬉しいですけど、僕自身が冷静だから……。今回はやらないですけど“壁ドン”とか、どこが良いんだろうって思っちゃいますし。なので、監督の目線を信じています。

――監督は、どんなふうに演出を?

竹財:基本的に、松田(礼人)監督は感情優先の方なので、表情に演出をつけたり、「こっちから撮ってるから」とかいったりは、おっしゃらないです。だから、出来上がった画を見ないとわからないんです。

比嘉:現場でも、ほぼモニターチェックをしないですもんね。「どうなってるんだろう」って楽しみな部分もあり、ちょっとドキドキな部分もあって。でも、全部お任せしていいんじゃないかと、信頼できる感じがします。

竹財:信頼して大丈夫だと思います。いろいろと時間はかかりますけど、本当に諦めないんですよ(笑)。

比嘉:諦めないですね~。でも、心でキャッチボールしてくださる方だから、ついていけば間違いないっていうのは、始まってすぐに感じました。“キュン”できると思いますよ!

――楽しみにしています! お話を伺っていて、おふたりの波長が合う感じが伝わってきますが、役者としては、お互いどんなところに魅力を感じますか?

比嘉:竹さんは現場をちゃんと見て、いろいろなところに気遣いをしてくださるので、すごいなと思います。演じている時は苦しいんですけど、それ以外は、竹さんを見たら「ふわっ」としているので(笑)。

竹財:ゆるキャラか!(笑)。

比嘉:マスコットキャラみたいな(笑)。癒されていますし、竹さんがナチュラルでいてくださるから、私も甘えられるというか。安心感があるので助かっています。

竹財:比嘉さんは、今まで会ってきた女優さんの中でもかなりフラットな方なので、距離を詰めなくても勝手に詰まるっていうか。

比嘉:へへへ(笑)。

竹財:現場にいるのがすごくラクです。お芝居に関しては、何も言うことないって言ったら偉そうですけど、気負わなくても大丈夫ですし、打ったら響くというか、すごく安心感もあるし。座長として現場を引っ張っていってくれる、頼りがいのある姉貴です。

比嘉:姉貴じゃないっ(笑)。まだまだ姉御キャラじゃないから、40代に入ったくらいで、もう一回言ってください。

竹財:まだ、かわいらしい感じで? 無理だよ、姉御キャラが出ちゃってるもん(笑)。頼れる人っていうのが出てるから。

――他の共演者さんとは、どんなお話を?

竹財:坂東(龍汰)くんとは、“比嘉愛未のイジり方”について、よく話しています。「ちょっと『比嘉』って言ってみろよ」とか「急に『愛未』って呼んでみて」とか。そういうことをやっています(笑)。

比嘉:2人でニヤニヤコソコソしながら……。

竹財:そう、ニヤニヤしながら“比嘉イジり”を楽しんでいます。

文(比嘉愛未)と同じコールセンターでバイトをしている大学生・樋?口亮(坂東龍汰)
文(比嘉愛未)と同じコールセンターでバイトをしている大学生・樋?口亮(坂東龍汰)

――今作はかなりハードな物語ですが、比嘉さんは結婚に対して後ろ向きになりませんか?

比嘉:それは大丈夫です(笑)。だけど、あまり夢見がちにならないようにしないと、とは思いました。しっかりと現実的に考えて、相手をちゃんと見極めなきゃいけないなって思います。

――この作品によって、刺激を受ける視聴者も多い気がします。

竹財:ドラマ全体を通して、反面教師になれればいいなと思いますね。浮気に限らず、「ちょっとしたボタンの掛け違いで、関係って崩れちゃうよ」と感じてもらえれば。そんなに重い命題ではなくても、エンターテインメントとして楽しんでもらえたらいいなと思っています。

(取材・文:勝浦阿津希)

(衣装・メイククレジット)
比嘉愛未:Hair&Make=奥原清一(suzukioffice) Styling=後藤仁子
竹財輝之助:Hair&Make=万希(ENISHI) Styling=大石裕介

<第1話あらすじ>
結婚2年目の中山文(比嘉)は、周囲も羨むイケメンで誠実な夫・和真(竹財)と平穏だけど幸せな生活を送っていた。文は、自慢の夫を手に入れ「世界一幸せな妻」だと思っていた。そう、“あの日”までは……。

ある日、文は和真の携帯に届いた意味深なメッセージを見てしまう。もしかして浮気……? 2か月間のセックスレスも重なり、文は不安を募らせる。しかし決定的な証拠はない……。夫の浮気を追求するか否か……。

迷いの結婚生活が始まる――。

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