3月30日（水）放送の松本清張特別企画『喪失の儀礼』（テレビ東京系列、21:00～）の記者会見がこのほど、都内のスタジオにて行われ、村上弘明、剛力彩芽、陣内孝則が出席。そこで陣内が、剛力と絡むシーンについて「もっとガッといけば良かった！」と後悔していることを明かした。

『喪失の儀礼』は、医師と医療機器メーカーの荒廃した癒着と、意外な愛憎関係がもたらした連続殺人事件を重厚に描いた本格長編ミステリー。昨年3月に放送された、テレビ東京開局50周年特別企画「松本清張『黒い画集-草-』」に引き続き、村上、剛力、陣内がメインキャストを務める。

静岡県警の刑事・大塚京介役の村上は「（大塚は）思い混むととことん突き詰めないと気がすまない。非常にマイペースな役です。松本清張作品なので、“謎解き”が見どころとなっています。現代に通じる問題点もあったり、考えさせられるドラマに出来上がっています」と自信を見せ、大塚とコンビを組む後輩刑事・田村美咲役の剛力は「『黒い画集』の時は、上司の言うことに従って必死についていく役を演じたのですが、今回は、新人でありながら上司を上手くあしらい、ちゃんと意見を言ったりなど、ちょっと成長した刑事を演じました。またお二人と共演できて、とても嬉しく思います」とコメント。警視庁捜査一課の主任・須田浩平役の陣内は「非常に楽しく自由にやらせていただきました。『黒い画集』の時、剛力ちゃんに“壁ドン”というセクハラ的なシーンがあったのですが、今回もあります（笑）。前回共演してから、僕の舞台を剛力さんのご家族が見に来てくださって、一緒にお食事をしたのですが、PTAみたいな気分になっちゃって……。それを気にして、今回あっさり目にやってしまったことが反省点ですね。他の女優さんだったらグイグイできたんですけど」と後悔していることを明かした。

さらに、陣内は「『黒い画集』と比べると、彩芽ちゃんは成長したというか、元々持っていた面白みが今回すごく出ているんじゃないかなと思います。年明けに我が社（オスカー）の社長と面会したのですが、そこに（剛力の）晴れ着姿が飾られていて、“すごく色っぽくなりましたね”って言ったら、“うん。彼女は男じゃないんだ。自家発電だけどね”って（笑）言ってて。自分で成長したということでしょう！」と、剛力の成長を絶賛した。

1972年に新潮社から刊行された『喪失の儀礼』。44年の時を経てドラマ化されることについて、村上は「清張作品は、時代を反映しているもの。どうして未だに清張作品がドラマ化されているかと考えると、扱っているテーマ性が不変的なものなのだと思います。また、何十年前に書かれている問題が、今まだ改正されていない所もあるのでしょう。この作品でいうと、現場に足を運んで捜査しているのですが、現代は携帯やネットで調べることがが主流になっている。現場に行かないと、肌で感じてみないと、実際に接してみないとわからないことがあると思います。今だからこそ、そういったことを活用してほしいですね」と考えを述べ、剛力は「人間の根底にあるものや、“こうだったら素敵だな”っていう刑事像が描かれている。昔の良さを残しながら、新しいことも取り入れていけるってことは、芝居だからこそ出来ることだと思います」と清張作品の魅力を語った。

また、撮影中のエピソードや、印象的だったシーンを聞かれた陣内が「セクハラシーンは、剛力ちゃんがサラッと往なしていたので、こういうの慣れているんだなと思いました。こんなこと言っちゃいけないか（笑）」と話すと、剛力は「慣れてないですよ！」と否定。「あのシーンは思ったより引き（の撮影）だったので“サラッとした感じなんだ”と思って。私のお芝居がそうだったのかな……」と不安がると、陣内は「もっと僕がガッといけば良かったんだよね！　肩を抱くだけじゃなくて、もっとこう！」とオーバージェスチャーをしてみせ、記者の笑いを誘っていた。