スタジアムの集客方法は?女子大生ソーシャルプランナーが考えるインスタ活用術

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スタジアムの集客方法は?女子大生ソーシャルプランナーが考えるインスタ活用術

現役女子大生ソーシャルプランナーの辻愛沙子が、テレビ東京系で10月20日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:20~)にゲスト出演。JリーグのSNS活用術を提言した。

今シーズンのJリーグクラブの平均観客動員数とSNS(Twitter、Instagram)のフォロワー数を比較すると、観客動員数の上位半分と下位半分で顕著な差があることが見えてくる。また、2017年のJ1のスタジアム来場者の平均年齢が若返り、SNSの重要性は依然として増し続けている。

そこでゲストに招いたのが、学生でありながらイベントの企画・PRをするベンチャー企業で手腕を奮っている辻。日経トレンディ2018上半期ヒット商品に選ばれたスイーツ「Ringo Ring」をプロデュースし、夏には、お台場のナイトプールの空間デザインを手掛け、いずれも大きな話題に。その2つで共通するのがSNSを使った情報拡散だった。

もちろん、Jリーグの各クラブもSNSを使った様々な施策を実施しているが、どうしたら観客動員につなげることが出来るのか? そのヒントとなるのが前述したスイーツの「Ringo Ring」。これをデザインするため「最近の女子が何を考え、どういうものが好きで、どのような文化の中で生活しているか」をSNS上で分析。“インスタ映えスイーツ”を発想の軸に、そのモノの見た目を可愛くするのはもちろん、店舗の空間全体でも写真を撮りたくなるデザインを追求したという。

ただし、「インスタにアップして」と直接的に訴求するのではなく、アフォーダンス(=視覚的・感覚的に、説明なしでも使い方がわかるようにすること)を意識し、あたかも能動的に特定のアクション(この場合は撮影&インスタにアップ)をしてもらうことが大事なのだとか。これは、翼が描かれた壁があると、その間に立って写真を撮りたくなるのと同様の心理を突くもので、商品ロゴや壁のデザインも工夫し、来店した女子たちがこぞってスマートフォンを取り出すように考え抜いたという。

これらをJリーグに落とし込むにはどうしたら良いのか? まず辻はクラブの持つカラーに着目し、Instagramの活用法を提案。スタジアム観戦にあたり、ユニフォームを着たり、クラブカラーでコーディネートしたりするのは強い意思表示になっており、「その色に合う壁があれば、女の子は今日のコーディネートを撮りたくなる。ウォールアートを各会場に設置してもいいのでは?」と話した。

そしてTwitterでは、「サポーターが持つ熱を可視化するために、どのクラブのハッシュタグが一番使われたか年間で競い合ったら面白い」と述べ、「自分自身のツイートでクラブに貢献できるので、サポーターの熱量をSNSで最大化することができる」と話した。そしてFacebookでは、実名且つクローズドな空間のコミュニティを作れることを生かして「初めての観戦で困っている人が同行者を見つけるといった使い方もできる」と語った。

さらに辻は、スポーツ観戦のハードルの高さに言及。以前、カープ女子がインタビューされた際に、野球を何人でやるか知らなかったために嘲笑されたことを例に上げ、「スポーツリテラシーが高くなくてはスタジアムに入ってはならないという空気を感じる」と述べ、「最初は知識がないかもしれないが、好きになるキッカケは何だって良い。ファッションやグルメといったスポーツと関係ないことでも良いと思う。そこで写真を撮って、食べて、楽しいと思ってもらえればいい。邪道に思われるかもしれないですが、スポーツだけじゃないところで空気を作るのは大事だと思う」と訴え、それがSNSを使えば実現できると示唆していた。

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