市川海老蔵が主演を務める博多座十一月花形歌舞伎『石川五右衛門』の公演初日（11月3日）に、同じく海老蔵主演のドラマ『石川五右衛門』（テレビ東京系列、毎週金曜20:00～）の出演者である山田純大、前野朋哉がゲスト出演。また、ドラマの主題曲を手掛ける三味線奏者の上妻宏光もこの舞台にレギュラー出演しており、ドラマ×舞台のメディアミックスを体現したエンターテインメントが実現した。

3日から25日まで上演される十一月花形歌舞伎『石川五右衛門』は、2009年に上演され大反響を巻き起こした新作歌舞伎『石川五右衛門』をさらにスケールアップ。今回も原作に樹林伸を迎え、海老蔵、中村獅童、市川右近、そして片岡孝太郎と豪華なキャストが揃っただけでなく、実寸大のねぶた、津軽三味線、大太鼓、日本舞踊などあらゆるものを取り入れた壮大な幕切れが見どころとなっている。

またドラマは、2009年に上演された歌舞伎『石川五右衛門』に潤色を加えて映像化しており、歌舞伎と同様、樹林が原作と脚本を担当。華麗な手口で盗みを働く石川五右衛門（海老蔵）と、時の権力者・豊臣秀吉（國村隼）との対決を主軸に、秀吉の側室・茶々（比嘉愛未）とのロマンスなどが、ケレン味たっぷりに描かれている。

山田と前野が本人役でサプライズ登場した公演では、2人とも歌舞伎の舞台に出演するのは初めてながらも、観客への自己紹介で見得を切る場面もあった。

公演後、海老蔵は「2人との共演はすごく楽しかったです。真面目にお芝居をしていますが、ずっと横目で2人を見ながら笑っていました」と笑みを浮かべ、山田も「すごい楽しかったです。なかなかない、良い経験でした」と大いに楽しんだ様子。一方、前野は「緊張しすぎてほとんど記憶がないです。歌舞伎の流れを崩さないように、ヘマしちゃいけないっていう思いでした。でもお客さんがすごく笑ってくれたので安心しました。歌舞伎『石川五右衛門』は、きらびやかで、見栄えも華やかで、音楽もかっこよくて、本当に“エンターテインメント！”という感じでした」と、感想を語った。

さらに、海老蔵は「ドラマの放送と舞台の公演は時期がかぶっていますが、最初からメディアミックスということを考えて作っていました」とコメント。「舞台の『石川五右衛門』の公演があって、テレビで連続ドラマが放送され、同時に両方楽しんでいただける画期的な試みです。舞台にもドラマと同じ登場人物がいて、原作も樹林さんで、ドラマと舞台両方楽しめるような感じになっています」と明かしていた。