「君の名は。」「シン・ゴジラ」を抑えて、テレ東『模倣犯』森下直が「菊島隆三賞」に

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テレビ東京系列にて、昨年の9月に2夜連続で放送された『六本木3丁目移転プロジェクト ドラマスペシャル 宮部みゆきサスペンス「模倣犯」』の脚本家・森下直が、第19回シナリオ作家協会「菊島隆三賞」を受賞したことがわかった。

『模倣犯』は、第52回芸術選奨文部科学大臣賞や、第5回司馬遼太郎賞など六冠を達成した、宮部みゆきによる大ベストセラー小説。2002 年に映画が公開されて以来、14 年ぶりに映像化し、スペシャルドラマとして放送。“劇場型犯罪”を徹底的に描いた現代ミステリーの金字塔とも言われており、未曽有の連続誘拐殺人事件をめぐり、被害者家族、加害者家族、警察、マスコミ、そして犯人等々、多くの視点から重層的に見つめた、今なおミステリーファンを魅了し続ける名作となっている。

また、「菊島隆三賞」とは、年間に発表されたすべての映像作品の脚本の中から、最も優れた作品を脚本家が選び、その作者を顕彰するもの。今回ノミネートされた作品は『模倣犯』以外に、映画「怒り」(李相日)、映画「お父さんと伊藤さん」(黒沢久子)、映画「君の名は。」(新海誠)、映画「シン・ゴジラ」(庵野秀明)、映画「殿、利息でござる!」(中村義洋、鈴木謙一)、映画「日本で一番悪い奴ら」(池上純哉)などがあった。

受賞の発表を受け、森下は「身に余る光栄にどうしていいかわからない今日この頃でございます。まずは関係者の皆様方に、心から深く御礼申し上げます。『模倣犯』の脚本化にあたっては、非常に恵まれた環境でお仕事をさせていただきました。また、映像化にあたっては、キャストの皆様、スタッフの皆様の一致団結されたプロのお仕事に、感動しておりました。さまざまな意見や才能を一つにまとめられました監督やプロデューサー陣のご尽力、また、原作者サイドの懐の深いご理解に、大変助けられ、励まされました。菊島賞に選んでいただきましたのは、出来上がった作品の素晴らしさの賜です。なので、チーム『模倣犯』の一人として、作品にいただいた賞として、授賞式に臨む所存です。ありがとうございました。そして今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます」とコメント。

授賞理由を、選考委員長の柏原寛司は「『模倣犯』は実に見事な脚本でした。数多くの登場人物のキャラクターを魅力的に書き分けた人間観察眼の素晴らしさ、複雑に入り込む物語を混乱することなくまとめ上げた構成力など、2016年のナンバーワンのシナリオに相応しいものだったからです。2016年は映画が豊作でしたが、『模倣犯』はプロの脚本として、それらを越える素晴らしいものであった、ということです」と述べている。

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