伊集院静“初”の企業小説、内野聖陽主演でスペシャルドラマ化

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内野聖陽主演で、伊集院静の長編小説『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』をスペシャルドラマ化。タイトルを『琥珀の夢』として、テレビ東京系とBSテレ東にて10月5日(金)21時から放送されることがわかった。

伊集院“初”の企業小説で、日本の洋酒文化を切り拓いたサントリー創業者・鳥井信治郎の人生を描いた本作。夢を描く“商人”であり、破天荒な“挑戦者”であり、人懐こく皆に愛された“大将”でもあった鳥井は、描いた夢を他人にも見せることが出来る希有な人物だった。ドラマではそんな鳥井をモデルにしつつ、一人の人間が新たな価値観を創造するという大きな夢を抱き、それを成し遂げるまでの物語を、仮名で構成するフィクションとして描かれる。

主演の内野が演じるのは、圧倒的な行動力と生まれ持った愛嬌を活かして日本初の国産ウイスキー造りに心血を注ぎ、やがて日本一の洋酒メーカー「暁屋洋酒店」の創業者となる主人公・鳴江萬治郎。内野が同局のドラマに主演するのは、2012年1月に放送された新春ワイド時代劇『忠臣蔵~その義その愛』以来、6年ぶりとなる。

演じる鳴江について、内野は「ここには、現代の情報過多の中で、感覚を麻痺させてしまっている人間ではなく、常にみずみずしい感性で、目の前にあるものに感動する純粋な魂、家族や友の愛に支えられ、師匠の厳しさに育まれ、時代の波にもみくちゃになりながら、それでも夢をみる勇気を失わない男がいました。たんこぶや傷だらけになりながらも歩む姿にとても共感し、関西言葉という壁を乗り越えても是非挑戦したい役だと感じました」と印象を語り、「あまのじゃく、新しいもの好きのミーハー性、自由奔放などと社会から受け止められることもあるかもしれませんが、この主人公は、その人間性ゆえにこそ、僕たちの大好きな琥珀色の飲み物を作り出せたんだと思います」と称賛した。

さらに、「僕はこの人物を“奇跡の天才発明家”にはしたくありません。人生には登っていない山がたくさんあって、この作品を観た方が、自分の目の前にある山に、つい登りたくなってしまうような、親近感のある人物として造形できたらなと思っています」と演じる上での意気込みを述べ、「ドラマを見た皆さんにも“やってみなはれ”の言葉が届くといいな、なんて思ってます。とにかく、面白くて、ためになって、元気でイキのいい作品にしたいです」と目標を掲げた。

原作者の伊集院は、「主人公は社員全員が反対している中でも決意し、ウイスキー造りに動き出した男です。今の言葉でいうと“誰にも見えなかったマーケットが一人だけ見えていた”、新しい時代のモノを見る目があったということです。ドラマ化の話、そして内野さんが主人公を演じるとの話を聞いて、私も楽しみにしています。皆さんがドラマをご覧になって、“ああ面白い人物が明治の時代にいたんだな”と思って一杯飲んでいただければと思います」とコメントを寄せている。

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