芦名星「どんでん返しをお楽しみに!」『W県警の悲劇』主演で“新・サスペンス女王”の呼び声も

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芦名星さんが主演を務める土曜ドラマ9『W県警の悲劇』(BSテレ東/BSテレ東4K、毎週土曜 21:00~)が、7月27日からスタートします。

葉真中顕(はまなか・あき)による同名小説(徳間書店)をドラマ化した本作は、女性警視と女性警察官の戦いを描いた異色の刑事ドラマ。ゴールデン帯連続ドラマ初主演となる芦名さんは、W県内随一の高級中華料理店「玉好園」の特別個室で開かれる「県警本部の幹部たちの集い」、通称“円卓会議”で極秘任務を担う監察官・松永菜穂子を演じます。

これまでにも『ST 警視庁科学特捜班』(日本テレビ系)、『相棒』(テレビ朝日系)などに出演して話題を呼び、新・サスペンス女王の呼び声も高い芦名さんですが、本ドラマに対してどんな気持ちを抱いているのでしょうか。放送を前に芦名さんに本ドラマにかける意気込みや役作りなどについてお話を伺いました。

——台本を手にして、まず率直にどんな印象を持ちましたか。

とにかく読みごたえがある台本です。女性の人間模様やいろんな心理を密室の中で描いていく部分が多くて、原作とも読み合わせながら、今、細部に渡って役作りをしているところです。監督・プロデューサーと結構お話して詰めているので、良い作品になるように、今年の夏はいい汗かこうかなと思っています(笑)。

——芦名さんが演じる主人公の菜穂子はどういう女性なのでしょうか。

警察内部の女性だからわかることだったり、女性ならではの悩みなどの“膿”をきちんと出して、芯を持って活躍できる場を作ろうとするまっすぐな女性だと思います。物事を自分の視点からだけでなく、俯瞰からも見ているような。頭もよくて、努力を重ねてきた女性なんじゃないかなと。それをどれだけ自分の体を使って表現できるかがすごく大切な部分だと思っているので、そこを肝に銘じて演じていきたいですね。

——演じるにあたって監督からお願いされたこと、逆に芦名さんが監督に相談したことはありますか。

今回は、凛として芯が通っていて、すごく強い意志をもっている女性で、それをそのまま台本から感じ取れるように演じてほしいと言われました。でも、一方で女性らしさを保つために、赤を基調にするといった描写もあって、それが原作にも出てくるこだわりの部分になっているんです。なので、菜穂子のそんな女性らしさの部分をどれぐらい描いたらいいのかっていうところを監督にも相談させて頂きました。具体的には現場での演出になりますが、菜穂子って「すごく素敵な女性だな」と、どこか心奪われてしまうような瞬間をいろんな場面で見せる女性でもあるので、ふとした人間らしい表情なんかも大事に演じていきましょうと監督と話をしました。

——芦名さんと菜穂子の共通点はありますか。

決めたことはやる、という部分は自分と似ていると思いました。そういう思いは捨てたくないし、そういう気持ちを持っていないとダメかなと私自身も思っています。あと、赤を基調にして自分が女性であることを忘れないようにしてるところも、本心かどうかはわからないとしても、そういう意識ってとっても大事だと私も思っているんです。自分が女性であることを忘れないでいたいんだっていうところは私も同感です。

——他の警察ドラマとの違いや、このドラマならではの面白い部分はどんなところでしょう。

普段はあまり見えないような、警察内部のことを描いたドラマです。台本を読みながら「ああそうなんだ」っていう部分が結構あります。警察内部のことがとにかくリアルに描かれているんです。あと、私は「どんでん返し」っていう言葉がすごく好きなんですけど、まさにどんでん返しなシーンが毎回出て来るのもこのドラマの魅力だと思います。見る人にはその、ただもうひたすらどんでん返しっていう部分を楽しみに見てもらえたらって思っています。私自身も「えーー!?」ってなって、もう一回台本を見返す……みたいなことがありました。「どうなるの? どうなるの?」で最後は「うぅっっ」ってなるんです(笑)。その「うぅっっ」っていうのを楽しみに私も取り組んでますし、みなさんにも楽しんでもらいたいです。

