薬物とアルコール依存で入退院を48回繰り返した男性が登場「泣きながら酒飲んで…」『じっくり聞いタロウ』

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ネプチューン名倉潤次長課長河本準一らがMCを務める『じっくり聞いタロウ 〜スター近況(秘)報告〜』(テレビ東京系、毎週木曜24:12~)が、8月20日に放送。薬物とアルコールに依存し人生がめちゃくちゃになった渡邊洋次郎さんが登場した。

渡邊さんが最初に手を出したのは「シンナー」で、中学2年生の時に不良仲間にそそのかされたのがはじまりだった。学校にも行かずシンナーを吸い、1週間何も食べなくてもお腹は減らず、気が付けば体重も40kgに。シンナーの窃盗や乱用で何度も警察に捕まるがやめられず、17歳の時には少年院に入所。18歳で出所したが、「シンナー吸うと少年院にもう1回戻ったりするので、それは怖いのでシンナーはやめておこう。酒は合法なので、たまたまナンパした女の子から『水商売したら?』って勧められてホストに……」と、飲酒量を一気に増やす引き金となった経緯を明かす。

ホストになってからは切れ目なくアルコールを注入し、客のボトルを盗んではトイレで飲むという行為を繰り返していた。手が震えていたため、客からも「アル中ちゃうん?」と言われていたが、当時の渡邊さんは「水商売やし褒めてくれてるのかな」とプラスに受け止めていたそう。

しかし、接客もままならないため、ホストクラブを5店舗クビになった渡邊さんは、自暴自棄になり再びシンナーに溺れるように。「泣きながら酒飲んでシンナーでラリって包丁で身体切って火つけてみたいなことを毎晩繰り返して。その行為も止まらないし、同時に金がないのでコンビニを窃盗してまわるんですけど。ウィスキーのハーフボトルを1日2本飲むというのが自分の中で決まっていて、それが3日先、計6本自分の部屋にないと落ち着かなくなって……」と、身体も脳も蝕まれ、いつしかコンビニにはナイフを携帯して窃盗に入るようになった。

「その時に唯一頭に浮かんだのが、警察が無理にでも止めてくれたら。人を殺すか、自分を殺すかする前に止めてくれたらと思っていたら、警察から『病気かもしれん』って言われて。その時に選択肢をくれて、『2~3日留置場入って頭冷やすか病院行ってみるかどうする?』って」。渡邊さんは病院に行くことを選択する。

そして20歳の時に精神科病院に入院し治療を受けることになったが、それから10年間で入退院を48回も繰り返す。「病院には入るけど何をしているかよくわからない。治療を受けるためにそこにいるのかもわからない」「入院中は冷静でも、あと10日後に外泊できますよとなるとスイッチ入って。アルコール依存症や薬物依存症とか他の精神疾患の病名もいくつかもらったけど病気ってのはピンとこないし、薬物使いたいから使うし。その代替えとして酒を飲んだ思いがあったので、病気でひどい状態が繰り返しているのか、それこそが望むことなのか見分けられへん」と話した。

入退院を繰り返した結果、30歳の頃にシンナーの窃盗で逮捕。懲役3年の実刑判決を言い渡された。刑務所の中で犯した罪を反省した渡邊さんは、「2度とやらない」と決意したはずだったが、刑務所に出てすぐにお酒を口にしてしまう。「刑務所入って絶対に飲まへんてわかったのに、出てすぐ飲んで。初めて自分が飲んだお酒に対し『あれ? ここで飲む?』(と気付いた)。でもそれが病気やなって」と、初めて依存症という病気であることを自覚する。

これがターニングポイントとなり、依存症から回復するための治療に本気で取り組むようになった渡邊さんは、それから11年シンナーと酒を断っている。現在は依存症回復施設に正社員として勤務。自身の経験を生かして、依存症で苦しむ人の相談に乗ったり、講演を通じた啓発活動を行ったりしている。

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