日本人も見捨てた温泉街を中国が買収、再生の行方に注目

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6月12日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系、毎週火曜22:00~)は、「日本を救う!?中国マネー」と題し、「日本」と「中国」の新たな関係について掘り下げていく。

いまや世界2位の経済規模を誇る中国。そこから巨額のマネーが日本に流れ込んで来ている。中には、経営に行き詰まった日本企業が、中国マネーに救われるケースも。「脅威」や「爆買い」といった印象が強い中国。しかしその裏では、別の側面も顔を覗かせる。日本は今後、どう向き合っていくべきなのか。現場の最新事情を取材し紹介する。

鄧小平が押し進める改革開放をリードする企業として、中国政府が主導して立ち上げたCITIC(中国中信集団)。この巨大コングロマリット傘下にある投資ファンドCITICキャピタル(孫会社)が、企業買収ファンドを立ち上げた。

彼らが今もっとも力を入れているのは、渋谷系アパレルブランドの「マークスタイラー」のテコ入れだ。このマークスタイラーは低価格、拡大戦略が裏目に出て、約30億円の赤字を計上。すでに進出していた中国市場からも撤退を余儀なくされた。ところが、シティックキャピタル・ジャパンは、このマークスタイラーに資金を投じて、経営に参画することに。そこには、中国企業ならではの狙いがあった。中国のアパレルマーケットでは、日本企業の“必勝パターン”が通用しないことも。そこでシティックが繰り出したのは、意外な一手だった。再生に向けた、その戦略とは?

また、日本人も見捨てた温泉街を中国が「再生」に乗り出した。その温泉街とは、新潟市内から車で1時間ほどの山あいの町、阿賀町。2017年12月21日、町役場で、調印式が行われた。町が100%出資し、第三セクターが運営する「ホテルみかわ」を、中国企業に売却したのだ。三セクの温泉旅館が外国企業に売却されるのは、全国で初めてだという。

「ホテルみかわ」は、旧三川村が、竹下政権のふるさと創生事業の1億円で温泉を採掘したことがきっかけで1994年7月に開業。源泉掛け流しの大浴場や露天風呂、フィットネス施設、回流式の“温泉プール”を備えており、オープン当初は地元の人々で賑わったが、人口の減少とともに利用客も減っていった。名の知れた観光地でもないため、宿泊客もほとんどなく、オープンから24年、ずっと赤字続きで負債は7000万円を超えた。

そんな中、買収に手を挙げたのが、中国・上海に拠点を置く旅行会社「山嶼海(さんようかい)」。今年1月、土地と建物を譲り受けた山嶼海は、本格的な経営に乗り出した。老朽化した温泉の改修や中国人客のツアーなどを計画。山嶼海は「ホテルみかわを黒字化できるだろう」と自信を見せるが、日本側との考え方の違いから、“すれ違い”も……。どのように再生させる計画なのか、その行方に注目が集まる。

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