失読症を抱える太神楽師「人間国宝になりたい」その理由とは?

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10月1日に放送された『家、ついて行ってイイですか?(明け方)』(テレビ東京系、毎週月曜27:55~)に、太神楽師の男性が登場し、ある秘密を告白した。

同番組は、終電を逃した人にタクシー代を払う代わりに「家、ついて行ってイイですか?」と頼み、その人の家について行く“完全素人ガチバラエティ”。ビビる大木矢作兼おぎやはぎ)らが司会を務める。

上野駅周辺で声をかけたのは近所に住む鏡味仙成さん(21)。彼の仕事は太神楽師(皿回しなどの曲芸を行う仕事)とのこと。東京都内だけでも30人程度しかおらず、鏡味さんが最年少だという。中学卒業を機にこの仕事を始めて、現在芸歴6年目。普段は上野や新宿で舞台に立っているそう。

鏡味さんは「太神楽は寝てた人が起きて観てくれる芸」とコメント。落語は眠ってしまうお客さんもいるが、太神楽の芸に感激し、巻き起こった拍手でお客さんが目を覚ますものだと言い「それってすごいと思わないですか?」と訴えた。

現在の師匠に弟子入りしたきっかけは、中学2年生の頃、太神楽のHPの質問コーナーに、父親にメールを送ってもらったのがきっかけ。給料は1円50銭などの世界で、援助金や動員数などで変動するとのこと。

なぜそこまでして太神楽を続けるのか問われると「字が読めないんです」と返答する鏡味さん。じつは、ディスレクシア(失読症、文字の読み書きに著しい困難を抱える)という学習障がいを持っており、幼いころから読むだけではなく会話もままならなくなるなど苦しめられてきたそう。また、本を読むにしても、普通の人なら1日で読めるものが1年以上かかることもあるのだとか。

学生時代も、問題を理解できないためにテストを白紙で提出することも多く、通知表は1や2が多かった。周りからバカにされることもあり、辛い日々を送っていたため、曲芸を極めることで周囲を見返したいと考えるようになったことを明かした。

最後に鏡味さんは、この仕事を天職だと言い、60~80代になったとき、「人間国宝になりたい」と未来展望を語る。理由として「成績1とか2しかない人が、将来人間国宝になったらかっこいいじゃないですか」とコメント。「こういう選択肢もある」という道しるべになれたら、と笑顔で述べていた。

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