年間100本誕生!?サッカー映画「ベストイレブン」を発表

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年間100本誕生!?サッカー映画「ベストイレブン」を発表

映画評論家の柳下毅一郎と映画監督の中村和彦が、4月13日にテレビ東京系で放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:20~)にゲスト出演。サッカー映画ベストイレブンと公開中のドキュメンタリー映画『蹴る』を特集した。

まずは映画評論家であり、コアなサッカーファンでもある柳下が選んだサッカー映画11作品を発表。

『勝利への脱出』(1981年・アメリカ)
『サンダーランドこそわが人生』(2018年・イギリス)
『フーリガン』(2005年・アメリカ/イギリス)
『ぼくのプレミア・ライフ』(1997年・イギリス)
『シーズンチケット』(2000年・イギリス)
『少林サッカー』(2001年・香港)
『マラドーナ』(2008年・スペイン/フランス)
『MESSI/メッシ 頂点への挑戦』(2014年・スペイン/アルゼンチン)
『エリックを探して』(2009年・イギリス)
『ガリンシャ 民衆の喜び』(1963年・ブラジル)
『蹴る』(2019年・日本)

『勝利への脱出』は、ペレなど往年のスター選手とシルベスター・スタローンが共演。第二次世界大戦中に行われた実際の試合を元に描かれた作品だ。『サンダーランドこそわが人生』『フーリガン』『ぼくのプレミア・ライフ』『エリックを探して』は、サポーターの姿を描いた物語。『少林サッカー』は、香港ムービーならではのワイヤーアクションが当時話題になった。

そして、稀代のドリブラーを描いた『ガリンシャ』、アルゼンチンの新旧の英雄が題材となっている『マラドーナ』や『MESSI』といった作品は、実在のスーパースターの姿が描かれている。近年は、サッカーのグローバル化やAmazon Prime VideoやNetflixなどワールドワイドで提供される動画サービスが広がりを見せ、このように世界中の誰もが知る選手やクラブに密着したドキュメンタリーが増加しているという。

Amazon Prime Videoのオリジナル作品『オール・オア・ナッシング~マンチェスター・シティの進化~』はクラブ全面協力のもと、ロッカールームの選手と監督の生々しいやり取り、クラブスタッフの活動が1話約50分、全8エピソードで配信。ベストイレブンに挙げられた『サンダーランドこそ我が人生』もNetflixのオリジナル作品で、イングランドの名門でありながら現在は3部に甘んじている地方クラブのサポーターを追いかけたドキュメンタリー。日本でも、ロッカールームでの激しいやり取りが収められた湘南ベルマーレのドキュメンタリーが記録的な人気を見せている。

そして、現在公開中なのが電動車椅子サッカーをテーマにしたドキュメンタリー映画『蹴る』。重度の障害を抱えながらも電動車椅子サッカーワールドカップ出場を目指す選手たちを、中村監督が6年間にわたり取材した。

電動車椅子サッカーは、男女混合の4人チームで編成され、手足を自由に動かせない選手たちが、指や顎を使って競技用の電動車椅子を操作し、時には激しくぶつかり合うことも。自身で受け身を取れない選手たちにとって、文字通り“命懸け”の競技だ。日本の競技人口は500人ほどで、2007年からワールドカップが3度に渡り開催されており、日本は3大会連続出場を果たし、2017年のアメリカ大会では5位に輝いている。

映画には、生まれながらにして脊髄性筋萎縮症という難病を抱えた永岡真理選手や、全身の筋力が衰える筋ジストロフィーを抱えた東武範選手らが出演。日本代表への思いやサッカーに取り組む姿勢、彼らを支える医師や家族、愛する人々の思いなど、リアルな姿が紡がれている。

さらに番組アナリストで日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪も映画に出演。メンバー入り確実と思われたワールドカップの代表選考でまさかの落選となった永岡選手と向き合い、「岡田監督も、途中でオレが必要だって呼んでおきながら直前になって外したからね……」と、フランスワールドカップの最終メンバーに入れなかった思いを吐露。永岡に「日の丸を背負うにあたり、絶対に必要なことってなんですか?」と質問されると、「大事なのは日本代表の長い歴史があって、これからも続いていくわけじゃない?」と言って、一つの“答え”を伝える。

スタジオの番組MCの勝村政信は、障がいで車椅子生活が余儀なくされている親友がいることを打ち明け、「(重度の障がいを持つ人が)大きな声を出せないこともあまり知られていない。本当に大変なのよ。それでもこんなことが出来るという驚きがすごかった」「彼らは見事なアスリートですよね。本当にたくさんの人に観てもらいたい作品」と語っていた。

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