「ゲームのやりすぎはダメ」は過去の話? eスポーツがもたらす新たな価値

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「ゲームのやりすぎはダメ」は過去の話? eスポーツがもたらす新たな価値

世界中で大きな盛り上がりを見せ、日本国内でも注目を集めているeスポーツを、6月15日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)が特集。じゅんいちダビッドソンをゲストに招き、その魅力と可能性に迫った。

eスポーツとは“エレクトロニック・スポーツ”の略称で、対戦型のビデオゲームを新ジャンルのスポーツとして捉えたもの。これまでは海外を中心に盛り上がりを見せていたが、近年は日本国内でも賞金1億円の大会が開催されるなど、その規模は年々拡大。その国内市場規模は2018年度で48.3億円。3年後には100億円近くになると推測されている。

じゅんいちダビッドソンは、芸能人でeスポーツの対戦をする番組に出演。そのときにプロゲーマーから1週間ほど特訓を受け、ドリブルなどの個人技からチームワークが求められるフォーメーション練習まで、本物のサッカーさながらのトレーニングに励んだという。「汗だくになった。最初はゲームだろうと思っていたけれど、やってみたらスポーツだなという感覚」と話した。

実際、eスポーツは去年のアジア大会にも採用され、ウイニングイレブン2018部門で日本代表が優勝。2022年には正式競技になることが決定するなど急速に競技化が進んでいる。また、Jリーグもeスポーツに参入しeJ.Leagueがスタート。Jリーグの各クラブを代表するプレイヤーたちが、人気サッカーゲーム「FIFA」シリーズで賞金100万円を懸けた戦いを繰り広げている。

今回番組では、湘南ベルマーレとプロ契約を結ぶスレッジ選手を取材。湘南の攻撃的なプレースタイルを習得するために、Jリーグで唯一試合前のミーティングにも参加している。また、クラブハウスではサッカー選手と同じ器具を使ってトレーニングを実施。タフに戦える体を作ると同時に健康的な姿を見せることで、暗く思われがちなゲーマーのイメージを変えることも意識しているという。

しかしどうして、湘南ベルマーレはeスポーツに力を入れているのか? ベルマーレのチーム広報・猪狩佑貴さんは「リアルなサッカーが難しくてもゲームならできるという子どもはたくさんいる。スレッジ選手には、プレーだけでなく、地域のイベントなどで湘南地区の人達にeスポーツの世界を感じてもらい、そこから新たな夢を持ってくれる子が現れたら参入した意味が出てくる」と狙いを明かした。

また、ゲームがプレーに与える影響の話題になると、番組アナリストの北澤豪は「ゲームを使って子供たちに俯瞰で見ることを意識させてから練習すると効果が現れている」とコメント。中村憲剛選手も、ピッチを俯瞰で見る能力などをサッカーゲームで養ったと語っている。

さらなる可能性を探りにブレインスカウター・サトミキこと佐藤美希が、ある高校のコンピュータ部・eスポーツ班を取材。部員はその面白さについて「自分の成長を感じられる。仲間との連携や、勝った時の喜びを共感できる」と語り、顧問の先生も「今までコンピューター部と言ったら個人個人がPCに向かっているイメージだったが、それが生徒同士で教えあっているので良かった」と話した。

番組MCの勝村政信は、「今までゲームは遊ぶためだけのものだったから長時間やるのはダメだと言われたけど、今は強くなればなるほど、アスリートになればなるほどお金になる土壌ができてきた。10年後には、お母さんが“ちゃんとゲームやりなさい!”と言っている時代が来るかもしれない」とコメント。じゅんいちダビッドソンも「トッププレイヤーが出てきたら、サッカー選手モデルのスパイクと同じように、その人モデルのマウスが発売されて、それを子供たちが欲しがる時代が来るかもしれない」と語り、勝村も「結局お金ですよね。経済が潤っているとそこに向かってくる。モチベーションが上がり、親も勧められるようになる。また新しい未来が見えてくる」と語った。

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