ゼルビア×キッチンは地域の憩いの場?管理栄養士・井上祐子の一日

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ゼルビア×キッチンは地域の憩いの場?管理栄養士・井上祐子の一日

J2・FC町田ゼルビアの管理栄養士・井上祐子が、9月21日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。彼女の1日に密着した。

これまでに井上は、宮内庁で三笠宮家の侍女、ホテルオークラやオテル・ドゥ・ミクニなどの超一流店、学校給食の栄養士として料理の腕を振るい、現在は町田ゼルビアの管理栄養士として選手たちを食から支えている。

町田ゼルビアはJリーグクラブとしては初となる定食屋ゼルビア×キッチンを4年前にオープン。アスリートの育成で培った知識を地域に還元している。店では、一日に必要な栄養素の3分の1を賄える定食や、たんぱく質やカルシウム、鉄分など、育成期に重要な栄養素がつまった定食が並ぶ。

そんな店の献立をすべて考えているのが井上。電車で2時間かけて毎朝9時に出勤。日替わり定食の一つひとつのおかずをはじめ、10品以上あるメニューを事前に調理する。その数は多い時で100人分。豚肉は必ず茹でてから調理することで脂質を20%カットし、それぞれの料理には手書きのメモがそえられ、どのような栄養効果があるか一目でわかるようになっている。さらに、町田産の野菜を使い地産地消を心掛けている。アルカリ性の水で流してから酸性の水につけることで、消毒効果と鮮度にも気を配る。

そして、開店前の午前10時半になると町田ゼルビアの選手たちが来店。チームの食堂にもなっており、井上は、ビュッフェで自由に盛り付ける選手たちの皿をさりげなくチェックし、「玉ねぎはいい?」「お肉はいらない?」と細かくアドバイス。それを受けた選手たちも「体調に合わせて色々教えてくれるので助かる」「相談したら1か月で体脂肪率がかなり落ちた」と大きな手応えを感じている様子。

また、同じ町田を本拠地にするフットサルクラブASVペスカドーラ町田の選手もやってくる。実は、地元の提携アスリートにも1食600円で食事を提供しているのだ。さらに、店内では選手とファン・サポーターの即席撮影会が開かれることも珍しくない。地元の人たちと選手のコミュニケーションが生まれるなど、今や町田になくてはならない憩いの場となっている。

午後6時。この日は栃木SCとのアウェイ戦ということで、食堂はパブリックビューイングの会場になっていた。井上は、子供たちに卵の割り方をレクチャーするなど、子供から大人まですべての世代に食の大切さや楽しさを伝える場としても活用。夜になるとアカデミー生がやってきて食事を摂る。番組アナリストの都並敏史は「練習が終わってすぐ食べられるチームとそうではないチームではまるで違ってくる。町田のアカデミーは強くなっているから食の影響は絶対にある」と太鼓判を押した。

さらに井上が食の豆知識を伝授。コーヒーは、利尿作用がありビタミンなどの栄養が流れやすくなってしまう。一方で、脳の癒し効果や活性化も期待されるので、体調に合わせて飲むべきと話した。また、空腹で運動すると、そのあとにたくさん食べてそれがすべて栄養となってしまったり、筋肉の修復にも時間がかかったりするのだとか。「適度に食べてから運動して、そのあとで回復のために食事をするのがバランスの良い食事」と話し、運動後には30分以内に豆大福を補食として食べることが、疲れた体にたんぱく質と炭水化物、糖質を摂ることができて筋肉の修復につながると勧めていた。

井上は「選手一人一人がどういう体質かを見て、選手のパフォーマンスが上がるような食事の指導ができれば。負けた試合も勝った試合も見て、どんな風に動いていたか、どんな顔でキッチンに来てくれるか。そういうのを見逃さないようにしたい」とコメント。番組MCの勝村政信が「一緒に戦っているのですね。たくさんの方々がチームの力になっている。こういう方のためにも町田は昇格しなくては」とエールをおくると、井上も「信じています」と笑顔を見せていた。

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