立木文彦、“黒人執事”役を熱演!堀内賢雄、東地宏樹らが大統領に

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6月22日(水)放送のBSジャパン「シネマクラッシュ」枠にて、ホワイトハウスで7人の大統領に仕えた実在の黒人執事の生涯を基にしたヒューマンドラマ『大統領の執事の涙』の“新・吹き替え版”をテレビ初放送することがわかった。

本作の舞台は、黒人差別が日常だった時代。奴隷の息子として生まれた主人公・セシルがホワイトハウスの執事となり、歴代の大統領を間近で見つめながら、黒人として執事として、誇りを胸に働く姿を描くと共に、そんな父の仕事が理解できず公民権運動に突き進んでいく息子との関係、家族の絆が描かれている。

新・吹替え版でセシルを演じるのは、『世界の果てまでイッテQ!』などのナレーションでも活躍中の立木文彦。セシルの妻グロリア役は、DVD版でも同じ役を演じた喜田あゆ美。息子役は新垣樽助。セシルの同僚役には、大河ドラマ『真田丸』に出演中の高木渉、そして田中完。さらに、歴代のアメリカ合衆国大統領役には、樋浦勉堀内賢雄綱島郷太郎東地宏樹土師孝也という豪華声優陣が集結した。

この度、アフレコを終えた声優陣からコメントが到着した。

<立木文彦(セシル・ゲインズ役/フォレスト・ウィテカー)>
もともとウィテカーさんの声をやることが多く、今回お話をいただき嬉しいチャンスだと思い熱意を持ってやりました。この作品はセシルの家族の長いスパンの話なので、その時代、時代の自分なりの気持ちの持っていきかたを重視して演じました。というのも映画はセシルのモノローグで進行するので、そこは本当に重要だと思っていました。声の役作りとしては老いたセシルのモノローグから始まるので、そこに声の役作りの重点を置き、セリフに関しては、段々そこに自然に生きていくような感じで演じようと思いました。主人公だからというわけでなく、全部のシーンが印象的なんですが、その中でも息子がセシルの思いに反して生きていこうとする部分。そして、歴代大統領を垣間見れるのはすごく新鮮でした。自分の中では特にケネディ大統領が残りましたね。ケネディの娘さんも出てきますが、今や駐日アメリカ合衆国大使ですから……繋がっているなと。そして最後にはオバマ大統領も出てきますので、そこも知っていて欲しいです。また、自分自身がこの作品に関わる際に、新しい作品として取り組みましたし完成品としても新しいものになっていると思います。そこも加味してぜひ楽しんでください。

<喜田あゆ美(グロリア役/オプラ・ウィンフリー)>
DVD版でもグロリアをやらせていただきましたが、今回は編集のせいか特にセシルと息子ルイスの関係が際立っているように感じてグッときました。演じる上で敢えて意識したつもりはなかったんですが、前回より夫と息子の板挟みとなる複雑な思いがやっているうちに芽生えて辛かったです。立木さんとの共演はとても楽しかったですね。声が素敵なので夫婦役はドキドキしました。やはりウィテカーさんの声を何度も演じられているので説得力がありました。映画では、ラストのセシルのシーンがカッコイイのでそこは見逃せません。また、途中でキング牧師の執事に対するセリフにグッときますし、それがセシルのラストシーンに繋がってくるので、そこも見てほしいです。無料テレビ初放送ということで、この映画は観ていただけたらわかる作品だと思います。満足、納得できる作品ですので、ぜひご覧ください。

<新垣樽助(ルイス役/デビッド・オイェロウォ)>
テーマは社会派な部分もありますが、父親に認めてほしい息子の反発が核にあって、社会情勢がそこに複雑に絡んでいる映画だと思いました。父親に対する反発は自分にも経験があるので、そこを核にしてルイスを演じようと思いましたね。彼の生き方は、父親への反発から始まって独立した確固たる芯を持つようになっていくので、本当にすごい人だなと感じました。今回、自分も吹替えで携わることができて新たに勉強にもなりましたし、ぜひこの機会に多くの方に観ていただきたいと思います。

