町田樹、9分30秒超えのラストダンスをノーカット放送!「集大成と言える作品に仕上がった」自ら解説も

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10月6日にさいたまスーパーアリーナにて開催された『カーニバルオンアイス2018』が、10月18日(木)17時29分からBSテレ東で放送されることが決定。同イベントでプロスケーターを引退した町田樹が披露した、9分30秒を超える大作「人間の条件」をノーカットで放送する。

同イベントには平昌オリンピック銀メダリストの宇野昌磨をはじめ、同オリンピック金メダリストのアリーナ・ザギトワネイサン・チェンら世界のトップスケーターが集結。1日限りの極上のアイスショーは永久保存版といっても過言ではないだろう。町田はBSテレ東でのみ放送される「ノーカット特別版」の解説も担当。果たして、自身の演技をどのように解説するのか? そんな町田からコメントが到着。以下に紹介する。

――アイスショーとしては今回で3度目の解説となりますが、いかがでしたか?

声のトーンやテンポ、話の技術みたいなのが、ようやく少しずつ向上してきたかな、という感じですかね。おそらく、大学の非常勤講師として教壇に立って、人前で話す機会が多くなりましたので、そうした経験が活きたのかもしれません。もちろん過去2回の解説において、板垣さん(実況の板垣龍佑テレビ東京アナウンサー)から学ばせていただいたことも数多くあります。今後も解説は続けていきたいと考えていますが、フィギュアスケーターだった者の視点と研究者の視点の両者を最大限活かした解説に挑戦していきたいと思っています。

――特に印象に残ったパフォーマンスは?

織田信成さん、ステファン・ランビエルさん、ハビエル・フェルナンデスさん、宇野昌磨さんの演技が、永久保存版と言えるほどの素晴らしいものだったと思います。

――町田さんのラストダンスとなった「人間の条件」を、映像でご覧になっていかがでしたか?

客観的な視点から作品を見て初めて「あぁ、ついに完成したんだな」と、しみじみ思いましたね。どうしても主観的なアングルですと、作品の全貌は掴めませんから、映像を通して客観的な視点から、作品が形になったのを見るとで、「間違いなく、このアダージェット(グスタフ・マーラー作曲、交響曲第5番第4楽章)は自分にとって集大成と言える作品に仕上がった」という感慨に浸ることができました。

――「人間の条件」は9分半を越える超大作ですが、町田さんを突き動かしたものは何ですか?

この作品をやり遂げたいっていう純粋な情熱だけですね。実は……この作品は、上演のその時まで振付の細部を何度も練っていました……そういう意味で、最後まで悩みながら制作した作品なんです。でも最後、自分の信じてきた総合芸術としてのフィギュアスケートが理想的な形で体現されたのを映像でみると、苦しんだ甲斐があったなぁと思いますね。スケーターとしてのキャリアを25年間歩ませてもらいましたけれども、この25年間は「人間の条件:アダージェット」を滑るためにあったのではないかと思わせてくれるような、作品に仕上がったと思います。スケーターとして最後の舞台にこの作品を演じることができ、これ以上、幸せなことはないですね。

――BSテレ東では明日18日に、町田さんご自身の解説で「人間の条件」を放送しますが、どんなところに注目して見てほしいですか?

とにかく、この作品は、音響、照明、衣裳、アートディレクション、映像制作、それから板垣さんの実況、そういった様々な要素が一つになって初めて、命が吹き込まれたと思うんです。こうしたプロフェッショナルの方々の仕事がひとつになった時の凄味というのを、ぜひ堪能していただきたいと思います。

――あらためて、フィギュアスケートファンに伝えたいことは?

引退セレモニーでも、「フィギュアスケートをブームではなく文化に」ということをお伝えしたんですけれども、フィギュアスケートを文化へと発展させていく上で、テレビ放送が果たす役割は非常に大きいと考えています。そういう思いや願いも込めて私は今回の解説に臨みました。そして、ご一緒させていただいた板垣さんも同じ気持ちと情熱を持っておられます。そういう意味で解説者として、フィギュアスケートを文化にすることに対して少しでも貢献できるようにとの思いを込めて、今日もお話しました。また、解説をしながら映像を一通り見返してみると、本当に素晴らしいスケーターの皆様や、多くのプロフェッショナルの方々とのご縁に自分は恵まれていたのだと感じました。ファンの皆さま、オーディエンスの皆さまを含め、全ての皆さまに心から感謝しています。また、セレモニーの場で共演者の方々全員から「引退おめでとう」とのお言葉を頂いたことは、温かく幸せな瞬間として私の心に刻み込まれています。

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