小林よしひさ、体操のお兄さんになれたのは「ひとつの失敗がきっかけ」

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小林よしひさ、体操のお兄さんになれたのは「ひとつの失敗がきっかけ」

NHK・Eテレ『おかあさんといっしょ』で、体操のお兄さんを歴代最長となる14年間にわたり務めた小林よしひさが、7月13日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。教育者としての思いや、体操のお兄さんになったきっかけを明かした。

まず番組では、サッカー日本代表の武藤嘉紀や男子マラソンの川内優輝、プロ級のダンスの腕前を持つ女優の土屋太鳳らが巣立っていった話題の保育施設「バディスポーツ幼児園」を取材。スポーツを通して行われる特徴的な教育方針が話題となり、現在、入園希望者が殺到している。

ここでは一体どのようなスポーツ教育が行われているのか? その秘密を探るためブレインスカウターのサトミキこと佐藤美希が体験入園。朝9時、園児たちはバスに乗って登園するなり、いきなりランニングを開始。先生も「そこで抜けるよ!」と熱血指導を繰り広げ、中には泣き出す子供も……。思いもよらない展開にサトミキは「ちょっと衝撃的だな……」と驚きを隠せない。

しかし、甘えなしで常に全力を出させる姿勢こそがこの幼児園の特徴。毎朝のランニングとダッシュによって脳が活性化され、思考力&集中力がアップ。これによって園舎についてからの学習意欲が増すという。続いて10時30分からの体育の授業では、普通は小学3~4年生で習う逆上がりを5~6歳の子供たちがいとも簡単に成功させていく。もしできない子供がいても全員で応援することで成功できるように盛り上げていく。こうすることで諦めない心を育めるという。

しかも同園では、全員が逆上がり、跳び箱6段、三点倒立ができるようになるのが卒園の条件となっている。園児たちにとって難易度が高いようにも思えるが、鈴木威理事長は「スポーツの成功体験は何事にも代えられない。努力からの成功体験はその後の人生につながる」と思いを伝えた。また、成長するのは体力面だけではないと母親たちも実感しているようで、「やり抜くまで頑張ろうという前向きな姿勢が大きくなった」「できないことも積極的にトライしようという心が生まれた」と口々に語っていた。

VTRを見た小林は、「すごいですね。子供たちみんな楽しそうにやっているのが何より。目標を作ってそれを達成することや日々全力を出すことは大人にとっても重要なことなので、それを子供の頃からしっかり培っているのが結果につながっているのかなと思う」とコメント。一方で番組MCの勝村政信は、こういう教育を否定するつもりは全く無いとしつつ、「もし3歳の娘が1人でお風呂入っていたらと思うと寂しいな。親としてはもっと手を焼かせてほしい……」と素直な親心を覗かせていた。

そんな中、小林が教育において気にかけていることを聞かれると「子供が何に興味を持っているのかを集中して見ている」と返答。最近、子供がおもちゃを自分でチョイスするようになってきたそうで、子供の発信を大人が受け止めることで自発性を促せると話した。また、「ハイハイや四つん這いの動きは歩く前の補助筋がつくので、早く立つよりも、ハイハイをしっかりしたほうが将来的に良いと思う」と持論を展開。実際、ハイハイは肩甲骨周りの筋力や骨格、体感を鍛える効果があり、全身の運動機能向上にもつながる。室伏広治や本田圭佑、錦織圭と言った日本を代表するアスリートたちがトレーニングに取り入れているという。

また、成功体験とは別に、失敗をどう活かすかも重要だと語った小林。自身が体育大学に進学を決めたのは、剣道である程度の成績は残せたが、それより先にはいけなかったからで、「この状況を打破するために体育大学に入って勉強したらより強くなれるのでは?」と考えたのだとか。そして、身体の動きの根本について考えていくうちに「体操」に行き着き、大学で体操部に入部したことで今の「体操のお兄さん」という職業が見えてきたという。思いもよらない形ではあったが、失敗から大きなものを得られたと話した。

また長年、体操のお兄さんを務める中で見つけた子供のやる気スイッチを押す方法を聞かれると、「一緒に楽しんでいる皆を見て入りたくなる環境を作ってあげること」と語り、「ここがより楽しいと思えるようになれば、離れている子も自分から一歩を踏み出せるようになると信じている。そこに手を繋いで引き入れてしまうと自主性がなく“大人にやらされている”となりかねない。やはり自分の足で踏み出すことがすごく重要。その環境をこっちは受け口として作ることが大切」と話していた。

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