井上祐貴&新山千春が明かす“タイガVSタロウ”の舞台裏『劇場版ウルトラマンタイガ』インタビュー

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井上祐貴さんが主演を務める『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』が3月6日(金)から全国公開されます。主人公は“ウルトラマンタロウの息子”であり、幅広い世代から支持を得た人気作品の劇場版。闇堕ちした父・タロウに立ち向かうタイガに協力すべく、新世代のウルトラマン“ニュージェネレーションヒーローズ”が勢揃いすることも話題になっています。

本作で、タイガに変身する工藤ヒロユキを演じる井上さんと、ヒロユキが所属する民間警備組織E.G.I.S.の社長・佐々木カナに扮する新山千春さんにインタビュー。ドラマと同時進行で撮影したという劇場版の裏話を、たっぷりと語っていただきました。

――タイガは“タロウの息子”ということで、反響も大きかったのでは?

井上:情報が解禁された時、僕の親もですがタロウ世代の方からの反響が一番すごくて。タロウの人気を改めて実感して、気合いが入ったのを覚えています。

――シリーズに出演したことにより、もともと抱いていた“ウルトラマン”のイメージに変化はありましたか?

井上:子供の頃は『ウルトラマンコスモス』が好きで、ショーやイベントに行ったり、人形を集めたりしていました。実際に演じてみて、もちろん撮影の裏側が知れるということはありますけど、ウルトラマンが戦っているところを生で見ると興奮するし、それが映像になることにすごく感動して。大好きなウルトラマンに関われる嬉しさを噛みしめながら過ごしていました。

新山:私も兄がいるので、家にはソフビ人形があったし、ウルトラマンは“ヒーロー”として近くにいてくれる存在でした。大人になって、そのウルトラマンに出演させていただけることに感激しましたし、戦いのシーンを見ると「うわっ!」と内側から込み上げるものがあるんですよ。

井上:本当に! ありますよね。

新山:いくつになっても、ウルトラマンはやっぱりヒーロー。きっと子供たちも、作品を見たり、ヒロユキくんに会ったりした時、こんな気持ちになるんだなと体感しています。

――井上さんは以前、『ウルトラマンタイガ』の撮影を通じて“子供に憧れられる存在になりたい”とコメントされていました。

井上:お芝居をすること自体初めてだったので、セリフを覚えるとか、人と被らないように意識するとか、基本的なところから始まりました。少し慣れてきた頃から、ようやく“どうしたら自分が子供の頃に憧れていたヒーローになれるんだろう”と考えられるようになって。イベントで子供からの「頑張れ」という声援を聞くと、少しは目標が叶えられたのかなと思います。やってきて良かったという気持ちになりますし、もっともっと憧れられる存在になりたいですね。

――新山さんから見た、井上さんの役者としての成長は?

新山:作品へののめり込み方が、徐々に深くなっていくのを感じていました。回を増すごとに、ヒロユキの色が濃くなっていくんですよ。撮影が一緒になるE.G.I.S.のシーンは、家族のような、ヒロユキの心がほぐれる場面になればいいなと思っていました。どんどん逞しく、男らしくなっていく姿を近くで見ていたので、今お会いすると「祐貴くん、成長したね」という気持ちになります。これからも純粋なままでいてほしいです……ずっと、変わらないでね(笑)。

井上:はい(笑)。

――新山さんにとって、井上さんは息子のような存在なんですね。

新山:そうなんですよ。胸ぐらを掴んで「ふざけんな~!」って叱ったり、持っている資料で頭をバンッと叩くシーンもあったりして(笑)。

井上:何回も叱られました(笑)。

新山:でも、叱られることでヒロユキも成長していきました。それに、躊躇せずに掴んだり、叩いたりできたことが、見ている子供たちの笑顔に繋がったとも思うんです。「ヒロユキ、また怒られてる〜!」って(笑)。なので、相手が祐貴くんでよかったです。

井上:そう言ってもらえると嬉しいです。千春さんが「E.G.I.S.が家族のような場所になれば」と思っていたことは今、初めて知ったんですけど、僕自身、外で撮影をしてE.G.I.S.に戻ると、我が家に帰ったような気分でした。「次はE.G.I.S.の撮影だ!」って、楽しみにしていましたね。

新山:本当に、子供みたいに可愛くて。毎日のように一緒にお弁当を食べていて、「また明太子食べるんだ」みたいな(笑)。

井上:あはは(笑)。朝が早い時はスタッフさんがご飯を買ってきてくださって、僕は明太子が好きなので、席に明太子のおにぎりとお茶がポンっと置いてあるんですよ。で、千春さんは焼きそばパンがお好きなので、焼きそばパンとお茶が置いてある(笑)。そういうのも、なんかいいなぁって元気をもらっていました。

――劇場版は“ニュージェネレーションヒーローズ”が勢揃いする作品。その中で主演というプレッシャーもあったのでは?

井上:聞いた時にはプレッシャーを感じましたが、せっかくやらせていただけるんだから「やってやろう!」という気持ちが芽生えてきました。先輩方が培ってきたものがあるから出来ているんだ、その中で自分が真ん中に立って変身させてもらっているんだとていう気持ちは忘れずに、やり切ったという感じですね。

――特に印象的だった先輩からの言葉はありますか?

井上:芝居のことより、変身シーンの話が印象に残っています。変身シーンってそれぞれ本当に難しくて、腕の角度とかもミリ単位で決まってるんです。そういう細かいところについて「大変だよね」と共感してもらいつつ、「振り切ったほうがカッコよく見えるよ」といったアドバイスをいただきました。

――タロウとタイガの“親子対決”も話題ですね。

井上:まさかこうなるとは思っていなくて(笑)。ビックリしましたが、いち視聴者として、どうなるんだろう? という楽しみもありました。タロウファンもタイガファンも観たくなる……さすがだなぁと(笑)。

新山:“親として、子供とどう向き合うか”というタロウの思いには、ひとりの母親としてグッときました。ただの戦いではない、思いと思いのぶつかり合いに、心が動かされましたね。またヒロユキが、いい顔をしてるんですよ。

井上:(照笑)。あまり話すとネタバレになってしまいますが、最後にタイガとヒロユキがどうなっていくのかは本当に見どころだと思います。

新山:セリフもすごく良いんです。テレビ版、劇場版を通して築き上げてきたヒロユキから生まれるアツい言葉に、ぜひ注目してほしい。ハンカチを用意して観ていただきたいです。

井上:そのシーンの撮影が、ちょうどクランクアップだったんですよ。スタッフさんも、ずるいですよね(笑)。いろいろな思いが重なって、アツくなっちゃいました。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

新山:歴代最強といわれる父・タロウと息子・タイガのシーンは迫力もありますし、仲間を大事にすること、絆を深めること、希望を持つこと……人として大切なことが詰まった作品になっています。ご家族はもちろん、タロウ世代の方は、昔からのお友達を誘って劇場に足を運んでもらって、令和のウルトラマンを観ていただけたら嬉しいです。

井上:劇場版には、本編で描かれなかったタロウとタイガの絆が試されるシーンがたくさん出てきます。闇落ちしたタロウを救うために、ニュージェネレーションヒーローズが力を合わせて神秘の巨人“ウルトラマンレイガ”を誕生させる物語なんですけど、そこに至るまでの過程がすごく深い。監督、キャスト、スタッフの思いが一瞬一瞬に詰まっているので、それぞれのキャラクターに注目しながら、何度も楽しんでいただきたいですね。

(写真・文:勝浦阿津希)

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