横浜FCのJ1復帰に貢献!クラブデンティストが明かす“歯の噛み合わせ”の重要性

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横浜FCのJ1復帰に貢献!クラブデンティストが明かす“歯の噛み合わせ”の重要性

横浜FCのクラブデンティスト・白井崇浩が、8月1日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。アスリートのパフォーマンスに影響する“歯の噛み合わせ”の重要性に迫った。

昨シーズンJ2で2位に輝き、13年ぶりのJ1復帰を果たした横浜FC。昨シーズンから、白井が理事長を務めるエス歯科グループがスポンサーとなり、白井は歯のコンディションに特化した専門家としてチームに貢献。クラブデンティストを採用しているクラブはJ1でもごくわずかだが、イタリアの名門・ACミランでは入団の際に歯科検診が必須とされるなど注目されている領域だ。

白井は、大学までサッカーをしていた経験から歯がプレーに与える影響を熟知。選手たちの口内環境や噛み合わせの改善に着手したところ、治療が終わった頃から7連勝を含む18戦無敗を達成。悲願のJ1復帰を陰から支えた。

しかし、歯を食いしばるようなパワー系種目ではないサッカーにどれだけの影響があるのか? 日本歯科医学会誌には、スポーツ選手の噛む力は、ライフルやボート、ウエイトリフティングなどのパワー・バランス系の競技では200kg前後とあるが、サッカーは50kg程度と記されている。

白井によると、歯はパワーだけでなくバランス感覚にも重要な役割を果たしているという。そこで大事なのが噛み合わせ。番組MCの勝村政信とアナリストの都並敏史が、通常の状態で握力を測るとそれぞれ40.5kgと41.5kg。一方、ゴムチューブを使って噛み合わせを悪くして測ると37.0kgと40.0kgに減少。しっかり噛んだ状態の方がパワーを出せることがわかる。

そして、バランス感覚については、噛み合わせの良い選手に、噛み合わせが悪くなる装置を24時間付けてもらってからバランスを測ると重心のずれが約2倍になったというデータを提示。骨がゆがみ、筋肉が非対称になることが原因だという。さらに噛み合わせが悪いと、歯の1か所だけに負担がかかるようになり、表面に細かいひび割れができ虫歯になりやすくなる。さらには歯の痛みでよく噛まなくなり唾液が絡まなくなると栄養吸収も悪くなり、内臓疾患にも繋がっていくなど、体全体に悪影響を及ぼすという。

また、普段の何気ない癖で歯並びが悪くなることもある。予防・改善には、食事で左右バランスよく噛むこと、集中するときに歯を食いしばってしまう人は意識して癖を直すこと、そして、頬杖など長時間あごに負担がかかる姿勢を取らないことが重要だと説明した。

実際、白井はどのようなサポートをしているのか? 選手達は白井のクリニックを訪れ、CTを撮り、虫歯や歯周病、あご機能、唾液の検査を受け、白井は選手の状態を把握し処置やサポートをしていく。また急な歯の痛みなどが出ても可能な限り早く処置をし、また、選手の試合や遠征のスケジュールにあわせて治療ができるのもメリットだという。

そのほかにもアスリートならではの歯の問題もあるという。実は、イングランド・プレミアリーグの選手の約4割が虫歯で、研究者は各クラブに歯医者が必要と提言。実は、練習や試合中のスポーツドリンクによって、口内が酸性度の高い虫歯になりやすい環境になってしまう。特に試合中は緊張で口の中が乾いて糖分が残るのでリスクが高い状態なのだとか。熱射病対策などで水分補給は欠かせないが、白井は「スポーツドリンクを飲んだ後に水をひと口含むだけでも効果がある」と伝えるなど、アスリートにとっての歯の重要性を伝えていた。

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