サッカー×ファッション、日本でも始まった新たなトレンド

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サッカー×ファッション、日本でも始まった新たなトレンド

近年、世界中で大きな注目を集めているサッカー界とファッション界のコラボレーション。8月17日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)では、大人気のブランドBALR.(ボーラー)の日本での総輸入元を務めるセレクトショップ「バランススタイル」の高畠侑加代表取締役をゲストに招き、サッカーとファッションの繋がりについて考えていく。

Dolce&Gabbanaとリオネル・メッシ、Dsquared2とマンチェスター・シティなど、サッカー界とファッション界が様々な形でコラボレーションを展開している昨今。高畠が取り扱うBALR.は、元オランダ代表のグレゴリー・ファン・デル・ヴィールとデミー・デ・ゼーウ、エルイエロ・エリアが「サッカーとファッションの融合」をコンセプトに立ち上げたラグジュアリー・ファッションブランド。鍛え抜かれた美しいボディラインが映えるデザインを取り入れ、国内外のサッカー選手はもちろん、世界中のおしゃれセレブにも愛用されている。

このトレンドについて高畠は「欧米では、ラグジュアリーブランドがサッカー選手のスーツを手掛けるのは文化になっていて、サッカー文化が根付く土地柄だからこそ、ファッション文化とも自然につながっている」と分析。さらに「サッカー選手はプレーしている姿が一番カッコイイですが、日常生活もカッコイイということが広がっていけば、これまでサッカーに興味のなかった人達にも興味を持ってもらうきっかけになる」と話した。すると、昔だったら見た目からサッカーに入るのは絶対にありえなかったという秋田も「今になって考えるとカッコイイとかキレイという感情は大事。サッカーをやっている人だけがファンじゃないので、それ以外の人を取り込むためにもすごく大切」と考えが変わってきたことを明かした。

一方で、日本に目を向けても、サッカーとファンションブランドのコラボレーションが活発になってきている。女性を中心に人気のブランドnico and...は、昨年Jリーグ25周年を機に「スタジアムの外でも着られるデザインTシャツ」をコンセプトに33クラブとのコラボTシャツを制作し、完売させた。今年はさらに規模を拡大し39クラブとコラボ。同社執行役員R&D本部長の小林千晃は「nico and...をきっかけにクラブを知る人、地元を愛するという意味で買われている人、全く関係なくデザインだけで買われている人など、お互いの相互送客が良い感じにできている」と手応えを語った。

そのほか、セレクトショップのBEAMSはシント=トロイデンVVのアウェイユニフォームをデザインし、SHIPSは、2012年からFC東京の選手とスタッフの移動用ウェアをサポート。以前はスーツスタイルだったが、今年はカジュアルでありながら崩しすぎないジャージスタイルに変更。移動中もリラックスできることが、今シーズンの好調に繋がっているのかもしれない。

そして極めつけは北海道コンサドーレ札幌。世界的ファッションデザイナーの相澤陽介をクリエイティブ・ディレクターとして迎え、クラブのブランドイメージを再構築した。街中に貼るポスターは、おしゃれなカフェに貼られていても不自然ではないデザインになり、アパレルグッズも、クラブのエンブレムやマスコットに頼らず、日常生活に溶け込むデザインを採用。選手を起用したグッズ紹介動画からも、従来のクラブイメージを変える洗練されたイメージ作りを行っている。

ブランドイメージの構築という意味では、以前番組で特集したユヴェントスも伝統のチームロゴをシンプルなデザインに変更するなどして一新。米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースのようなファッションアイコン化を目指している。また、パリ・サンジェルマンはマイケル・ジョーダンブランドのコラボを行い、サッカー界を超えて評判を呼んだ。様々な文化を発信する街・パリにありながら、昔はサッカー界でパッとしなかったクラブが、大きく変わろうとしている。

秋田は「サッカークラブが利益を生み出すのは難しいと思われているが、ファッションを掛け合わせることでクラブの価値も上がるし集客も出来る。スポンサーについてもらうためにも、ファッションでブランド価値を上げることはすごく重要」と話し、番組MCの勝村政信も「FC東京だってTOKYOという文字が入っているのだから、上手く行けば、パリと同じように世界に行ける」と話した。

そして、高畠は「サッカー×ファッション」に加え、SNSのチカラも欠かせないと分析。「BALR.もこの3つを掛け合わせて世界的になった。皆が投稿したくなるような洋服やアイテム、それを見た人が良いなと思うものを発信することで、さらにサッカーも盛り上がる。私達はサッカーという側面から日本サッカーをボトムアップしたい」と熱い思いを伝えていた。

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