——毎話、女性警察官役で個性的なゲスト女優が登場し、菜穂子と対決するのも見所のひとつだと思います。

台本に描かれていることもすごく面白いんですけど、それをゲスト俳優さんに演じてもらうことでまた色がついて、肉付けされて、もっと膨らんでいくんじゃないかと思っていて、それが今からすごく楽しみです。演技をする中で、ゲストの方との心理戦を私が誘導していかなきゃいけないんですけど、私自身はあまりそれが得意じゃないので(笑)、役を通じてチャレンジできるっていうのは、面白いなと思っています。私はいざという時“ごにょごにょ”しちゃうんです(笑)。でも役になるとスッとなれる瞬間をこれまで何度か感じたことがあるので、今回は頭の回転がとにかく早い菜穂子を通じて、普段の私も“ごにょごにょ”しなくなればいいな、なんてちょっと思っています(笑)。

——今回、芦名さんがゴールデン帯の連続ドラマに初主演というのも話題です。話をもらった時はどんな気持ちだったのでしょう。

ジンギスカン屋さんの前でマネージャーさんから連絡を受けたんですけど、「え!? やったーーー!」って飛び跳ねて喜びました(笑)。ただただ嬉しかったです! 感慨深いものがありましたけど、そういう気持ちをぐっと心の奥底に抑えながら、台本と向き合って、役と向き合って、私がやれることをいつものようにやればいいのかなって。あまり緊張しないように、できることを精一杯やろうって思いました。でも、聞いたときは、そんな細かいことも考えられず、「今日はおいしいジンギスカンが食べられる!!」と思っていましたけど(笑)。

——最近、芦名さんに対して「新・サスペンスの女王」という称号が期待も込めて使われていますが?

そういうふうに思っていただけるというのは感謝の気持ちです。私が今までやってきたことに対して、何かを受けられている気持ちにはなるので、そう言ってもらえることはすごく嬉しいなと思います。ちょっと(言われていることを)存じ上げていなくて、そんなふうに言われているの? と思ってびっくりでしたけど(笑)、ありがたいです。

——サスペンス作品との相性の良さもあるのでしょうか。

(サスペンスが演じやすいとは)思ったことはないですが、ただ求められているところを理解するスピードは速いかもしれないです。「あ、こういうイメージなんですね」とかは受け取りやすいかもしれないです。キャピキャピしてる役より、どちらかというとスーツを着て「スッと立って下さい」と言われるほうが、イメージとして沸きやすいというのはあると思います。


——女性が多い現場になると思うのですが、そういう現場だからこその楽しみはありますか?

10年ぶりぐらいにお会いする方もいて、また一緒にできるという気持ちでわくわくします。あとやっぱり食べ物ですかね。私は食べる事が大好きなので(笑)、お店の情報交換や、機会があれば共演者の方たちと一緒に食事へ行きたいですね。お酒が好きな先輩も出てくださったりするので(笑)、ちょっといいお店がないか聞こうと思っています。

——最後に、座長として一言お願いします!

今回は本当に(セリフが)会話・会話・会話という感じで、ゲストの方や共演者の方々の気持ちも考えながらやっていきたいと思っています。私自身も過去に、「こんな先輩のこの現場楽しかったな」と思う現場がいくつもあって、こんな大変なスケジュールをこなしているのに、いつも明るい先輩でいてくれて、相手を気遣う先輩たちの背中に助けられてきました。いつか自分もそうやって共演者の方々に接していきたいという思いを抱いていたので、(座長として)そんなふうに現場を作れたらいいなと思っています。

(取材・文:名鹿祥史)

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