<高木渉(カーター・ウィルソン役/キューバ・グッディング・Jr)>
息子ルイスのように人種差別に真正面から立ち向かっている者もいれば、セシルのように本当の顔と白人に見せる顔を持ちながらひたすら給仕をしてる人もいる。対照的な立場に居ながら共に人種融和のために戦っている姿が印象的でした。今も尚どこかで人種差別は行われているかと思うと胸が痛いですね。僕が演じるカーターは執事頭でいながら厨房では下ネタバンバン、皮肉屋で少し口は悪いですが、この親子を見守る情に厚い人です。親子にとって大事な存在になります。その辺を意識しながら楽しく演じさせていただきました。

<田中完(ジェームズ・ホロウェイ役/レニー・クラビッツ)>
歴代の大統領をこんな風に描けるなんてすごいなと思ったのと、人種問題に関するすごいものを突きつけられました。ジェームズは寡黙なイメージのキャラクターではありますが、存在感のあるキャラクターになるようにと意識しました。執事同士では役割がはっきりしていたので、カーターの面白いキャラクターを受けるのがジェームズでもあるので、締めるところは締めて楽しみながらやらせていただきました。初めて観る方も前にご覧になった方も、とてもいろんな角度から面白く観られる作品なので、ぜひ楽しんで観てください。

<樋浦勉(ドワイト・アイゼンハワー役/ロビン・ウィリアムズ)>
アイゼンハワーは、軍人から大統領になった人というイメージで、もっと強面な人なのかなと思っていましたが、ロビン・ウィリアムズが演じることもあって、クールで落ち着いている人だなと感じました。演じる上でも常にロビン・ウィリアムズを意識していました。まだまだ世の中、難しい部分もありますが、ひとつの節目としてこの作品を観ていただきたいです。あとは、私が演じたアイゼンハワーもふまえて歴代の大統領も出てくるので、そこも楽しみにぜひ観てください。

<綱島郷太郎(ジョン・F・ケネディ役/ジェームズ・マースデン)>
とにかくキャスト陣が豪華ですし、人種差別問題を歴代の大統領を通して見ることができたのはとても勉強になりました。ケネディは、アメリカがトップという考え方ではなく、全世界が平和になり平等になる信念を持っていたように思います。日本人にとってもアメリカの歴代大統領の中で一番身近に感じやすいカリスマ性を持った人なので、威厳のある感じだけではなく、なるべく柔軟に人と接することを大切にして演じました。

<東地宏樹(リンドン・B・ジョンソン役/リーブ・シュレイバー)>
ホワイトハウスで働く執事のことは知らなかったので、大変興味深く拝見いたしました。ジョンソンについては、ケネディ大統領暗殺の際に副大統領だったことぐらいしか記憶がなく、今回リーブ・シュレイバーさんが、倹約家であり、実直な感じを演じられていたので、短いシーンですが、緩急を心がけてやらせていただきました。とにかく出ている役者さんが豪華ですし、声をアテている方も豪華な方ばかりなので、ぜひお楽しみください!

<堀内賢雄(リチャード・ニクソン役/ジョン・キューザック)>
ニクソンはウォーターゲート事件が有名ですし、彼は大統領の任期中に辞任したので、そのあたりが印象深いですけど、素晴らしいこともいっぱいやっている人というイメージを持ちました。野心家ではあるけど政治に対しても国に対しても真摯に生きた人だと思っています。ですから、副大統領時代、政権を執ってから、そしてウォーターゲート事件での変化は意識して演じました。随所随所で考えさせることが多い映画ではありますが、ぜひご覧いただき、感動の輪を広げてもらいたいです。

<土師孝也(ロナルド・レーガン役/アラン・リックマン)>
レーガンは、元映画俳優なのでにこやかな印象がありましたが、この映画では少し違いました。演じたアラン・リックマンの考えやイメージがあったんだと思います。演じる上ではレーガンというより、アラン・リックマンがやっている芝居の方をどう読み解こうかというのがありました。彼はあまり表情を出さないで声音で表現するので、そこを捉えてやりました。「大統領の執事の涙」はなかなかない映画です。僕らの年代にはとても面白いですし、今の時代を考えるのにいいタイミングだと思いますので、ぜひ観ていただきたいです。

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