放送開始10年目を迎えたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)が、4月4日から4週連続のSP企画「10年目突入! 特別企画 フットボールの源流を辿る」を放送。番組MCの勝村政信が、サッカー発祥の地イギリスを巡った。

今年2月、勝村と番組スタッフは3泊5日の弾丸ロケを敢行。4日の放送では、マンチェスターにある国立フットボール博物館を取材。日本サッカー協会(JFA)など各国サッカー協会が、国名+FA(FOOTBALL ASSOCIATION)と名乗っているのに対して、世界初の協会であるイングランドサッカー協会は頭に“E”を付けずにFAと名乗ることができるという歴史的な経緯を紹介。一方で、第1次世界対戦前後に男子サッカーよりも女子サッカーの人気が高かったことを快く思っていなかったFAは、1920年代はじめに女子サッカーを禁止。1971年に女子リーグが再開するまで半世紀にわたり閉ざされていた。この隠された歴史を忘れないために、1910年代に活躍した女子サッカー界のスター選手、リリー・パーの銅像が展示されていることを伝えた。

続いて世界最古のサッカークラブ、シェフィールドF.C.を訪問。黎明期のサッカーはシェフィールドやマンチェスターなどの工場で働く人々の息抜きとして人気を集め、地元の経営者がそれに目を付けて1857年にクラブを設立し今に至る。現在は8部にあたるノーザンプレミアリーグに所属しているが、更衣室やトイレ、シャワー、マッサージルームなどを備えたクラブハウス、VIPルームを備える2000人収容のスタジアムを持っており、「日本で8部だったら友達同士で作っているクラブ。こんな設備はあり得ない」と大興奮。また同クラブはファールOK、ハンドOKなど地域ごとにバラバラだったルールを統一し、現代サッカーの基礎となる世界最古のルールブックを作成。そのレプリカが紹介された。

続く11日の放送では、マンチェスター・シティのホーム、エティハド・スタジアムへ。勝村はスタジアムツアーで、プロジェクションマッピングで彩られたロッカールーム、AR技術でグアルディオラ監督と同席した気分を楽しめるプレスルームを体験。そのほか、入場前の選手たちや試合後のミックスゾーンの様子をマジックミラーの裏などから見ることができる“トンネル・クラブ”と呼ばれる特別席(600ポンド/約8万6000円から)は、5つ星のディナー、ワイン飲み放題、VIPシートでの観戦など高い付加価値を付けて提供されるなど、独創的なアイデアでファン・サポーターを楽しませている。

また、外国籍選手や監督の情報、クラブ経営のノウハウなどを提供するシティ・フットボール・グループを発足。世界8クラブがパートナーシップを締結し、昨年、横浜F・マリノスが15年ぶりにJリーグ制覇を成し遂げたことで、本家マンチェスター・シティ以外からも優勝クラブを輩出した。しかし、すべてが順調に思われたシティだが、支出が収入を上回ることを禁止するファイナンシャル・フェア・プレー(通称FFP)違反に抵触。2年間のUEFAチャンピオンズリーグへの出場停止処分が下された。クラブは国際スポーツ仲裁裁判所に異議を申し立てたが、プレミアの10クラブが団結し、シティに追加ペナルティを申し立てるなど混迷している。

18日の放送ではリヴァプールを特集。昨シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ制覇を達成し、第29節を終えて中断している今シーズンのリーグ戦は2位のマンチェスター・シティに勝ち点25差をつけて首位を独走している。その強さの秘密を紐解くキーワードが「ONE CLUB」。ホームスタジアムのアンフィールドの壁面には選手だけでなくサポーターも描かれ、これで1つのクラブチームという意思を表現。スタジアム内も歴代監督のパネルや獲得したトロフィーの数々に加え、サポーターの姿が描かれている。ゴール裏は1層構造の急斜面なスタンドで、かつてイギリス軍が戦争で攻略した急斜面の丘にちなんで「The Kop」と呼ばれている。そして、地元出身のロックバンド、ジェリー&ザ・ペースメイカーズの楽曲「You’ll Never Walk Alone」をカバーした最強のアンセムを轟かせるサポーターの姿は、まさに12人目の選手。

