上川隆也、色気&上品さを兼ね備えた“完璧な執事”姿に注目『執事 西園寺の名推理』

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4月13日よりテレビ東京系でスタートした連続ドラマ『執事 西園寺の名推理』(毎週金曜20:00~)。本作は、伊集院家の当主・百合子(八千草薫)のもと、上川隆也演じるパーフェクトな執事・西園寺が、次々に起こる難事件を解決していく痛快なオリジナルミステリー・エンターテインメントだ。

13日に放送された第1話は、百合子が支援をしている奥村香澄(内山理名)がマネジメントをしているパティシエ・青木(葛山信吾)らが出場するスイーツコンテストで起きた殺人事件を、西園寺が解決する……という展開だった。

登場人物が多い中、推理・サスペンスものとして、細かなカット割りとテンポの良さで明瞭に見せていく演出は、重すぎることもなく、軽すぎることもなく、とてもバランスが良く、『三匹のおっさん』シリーズなどを生み出してきた「金曜20時」という枠にはピッタリで小気味が良い。基本的に1話完結なのだが、西園寺のバックヤードに関する謎が各所に散りばめられており、ラストに向けて大きなうねりが起こりそうだ。

こうした作品全体としての特性もさることながら、何よりも興味深いのが、個性派俳優たちが演じる登場人物の“キャラクターの濃さ”だ。上川演じる西園寺は、主人のいかなる望みもパーフェクトに叶えるという設定だが、彼の何ともいえない色気と上品さは、執事としての説得力抜群だ。一方で、体力仕事の時は、パーフェクトな執事らしからぬ微妙な言い訳(!?)で新米執事・澤田(浅利陽介)に押し付ける人間臭い一面も覗かせる。今後も無理難題を澤田に押し付ける際の、西園寺のドSぶり、そして文句を言いたそうな目をしながらも従う澤田のドMぶりには注目だ。

さらに、そんな西園寺を「ただの執事」とバカにしつつも、その明晰な推理に後塵を拝してしまう城南第一署の刑事・丸山を演じる佐藤二朗の演技も見どころだ。

佐藤といえば、テレビ東京系で大好評を博したドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの“仏”に代表されるように、他の追随を許さない恐るべきコメディセンスを持ち合わせているが、本作では、現場のたたき上げとしてのプライドをにじませ、西園寺をはじめとする“素人”たちを疎ましく思う刑事をストレートに好演している。第1話を見る限り、“笑い”の要素はなく、これまでの佐藤とは一味も二味も違うシリアスな演技が堪能できそうだ。

上記に挙げたキャスト以外にも、本作の記者会見で上川が“可愛らしさ”を絶賛していた八千草の立ち振る舞いや、今後、物語の鍵を握りそうな元警察庁長官の大物政治家・大川に扮する古谷一行、さらに、前述した浅利のほか、岡本玲、池谷のぶえの“執事チーム”の会話のやりとりなど、楽しみな要素は多く、今後も目が離せないドラマとなりそうだ。

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