ユヴェントス、ドン底から世界10傑!改革がもたらした変化

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ユヴェントス、ドン底から世界10傑!改革がもたらした変化

テレビ東京系のサッカー番組『FOOT×BRAIN』が、9月22日にイタリアロケ後編の模様を放送。MCの勝村政信が、セリエAの名門ユヴェントスFCが“世界”を意識して断行した数々の改革に迫った。

以前、スタジオゲストとして出演したユヴェントスのグローバルパートナーシップ責任者ジョルジオ・リッチ氏の元を訪れた勝村。リッチ氏は「改革は順調」と語り、実際にクラブ収益は2011年の197億円から2017年は537億円へと右肩上がり、世界のサッカークラブの収益ランキングでも、イタリアから唯一トップ10入りを果たしていると胸を張った。

しかし、そのきっかけは2006年に発覚した不正行為“カルチョ・スキャンダル”にあった。この時、ユヴェントスは王座剥奪とセリエBへの降格処分が科され、1年でセリエA昇格を果たすも、2010年には122億円もの赤字を抱える窮地に陥った。

そこで名門は一大改革を断行。その一つが、クラブ専用スタジアムの建設だった。イタリアのスタジアムは自治体が管理しており、法律が立ちはだかり建設・改修することが難しく、老朽化は集客の落ち込みの要因になっていた。しかし、ユヴェントスは自治体との粘り強い交渉の末、2011年に総工費200億円で新スタジアムを建設。費用は、世界的な保険・金融グループのAllianzと5年間のネーミングライツスポンサー契約を締結し100億円を回収した。クラブカラーの白と黒で内装された最先端のスタジアムは、入場料収入を16億円(2011年)から76億円(2017年)へと飛躍させた。

さらに、アリアンツスタジアムの隣にはショッピングモールや本社オフィスがあり、その他にもトップチームの練習施設、ミュージアム、オフィシャルストア、医療センターなどを併設。現在はホテルの建設が進み、発電所の建設も予定されている。これらを“Jヴィレッジ構想”と呼び、スタジアムを中心とした新たな街づくりのロールモデルとして注目されている。

そして、ユヴェントスの飛躍に欠かせないもう一つの要素がスポンサーやグッズ販売によって生まれる商業収入。昨シーズンのユヴェントスは、収益の約4分の1が商業収入で、半分近くが商業収入のマンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードといったトップクラブとは大きな差がある。

その差を埋めるために行ったのがクラブロゴの変更。NYロゴが有名なニューヨーク・ヤンキースのようなファッションアイコンになることを目指し、これまでのエンブレムからシンプルなロゴへと装いを新たにした。これによってグッズのデザインも変化し、オフィシャルストアはアパレルブランドのような様相を呈している。

また、ユヴェントスTVも刷新され、今年からはインターネットを使ったオンデマンド配信のみに変更。料金を払えば、世界中で好きな時にコンテンツを視聴することができるようになった。

このように世界を意識する中、アジア市場の拡大を目指し目をつけたのが、日本のゲーム企業Cygamesだった。実はこのタッグは、ユヴェントスが話を持ちかけたことで実現。1年に及ぶ交渉の末、セリエAのルール改正によって解禁された初の背中スポンサーに決まった。さらに同社は、2年連続でホーム開幕戦のマッチスポンサーに就任。今年はVIPエントランスに日本の祭りをイメージした提灯を飾り、スタジアムで放映されるオープニング映像には、選手たちに加え、同社の象徴といえる存在のバハムートが登場し会場を盛り上げた。ファンクラブの会長に近年のユヴェントスの変化を聞くと「すでにサッカークラブの枠を超えていると思います。スタジアムやホテルが建って企業としても成功し、より偉大なクラブになっていくでしょう」と胸を張っていた。

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