スタジアムのロッカールームでは、クラブのレジェンド、スティーブン・ジェラードとケニー・ダルグリッシュ、そしてファン・ダイクやアレクサンダー・アーノルドといったスター選手たちと並ぶ南野拓実のユニフォームを発見。勝村は「ここに日本人選手のユニフォームが……」と感慨深げに語った。

そして25日の放送では、首都ロンドンに拠点を置くクラブを特集。ロンドン西部の高級住宅街にあるスタンフォードブリッジを本拠地とするチェルシーは日本企業と深いつながりがある。2015年から世界シェア8位のタイヤメーカー・横浜ゴムが推定56億円でオフィシャルパートナー契約を締結。ユニフォームをはじめ、いたるところに「YOKOHAMA TYRES」のロゴが描かれている。実はプレミアリーグ初の胸スポンサーは日本企業で、1979年にリヴァプールの胸に刻まれたHITACHIだ。その後もNECやSEGA、SHARPなど日本企業がスポンサーとしてプレミアリーグのユニフォームを彩ってきた。現在、サッカーファンは世界に35億人いると言われ、ビッグクラブのスポンサーは企業の名を広げる最高のマーケティングなのだ。

続いて訪れたのは、ロンドン北部を拠点にするアーセナル。本拠地エミレーツスタジアムの周辺にはかつてアーセナルにかかわったスタッフやサポーターに感謝の意を込めて、彼らが描かれたフラッグが飾られている。そして、スタジアム内は黄金期を率いたベンゲル元監督の意見が取り入れられており、例えばロッカールームの中央にある机は、その前に立った時、選手たちの顔が見えるような高さに設定されている。

アーセナルと同じ北ロンドンで近年目覚ましい輝きを放つのがトッテナム・ホットスパー。昨シーズンはチャンピオンズリーグ初の決勝進出。今シーズンは知将モウリーニョを招聘し、更なる高みを目指している。アーセナルとの一戦はノース・ロンドン・ダービーと呼ばれ注目を集める。昨年、総工費約1450億円をかけて完成したトッテナムホットスパースタジアムは、ショッピングセンター、ホテル、展望台、ビール醸造所まで兼ね備える。さらにサッカー用の天然芝の下に多目的用の人工芝を備え、アメフトやコンサートなど、用途ごとに使い分けることができる。まさに最新鋭のスタジアムだ。

新スタジアムと言えばウエストハム・ユナイテッド。2012年のロンドン五輪のメイン会場ともなったロンドン・スタジアムは、陸上トラック部分を客席に改装し、収容人数を6万人に拡大。これまで100年以上もホームとして使用していたブーリン・グラウンドも趣のあるスタジアムだった。

そして、番組がこの旅で伝えたかったもう一つのテーマがある。ロンドン、マンチェスター、リヴァプール、シェフィールドと巡ってきた勝村だが、実は道中、俳優仲間でありサカ友でもある故・大杉漣さんのサングラスを身に着けていた。かつて番組にゲスト出演した際に「そこに身を置くという面白さはスタジアムでしか感じられない」と言っていた大杉さんの思いを胸に、「ロシアワールドカップの時は写真でしたけど、今回はメガネで良く見えるように一緒に来ました。海外に来る時、サッカー番組の時は必ず一緒に来るようにしている」と語り、「You’ll Never Walk Alone(君は決して一人じゃない)」と思いを伝えていた。

最後に勝村は「やっぱり圧倒されました。これまでサッカーを文化にという話をしてきましたが、文化じゃなくて生活。常に横にサッカーがあるというイングランドの強さ」「今回のイギリスの旅を色々な方に見ていただいて、Jリーグの素晴らしさと、どうしたらもっともっと素晴らしいリーグになっていくかを知る手助けになるのではないかと思う」と言って、番組10年目の旅を総括していた。

9月18日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)では、女性アスリートの“生理”をテーマにトークが展開。ゲストに、なでしこリーグ1部のスフィーダ世田谷FCに所属する下山田志帆と、イタリアでのプレー経験もある元女子サッカー選手の内山穂南を迎え、女性アスリートの悩みを解消する画期的な新商品や、男性にも理解を深めてもらうための取り組みなどを紹介した。

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