従業員数12万人の世界的IT企業の中でトップのプレゼンテーション能力を誇る“プレゼンの魔術師”こと澤円が、テレビ東京系で3月30日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』にゲスト出演。相手の心を掴む話し方の極意を明かし、さらに「Jリーグに興味がない人を行きたくさせたくなるプレゼン」を実演した。

プレゼンと言えばビジネスの商談などをイメージしがちだが、記者会見やヒーローインタビューの受け答えなど、アスリートにとっても重要な能力。Jリーグ新人研修にも講座が設けられ、その新人を獲得する上でのスカウト活動もプレゼン能力が必要不可欠だ。

そんなプレゼンで重要なのが「体験と未来」の提示。新人獲得であれば、そのクラブで何ができるかを伝え、さらに明るい未来の可能性を伝えることで人は行動しやすくなるのだとか。例えば、服を売る時は「今年の流行にあっている」と伝えた上で、「パーティで注目されますよ」と素敵な未来を提案すると購入につながりやすくなるという。

また、プレゼン時の言葉の引き出しを増やす方法を聞かれると、澤は「なるべく沢山の人に質問をすること」をあげ、同じ質問でも答えの数だけ自分のライブラリーになっていく」と提案。さらに「交渉が不利なときの逆転方法」を聞かれると、「決定権がある人を見極めること」が重要だと言い、「例えば新人獲得であれば、選手だけでなく、最終的に両親のOKが必要かもしれない。そんな時は、その選手に“家に帰ったらご両親にはこう伝えてね”と言葉をプレゼントしてあげる。そうすると大きな逆転が待っている可能性がある」と話した。

そのほか、選手のインタビューの話題になると、鹿島アントラーズに加入した関川郁万選手がVTRで登場し、「こんばんは。鹿島アントラーズの関川郁万です。流通経済大柏から入団しました。自分のプレーの特徴はヘディングなので。高校サッカーでも実力を見せたっていうか、得点や攻撃をストップさせるような選手なので、ぜひ、応援よろしくお願いします」と自己アピールを展開。澤は「若くてフレッシュな印象ですが、得意なヘディングの具体的な話がちょっと欲しかった」と指摘。「例えば“ゴール前の競り合いに強いのでそこを見てほしいです”と伝えれば、ファンの皆さんはそのプレーに期待して見るし、それが上手くいけばすごく喜んでくれる。そうすれば、またそのプレーを見たいと思ってスタジアムに足を運んでくれるかもしれない」と話した。また、最後の「宜しくお願いします」という締めの言葉も、最後の「します」の音を自分の中のドレミファソのソのあたりにすることで好印象になるとアドバイス。一方で、「背伸びした発言はオススメしない」と言い、「本心から出ていない言葉は熱意が下がってしまうので伝わらない。本当に思っていることを言葉にした方が断然伝わる」と持論を展開した。

続いて、「プレゼンが上手いと思うアスリート」を尋ねられ澤が選んだのは、先日現役引退を表明したイチロー。澤は、引退会見を分析し、「最初の一言」「間の取り方」、「場の一体感」の3点が素晴らしいと絶賛。会見が始まるなりイチローは「こんなにいるの! びっくりするわ! この遅い時間にお集まりいただきありがとうございます」と言って場を和ませた。澤は「自分の素直な思いを伝えると共に、アイスブレイク(場の緊張を解し、自分も相手も話しやすい場を作るテクニック)が出来ていてさすがだと思う」とコメント。2つ目の「間の取り方」については、「つっかえているのと少し違う。しっかりと言葉を選び、次に何を言うのか期待させる間。表現の一つ一つがシンプルで言葉を噛みしめるような話し方なので、オーディエンスとして染みてくる感じがした」と話した。そして3つ目については、会見中に4度イチローが放った「僕、おかしなこと言っています? 大丈夫?」というフレーズに注目。「イチロー選手ほどの大物になってくると聞いている側が緊張してしまう。しかし、あのように問いかけられると質問をした記者以外の人も自分に話しかけられたような気持ちになって、“おかしなことなんて言っていませんよ”と心の中で答えている。そうやって会見場に一体感を作り出していた」と分析していた。

そして最後に、澤が「Jリーグに興味がない人を行きたくさせたくなるプレゼン」を実演。「例えば試合の結果はニュースでわかりますが、スポーツは結果を見て楽しむものではないと思います。僕はJリーグの試合に何度も行っていますが、とにかくスタジアムのある最寄り駅からワクワクする。もっと言うと、そこに着くまでの電車の中からワクワクが始まっています。そして、なんと言ってもスタジアムに行ったらすぐに“音”が違うとわかります。テレビでは絶対に聞こえない音をたくさん聞くことができます。“ホワーン”と共鳴しているような音やもちろん物凄い歓声もそうです。そして意外と聞こえるのがプレー中のボールを蹴る音。そういった音というのを現地で感じると一発でファンになります。これを体験するために、スタジアムまでの道を調べていただいて、チケットを買って、ぜひ、見てみてください!」と一気にアピール。この模様は番組SNSで公開されており、Jリーグサポーターに拡散を呼びかけている。

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