宝田明と加藤登紀子、満州からの帰還経験を明かす「自分にとっては忘れられないひとコマ」

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武田鉄矢、加藤登紀子、宝田明、須黒清華(テレビ東京アナウンサー)
武田鉄矢、加藤登紀子、宝田明、須黒清華(テレビ東京アナウンサー)

俳優の宝田明と歌手の加藤登紀子が、8月9日(金)に放送される『武田鉄矢の昭和は輝いていた 満州からの帰還者たちの想い~戦後復興の立役者~2時間スペシャル』(BSテレ東、19:00~)にゲスト出演する。実際の帰還者である宝田と加藤の貴重な体験談も交えながら、戦後、日本への帰還後に様々な分野で日本文化の発展に貢献して来た人々にスポットを当てる。

終戦までのおよそ10年間を満州で過ごしたという宝田。敗戦をきっかけに、裕福な生活から一転、悲惨な強制労働、さらに、生死をさまよう壮絶な出来事を経験したという。そして、帰還直後の忘れられない思い出、帰る途中に立ち寄った大阪でもらった柿の味、生き別れた兄との奇跡の再会秘話も明かす。

また、加藤が満州から持ち帰ったたった一つのものとは? 彼女が思う故郷・満州に歌声を届けるべく、中国・長春でコンサートを開催。そして、元南満州鉄道社員の東海林太郎が歌に込めた思いと、壮絶な帰還体験から誕生した作詩家・なかにし礼の名曲「恋のハレルヤ」「人形の家」誕生秘話も。様々な帰還者たちを紹介しながら、決して忘れてはいけない、戦後復興の立役者たちの思いを伝える。

放送を前に、宝田と加藤からコメントが到着。以下に紹介する。

<宝田明コメント>
昔を振り返っての思い出はものすごくあります。どの場面をとっても自分にとっては忘れられないひとコマひとコマなんですが、例えば小学校3年生の時の小学校唱歌で、満州では流行ってたんですが、いまだに忘れることはできません。戦争後の外地における人たちみんなの苦しみ、引き揚げてくるまでの苦しみ……それぞれが大変な思いをして帰ってらっしゃる。その中でも心の中にはやっぱり歌を持って、くじけそうになりながら、自分を奮い立たせながら、野を超え山超え歯を食いしばって生きてきた少年時代というのは、忘れることはできません。戦前の明治時代にできた日本の古い歌、いよいよ大正・昭和となって日本が戦争の道へ進むときの日本の流行歌……特に軍歌というものに影響を受けてる僕たちですから、今でも口について出るのは、あの当時の歌なんです。軍歌というのは戦意高揚のために作られた歌ですけども、服部良一さんや山田耕筰さんなど、今でも口をついて出てくるいいメロディーといい言葉があるんだよね。僕らはそこを捨てがたいなと思います。

<加藤登紀子コメント>
宝田明さんの経験はものすごくひとつずつがびっくりするような(笑)。またそれが一つの映画のシーンを見るように鮮やかに表現されていました。私自身は、私の母の思い出話がほとんどで、リアルな記憶がないので、今日は大変刺激的でいろんなことがわかってよかったなと思います。いま世界のニュースはお茶の間で見られるので、世界中で起こっていることを目にすることができる時代ですが、それは全部絵空事ではなくて、遠い歴史の中で見ているようなことでも、実際にそこで生まれ育ち、ご飯を食べたり泣いたり、生き抜こうとして頑張る人がそこにいて……。この番組を見て頂いて、そんな想像を巡らせるヒントにしていただけたらと思います。

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