青木愛「自分をもっとアピールできる」女性アスリートのメイクの影響力

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青木愛「自分をもっとアピールできる」女性アスリートのメイクの影響力

元アーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)日本代表の青木愛が、8月10日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。芸術性も評価される競技において欠かせないメイクが、選手たちのメンタルにどのような影響を与えているのか? 美しくなれるだけではないメイクの持つ影響力に迫った。

アーティスティックスイミング日本代表として、2008年の北京オリンピックに出場した青木。同種目では、審査員に感情表現が伝わるようにハッキリとしたメイクにするのが鉄則で、龍神がテーマだった北京オリンピックでは、こめかみあたりからチークを入れ、力強く太めのアイラインを入れることで目ヂカラをアップして挑んだという。

昨今、芸術性が評価される競技以外でもメイクによるメンタルへの効果が注目され、様々なスポーツが取り入れている。チーム創設3年目の女子サッカーチーム栃木SCレディースは、昨年、栃木県サッカーリーグ1部で優勝。今シーズンも負けなし(8月10日現在)の戦いを繰り広げているが、その躍進の要因の一つがメイクだという。

アスリートである前に女性でもある選手たち。「試合後は(メイクが)最悪な状態に崩れ落ちている」、「(SNSにアップされるので)すっぴんで撮られるのはキツイ。いい顔で載りたい」と悩みを抱えている。そこで、自分たちのモチベーションやチームイメージ向上のために、同チームではプロによるメイクのトレーニングを導入。

彼女たちのメイクを指導するのは、アスリートビューティーアドバイザーの花田真寿美。これまで女子の競輪選手やパラリンピック選手など、100人以上のアスリートにメイク術を伝授してきた。スポーツメイクはスポンジに水分を含ませてからリキッドファンデーションを塗ることで崩れにくくし、汗で眉毛が消えないように、眉毛を書いた上から眉専用マニキュアを塗るなどして保護。「メイクをすると前向きな気持ちになれるので、積極的なプレーやインタビューの受け答えにもつながる。自分を引き出す手段になれば」と思いを伝えた。

続いて、ブレインスカウター・サトミキこと佐藤美希は、メイクがもたらす変化を科学的に検証するために中京大学スポーツ科学部へ。第一線で活躍するアスリートのパフォーマンスを研究している荒牧勇教授は「イチローさんや五郎丸歩選手はルーティンによって自分のベストの状態に持っていく。メイクにも自分のベストパフォーマンスを発揮できる効果があると良いですね」と期待を寄せながら実験を開始。

この日の実験では、サトミキのメイク前とメイク後の「瞳孔の開き、心拍数、血圧、シュートスピード」を計測することで覚醒レベルを調査。メイク前は4.2mmだった瞳孔がメイク後は4.7mmになるなど確かな変化が見られ、シュートスピードもメイク前は最高50km/h(3本打った平均48 km/h)だったのが、メイク後は最高59 km/h(同平均53 km/h)にアップ。この結果に対して荒牧教授は「メイクをすることで心理状態が変わることがわかった。ベストパフォーマンスを出せるメイクを開発できたら」と話した。

そしてスタジオで青木は、アーティスティックスイミングの場合、審査員に好印象を与えるため「チームの8人が同じ顔に見えた方が良い」と解説。日本代表選手たちは、それぞれの顔に合わせたアイラインやシャドウの描き方をメイクの先生に指導され、自身でメイクを施していくのだとか。青木は、現役を引退した今でも、目や眉毛などのポイントなる部分のメイクは自分でするようにしており、「お仕事も試合と同じ様に自分でメイクをすることで気合が入ります」とコメント。さらに「メイクをして舞台に立つことで、自分をもっと見てとアピールできる。女性アスリートにとって良いこと。メイクをして表に出ることでファンも増えて、その競技を見る人も増えると思う」と、メイクが持つ内外への影響力を語っていた。

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