左から 片渕茜アナ、勝村政信、川俣則幸、川口能活、北澤豪

日本サッカー協会GKプロジェクトのリーダーを務める川俣則幸と元日本代表でU-24日本代表コーチの川口能活が、2月20日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。日本サッカー界の課題とされるGKについて語り合った。

1998年フランスワールドカップで日本は念願の初出場を果たしたが、結果は3戦全敗。すべて1点差負けで、3試合で4失点。数値だけを見れば善戦したようにも見えるが、この時、GKとしてピッチに立っていた川口は「戦術眼、テクニック、ジャンプ力、パワー、スピード。モノが違うと思った」と述べ、世界との差が鮮明になった大会でもあったという。

大会後、その差を埋めるべく立ち上げられたのが「GKプロジェクト」。全都道府県のサッカー協会と連携し、将来の代表に繋がりそうな若い世代のGKを発掘。9つの地域に分けて選抜し、最終的にナショナルトレーニングセンターでトップの指導を受けられるシステムを作った。日本サッカー界が掲げる「2050年のワールドカップ優勝」のため、世界一のGKを育成することを目指す。

過去の合宿では、川島永嗣西川周作権田修一など、後の日本代表選手を発掘。近年は、U-16からすべてのカテゴリーの代表に選ばれているサンフレッチェ広島の大迫敬介や鹿島アントラーズの沖悠哉、湘南ベルマーレの谷晃生など、20代前半の若き才能たちがJリーグの各クラブでゴールマウスを託されている。川俣は「持っている才能をしっかりと伸ばして開花していることが大きな成果」と話し、川口は近年の選手の特徴として「(選手の)できることがすごく増えていて、現代サッカーは数多くのことがGKに求められるので、どのプレーも水準以上になってきた」と語った。

才能ある若手が台頭する一方で、Jリーグを席巻しているのが外国人GK。昨シーズン、J1の18チーム中7チームの正GKが外国人だった。2019年、Jリーグで外国籍選手を5人登録できるようになりチーム内の競争が激化したのも要因のひとつで、韓国をはじめ経験と実績のあるGKに、日本人の若手GKが挑む構図になっている。川俣は「若手GKがJリーグの試合で活躍する機会が少なくなってしまうのはもったいない。危機感を覚える部分ではある」と話した一方で、番組MCの勝村政信は「悪い事ではないと思う。守備の重要性がわかって、優れた選手を集めた結果、今はこうなっているけれど、もう少しすると落ち着いて、この悔しさをバネにして凄いGKが出てくるのでないか」と前向きに捉えていた。

もちろん、ただ黙って見守っているだけではない。日本が持っている経験だけでは足りないと考え、世界的GKコーチのフランス・フックにコーチ就任を打診。マンチェスター・ユナイテッドやバルセロナ、オランダ代表などのコーチを務め、オランダ史上最高のGKと言われるファン・デル・サールを発掘・指導したことでも知られる人物だ。

フックは日本人GKの現状について「日本人のGKたちはとても規律正しく、学ぶ姿勢も素晴らしいが、現状では世界で活躍できるGKはいない」と評価。欧州の特に6大リーグで活躍できる選手が必要と語り、チャンピオンズリーグなどでハイレベルな相手と対戦することが成長を促すと提言した。

しかし、これまでに6大リーグでレギュラーに定着した日本人GKは川島たった1人。日本代表として絶対的な地位を築き、2001年に日本人GKとして初の海外移籍を果たした川口でさえも、イングランド・ポーツマスFCでの出場機会は2年間でわずか12試合。「GKはチームの軸で、ひとつしかない欠かせないピース。チーム内での信頼がすごく影響する。言葉の問題やパーソナリティも含めて、GKとして必要な要素全てが求められる」と、ポジションを奪う難しさを話した。しかし、この時の川口の挑戦が、後の日本人GKに大きな影響を与えた。

川俣は「功績を後輩選手は見ている。川島選手にヨーロッパで続ける理由を聞いたときも、“海外でしか経験できないことがあって、この中でしか世界に届くところは見えない。川口さんが2001年にチャレンジしてくれたから、今、頑張れる”と言っていた。今、川島選手が頑張っている姿を見て、次の世代が自分たちも頑張りたいと思える」と、続いていくことの重要性を説いた。

またフックは、GKの技術より向上すべきこととして、コーチの質を指摘。日本はGKコーチ専用のライセンス制度があるものの、そのライセンスを持つ指導者がいるチームは全国でわずか8%。川俣は「数多くいる監督・コーチがGKを含めて指導できるように、人材を育てるべく取り組んでいる」と語り、北澤も「子供がGKをやりたくても、指導者がいなくて見てもらえないと、モチベーションもスキルも上がらないことになってしまう」とコーチの質と量について語り合った。

最後に川俣は「サッカーが好きな人の中でGKが話題になる時代が来たんだなって。サッカーの理解が深まると思うし、そういうことの広がりで日本のサッカー文化が広がっていく」と語り、川口も「カッコよく止めることがキーパーの醍醐味だと思う。GKをやる子が増えてくれたら」と期待していた。

今シーズン、Jリーグ史上初めて女性の主審としてリスト入りした国際審判員の山下良美、史上最年少の14歳で京都府少年サッカー決勝の笛を吹いたU-15 3級ユース審判員の森璃久翔が、5月15日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。審判の多様化とその未来について考えていく。

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