サッカー観戦に革命?シェアビジネスが広げるスタジアムの周辺環境

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サッカー観戦に革命?シェアビジネスが広げるスタジアムの周辺環境

街中にある余ったスペースを有効利用するサービスを展開し注目を集めている軒先株式会社の西浦明子社長が、6月8日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)にゲスト出演。サッカー観戦の楽しみ方に大きく関わるスタジアム周辺の活用術を話した。

ルームシェアやカーシェア、洋服や自転車など様々なシェアビジネスが拡大している昨今。軒先株式会社では、ちょっとしたスキマのスペースを見つけては、そこを貸したい人と借りたい人を繋ぎ、屋台の出店や駐車場としての利用などのマッチングを行うサービスを提供している。

そんな西浦社長の名刺には「スキマハンター」という変わった肩書が書かれている。「街を歩いていると“ここは使える”とどうしても考えてしまう」と言う彼女は、これまでに3000か所以上のスキマを見つけてきた。番組では、味の素スタジアムから最寄りの飛田給駅への約300mで行われたハンティングの様子を取材。すると、ガラ空きの駐車場を見て「半分でキッチンカーを出して、残り半分で予約制の駐車場として貸し出せる」とイメージを膨らませ、「試合日なら駐車場1台3000円×5、キッチンカー1台5000円×2で合計25000円ほど計算できる」と試算。さらに道を歩いていくと、ビルの出入り口にある畳1枚ほどのスペースに注目。このようなわずかなスペースでも「からあげが売れる」と笑顔を見せた。このようなスペースを探すために会員登録している会社は数千にのぼり、「新しい売り場を公開すると割とすぐに手が挙がる」と話した。

そして、サービスの一つに「軒先パーキング」がある。これは、一般の家や月極駐車場の空いている駐車場を、その日限りでシェアするサービス。Jリーグのスタジアムでは、試合開催日に会場の駐車場が使えないことも多く、駐車場の確保に困ることが少なくない。この日、長野から味の素スタジアムへ車で駆けつけたアウェーサポーターも「これまでは駐車場を探すのに苦労していたが、事前にWebサイトで予約できて助かる」と絶賛。さらに利用時間内(0:00~23:59)であれば出入り自由ということでも喜んでいた。一方、スペースを貸す側にそれほど手間はかからず、貸主も「空きスペースが利用されて良かった。利用者が増えてお小遣い稼ぎができれば」と納得しており双方にとってメリットがある。

さらに、軒先パーキングはJリーグの各クラブとも連携。サンフレッチェ広島やアビスパ福岡は既に持っている駐車場を軒先パーキングのシステムを使った有料予約制に変更。クラブの収益アップにも貢献している。西浦社長は「地方に行くほど車でしかいけないスタジアムは多い。駐車場問題は深刻で、路上駐車など地域の課題解決にも繋がる」と語った。

サポーターが利用できるシェアは駐車場だけではない。それがライドシェア。いわゆる“相乗り”だ。今回、ブレインスカウター・サトミキこと佐藤美希が、相乗りアプリ「nori-na(ノリーナ)」を使ってライドシェアを体験。目的地となるカシマスタジアムまで約15kmの地点から、車の持ち主である鹿島サポーター歴3年の親子、さらにはアプリを通じて同乗する男性と相乗り体験。最初のうちは「知らない人と同じ車に乗って不思議な感じ」と口にしていたが、スタジアム初観戦だという男性が「初心者の楽しみ方」を聞くとすぐに打ち解け、スタジアムグルメの話題などでも盛り上がった。目的地に到着するとサトミキは「凄く面白かった。スタジアムへ行く度に利用したくなる」と言ってライドシェアを楽しんだ。

そのほか西浦社長に「サッカー界が取り組むべきシェア」を聞くと、「体験のシェア」と「スキルのシェア」を提案。前者については「アウェー観戦後に地元の方が提供してくれるプログラムに参加するなどのスポーツツーリズムは、サッカーだけでなく地域の盛り上がりにも繋がる」と語り、後者については「サッカーを好きな方が初めて行く人にスタジアムの楽しみ方や観戦のポイントを教えてくれるツアーを組めば面白い」と提案していた。

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