佐藤流司“2.5次元”ではないドラマは「自由」監督の指示に困惑も…

公開:
佐藤流司“2.5次元”ではないドラマは「自由」監督の指示に困惑も…

テレビ東京系にて1月10日からスタートしている新TVドラマ「御茶ノ水ロック」(毎週水曜深夜2:35~)は、すれ違ってしまった兄弟の絆を中心に、バンドにかける男たちの青春を描くオリジナル企画。TVドラマ化だけでなく舞台化も決定しており、3月30日(金)から4月15日(日)にかけてAiiA2.5 Theater Tokyoにて全23公演。さらに、「月刊コミックジーン」(KADOKAWA メディアファクトリー、毎月15日発売)にて漫画も連載中だ。

主演を務めるのは、今注目の若手俳優・佐藤流司さん。2011年『仮面ライダーフォーゼ』で俳優デビューし、以降ミュージカル『テニスの王子様2ndシーズン』や、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』、ミュージカル『刀剣乱舞』など、“2.5次元”と呼ばれるジャンルの作品に多く出演している。

演じる主人公・片山始は、バンド「ダイダラボッチ」のボーカル。「兄に認めてもらいたい」という思いを胸に、武道館ライブを目指すというキャラクターだ。そのほか、始の兄・片山亮役に染谷俊之さん。「ダイダラボッチ」のメンバーには、前山剛久さん(ギター・奈良悠介役)、松本岳さん(ベース・新田誠役)、宮城紘大さん(ドラム・乾慎吾役)。また、始と対峙するライバルバンド「The DIE is CAST」のメンバーには、崎山つばささん(ボーカル・逢坂翔<SHO>役)。砂原健佑さん(ギター・五十嵐隼人役)、Chiyuさん(ベース・吉原公太役)、夛留見啓助さん(ドラム・橘蓮役)が抜擢。メインキャストはTVドラマと舞台両方に出演し、舞台公演では当て振り無しの生バンド演奏に挑戦する。

今回、主演の佐藤さんにインタビュー。TVドラマと舞台での演じ分け方、同じく“2.5次元”のステージで活躍する共演者との撮影秘話、さらに、これまでの「カッコイイ」ではない新境地を開いたシーンについてなど、たっぷりと語っていただいた。

――普段は舞台で活躍されている佐藤さん。ドラマで役を演じるにあたり、難しかったことはありますか?

“2.5次元”の作品に出演する際、準備しなければならないことがたくさんあるんです。原作を読んだり、見たり、材料が用意されている上でどうやって演じるかを選択する形になるんですが、今回は“ゼロ”から自分で組み立てて拾っていく作業だったので、自由にやらせていただきました。その反面、原作がなくて困る場面もあったりして。例えばコミカルなシーンで、正解の顔というか、お手本のようなものが原作にあるとわかりやすいので助かるんですが、この作品に関してはそれがないので“このシーンではどんな顔をしたらいいんだろう?”“どんな立ち方をしたらいいんだろう?”と時々悩むことがありました。

――意識して違いを出そうとしたことはあったのでしょうか?

特に気を使った部分は、声量ですね。舞台をやってきていると、大きい声を出してしまうんですよ。舞台では通常の1.5倍の声を出すように心がけているので、ドラマでは0.8から0.9倍に抑えようと気をつけました。

――演じる始との共通点や、異なる点はありますか?

おそらく、癖が強いところが似ているんじゃないでしょうか。あと、曲がったことが嫌いなところとか、仲間や友達を絶対に大事にするところ。ただ、始は打たれ弱く繊細なので、そこは違いますね。俺は鋼の精神を持っています(笑)

――役作りに関して苦労した部分は?

始はサラッとカッコイイことを言えちゃうキャラ。ポロッと口にする言葉がジーンとするものだったりするので、そこが難しかったです。役者って、「良いセリフ言うぞ~」って格好つけちゃうので。当たり前のように素直に伝えるのが難しかったです。

――コミカルなシーンが多いですが、アドリブを入れた部分も?

いえ、あれは台本に書かれている通りです。舞台はやったもん勝ちなので、多少のアドリブは加えていきたいですね。

――昨年主演を務めたドラマ『ファイブ』(フジテレビ)と同様、本作にも同じく“2.5次元”に出演されている方が多数出演されています。何か演技についてお話することはあったのでしょうか?

ミュージカル『刀剣乱舞』で共演中の崎山くんと今回のドラマでも一緒だったので、芝居についてディベートして、話が止まらなくなっちゃったことがありました。でもその結果、すごく緻密なシーンになったので良かったです。

――監督からはどういった指示を受けましたか?

一番難しかったのは、「微妙な顔して」と言われたことですね……。悩んだ挙句、こういう顔しました(実演)。あ、これ文字では伝わらないですね。また、劇中にチャダというインド人が出てくるんですが、そのキャラクターが強烈で。まだ先の話数になるのですが、8話でチャダがテスト(台本)と全く違うことを本番でしゃべり出して、すごく笑ってしまったんです。でも、カットがかかってから監督に「すみません」と謝ったら、「俺そういうの好きだよ、オッケー」と言われて、ただ笑っているシーンがそのまま採用されてしまいました。

――現在ミュージカルで活躍し、過去にバンド活動を経験されていたこともあるなど、歌うことに抵抗はなかったと思うのですが、パフォーマンスで苦戦したところはありますか?

苦戦は一切していないですね。パフォーマンスがあることはわかっていたし、それに対する準備もしていたので。でも、歌に関しては色々なライブ映像を見たりして勉強したので大丈夫でしたが……ギターを弾くことには苦労しました。いかんせん、ギターを一度も触った事がなかったので……どうやったら上手く弾いてるっぽく見えるかを考えることに必死でした(笑)

――舞台の方が観客を前にしての演奏なので大変だと思います。すでに準備は始まっているのでしょうか?

全然、まだ始まってないですね。メンバーのみんなは個々に練習しているようで、ベースの松本くんは学校に習いに行って、本格的に勉強しているそうです。松本くんはそもそも左利きなので、いきなりペナルティ背負って始めているんで、相当大変なんじゃないかなと思います。

――仮歌の収録は終わったとお聞きしました。手応えや、聞きどころを教えてください。

今回、自分にとって初めて“THE主人公”というキャラクターを演じさせていただくので、ビブラートとかしゃくったりせずに、真っ直ぐに歌おうと思って収録させていただきました。

――ライブシーンの見どころを教えてください。

劇中で3曲披露するのですが、どれも違うパフォーマンスを見せています。その違いに注目していただきたいですね。

――目指したもの、イメージしたバンド像はあったのですか?

具体的に「このバンド」というものはないのですが、漠然として「カッコつけないバンド」が良いなと思っていて。等身大で、お高く留まらないバンドで、お客さんの後ろを歩いているような……。

――ご自身も来年バンドデビューされますが、そちらはどんなバンドにしようと?

こっちはガンガン上から引っ張り上げるバンドにしようと思っているので、ファンの方には着いてきてほしいです。役者の俺しか知らない人は、ビックリすると思います。

――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

水曜深夜の時間帯にちょうど良いTVドラマになりました。疲れた人の背中を押すような、老若男女関係なく見られるドラマだと思います。舞台ではカッコイイ役を演じさせていただくことが多くて、年間通してキメ顔をすることが多いのですが(笑) 今回は原作がなく、コメディ系のドラマということで、めちゃくちゃ不細工な顔もしているので、そういうところにも注目してほしいです。俺のことを知らない方には、これを機に知ってもらえたら嬉しいですね。

画像ギャラリー

PICK UP