池上彰の戦争特番、終戦に導いた首相・鈴木貫太郎のメモ発見

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8月19日(日)19時54分から『池上彰の戦争を考えるSP第10弾~「日本のいちばん長い日」がはじまった~』(テレビ東京系)が放送される。2010年から始まった、この「池上彰の戦争を考える」シリーズ。第10弾となる今回は、日本の終戦に着目し『日本のいちばん長い日』などで知られる作家・半藤一利の監修のもと、終戦へのプロセスを検証する。

太平洋戦争末期、敗色濃厚にもかかわらず日本では徹底抗戦の主張がなお根強かった。そんな機運の戦争最終盤、鈴木貫太郎が内閣総理大臣に就任した1945年春から8月15日までの終戦プロセスをひも解く。本土決戦論を主張する軍部が勢いを増す中、昭和天皇の「聖断」に至ったのはなぜか。終戦の当事者、昭和天皇と宰相・鈴木貫太郎の決意の裏側にはなにがあったのか。取材班は、終戦に導いた鈴木の貴重な直筆メモを発掘。解析してみると、そこには、克明に記された緊迫感あふれるやりとりが記されていた。

半藤氏は、昭和20年8月11日のNYタイムズが伝えた「日本の天皇制を維持」という記事や短波放送を通じて日本に和平を呼びかけるその内容が昭和天皇の耳に入っていたのでは、と分析する。取材班は米国国立公文書館などで裏付け調査にあたった。また池上は、ドイツ・ベルリン郊外ポツダムを取材。第二次世界大戦終結のきっかけになった「ポツダム宣言」を現地で読み解き、その背景を追いかける。

放送を前に池上は、「終戦の8月15日までに日本で何が起きていたのかは、半藤一利さんの『日本のいちばん長い日』で知られていますが、当時の首相は鈴木貫太郎でした。視聴者の皆さんからすると、印象は薄く、地味に感じるかもしれません。今回は、その鈴木貫太郎に焦点をあて、彼がどのような人物で、戦争終結に向けてどのような役割を果たしたのかを追いました。教科書を開くと日本の降伏に関する項目はわずか10行程度ですが、番組ではじっくり2時間をかけて歴史をたどります。すると、多くの人々の思惑や運命、そしてその場所に人を得ることによって歴史が動くことを知ることができます」とコメント。

また、番組チーフプロデューサーの名倉幸治は、「戦後73年。当時を知る人たちが次第に少なくなり、メディアとして戦争を報じていくことの大切さはますます増しています。今回は、終戦工作に関する貴重な資料を発掘しました。太平洋戦争で、日本は大きな惨禍に見舞われましたが、当時のトップのぎりぎりの決断、そして知略により最悪の事態を免れたことが、資料からうかがうことができます。ぜひ、ご覧下さい」とメッセージを寄せた。

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