“ちょい足し”で楽しくなるスポーツ観戦の新たな試み

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“ちょい足し”で楽しくなるスポーツ観戦の新たな試み

スポーツ観戦をより楽しむための「ちょい足し」情報を、9月7日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)で特集。芸能界屈指のサッカー通として知られるタレントの平畠啓史と共に、最新のスタジアム事情に迫った。

今回番組では、サッカー観戦にやってきたサポーターの不満を調査。「駅から遠い」「待っている時間がつらい」などの声が上がる中、特に多かったのが「混雑」と「トイレ事情」。サッカーは試合が始まると目を離せないため、自ずと試合前やハーフタイムの売店に長蛇の列が生まれてしまう。その悩みを解決しようとJ2のジェフ市原・千葉が、フクダ電子アリーナで売店から客席へのデリバリーサービスを試験導入。スマートフォンを使い、客席にあるQRコードからオーダーすることで特設店舗に注文が届き、客席の位置情報がわかる端末を持った売り子が届けてくれる。使用したサポーターも「思ったより早く来てびっくり」「ビールを飲む量が増える」と笑顔を見せ、導入した店側も売上が上がったという。ジェフは来シーズンからの本格導入へ向けて準備を進めている。

また、混雑といえば、スタジアム内のトイレ。ハーフタイムの15分間ではトイレから戻ってこられないことも珍しくない。特に女性用トイレは問題になっており、Jリーグの中でも女性観客の割合が高い鹿島アントラーズは大改革に着手。スタジアムの女性トイレを6倍に増設し、約150あった和式トイレをすべて洋式化。さらに、内装をブルーとレッドのアントラーズカラーに刷新するなどして清潔感もアップ。入り口にモニターを設置し、並んでいても試合をチェックできるように配慮した。そのほかにも、洗面台とは別にパウダースペースを追加し、化粧やフェイスペインティングをできるように改修。入り口から出口までを一方通行にすることで人の流れをスムーズにした。

人々の不満を拭い去る努力をする一方で、これまでにない取り組みで注目を集めているクラブがある。2007年に誕生したFリーグ(フットサルリーグ)のY.S.C.C.横浜フットサルは、2部にもかかわらず毎試合満席を記録している。同クラブは公式サイトで「選手指名チケット」というサポーターが選手を選択してチケットを購入すると料金の20%が選手に還元されるシステムを導入。また、個人が練習ウェアのユニフォームスポンサー(胸で10万円、背中の上部で5万円、真ん中で2万円、下部で1万円)になることもできる。これらの取り組みについて、あるサポーターは「自分が苦労して稼いだお金をその選手につぎ込むわけですから、頑張って欲しいと思うし、可愛くもなる」、そして選手側も「いただいたことを感謝してやれるので、すごくモチベーションになる」と語るなど、お互いにとって良い関係が築けているという。これらの斬新な企画が功を奏し、売上は去年に比べて1.5倍に増加した。

平畠が「個人を応援するのは面白いですね」と頷くと、番組MCの勝村政信も「僕が若い頃も、小劇場のチラシに行きつけの居酒屋さんの名前を入れて5000円もらって足しにしていたし、今でも若い子たちはそうやっている。そうやって誰からお金をいただいているか、プロフェッショナルがどういうことかとわかってくる」と語り、番組アナリストの北澤豪も「その責任感からプレーが成長するし、本当にサポーターと一緒になってチームの勝利を喜びあえるようになる」と話した。

さらに番組では、スポーツ観戦の未来の姿を調べるために、ブレインスカウター・サトミキこと佐藤美希が、NTT横須賀研究開発センターへ。ここで紹介されたのが、試合の映像から背景をほぼリアルタイムで消すことができる“Kirari”という最新技術。これによって切り出された選手たちを、目の前の透明なスクリーンに投影することで、あたかもそこにいるかのような映像を作り出すことに成功。現在は正面からしか見ることができないが、ゆくゆくは、どの角度からでも見られるように開発を進めているという。いずれはVRレンズなどをなしに立体的に選手を見られるパブリックビューイングなどが可能になるかもしれないということで、スタジオメンバーも未来のスポーツ観戦の姿を想像し、「スゴイね」と感心しきりだった。

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