マキタスポーツ「山梨の“ピュア度”をサウナで感じて」

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「サウナとは、 “解放”の場です」

そう話してくれたのは、山梨放送『マキタ係長』(毎週土曜24:55〜)でMCを務める芸人で俳優のマキタスポーツさん。

同番組は、山梨に愛憎一体の感情を持つマキタさんがMCを務める深夜のレギュラー番組で、独自の見立てで県民性を掘り下げ、山梨の「可愛さ」を全国に発信している。

山梨県では、高視聴率を記録することがあるこの番組だが、8月20日の放送回で「もっと全国の方に見てもらいたい!」ということで、TVerのデータを用いて番組を分析した結果、衝撃の事実が……。

番組内で、9月16日よりTVerでととのう「サウナ番組大特集」企画があることを知ったマキタさん。サウナ好きにも『マキタ係長』を見てもらいたい! となり、サウナを通じて山梨の魅力を伝える企画が始動。9月18日は「金の森山荘」、9月25日は「秋山温泉」と山梨のサウナをフィーチャーした回を放送。

豊富な水源に恵まれ、県内に温浴施設を多く有する山梨にサウナがもたらす可能性とは──。サウナーとして知られるマキタさんに、その魅力を語ってもらいました。

――『マキタ係長』は、どんなコンセプトの番組ですか?

一言で言うなら、山梨の秘境性を面白おかしく見せる番組です。これまで山梨の人々が「他県の人に見られたくない」と感じていたようなところもあえて見せることで、それが面白く愛おしい「山梨の触り方」として広まれば、という思いからスタートしました。

――山梨という土地は水も素晴らしいですし、県内にあるサウナ施設もきれいなところが多いと感じます。マキタさんはサウナに対して、どんな可能性を感じますか?

文明社会で生きていると、自然を欲するじゃないですか。そういった意味で、山梨は自然とかアウトドアの可能性がすごく感じられる“ピュア度”の高い場所だと思うんです。まだ聖地化、インフラ化がされきっていなくて、ある程度の“余白”がある。ここからゼロイチ的な感じでもって、いっぱい自然を楽しめるアウトドアサウナやテントサウナなどをやっていける可能性がいっぱいあると思っています。

サウナ版の「DASH村」じゃないですけど、そういうものを“建立”していきたいですね。廃材を活用したり、みんなで材料を持ち寄ってログハウスを作ったり。ふだん都会で生活している方がある種の“ピュア”を求めて来てもらえるような環境作りにすごく関心があります。

――すでに具体的な構想も?

僕の地元は山梨市なんですけど、市内にいくつか良さそうな場所があるんですよ。そこでフェスを企画して、お客さんを呼んでテントサウナを開いたりしたいなと。

――山梨には、サウナブームのずっと前からロウリュサービスを行ってきたような老舗もあり、温泉好きな山梨の人々の県民性もあいまって、サウナ企画はとても相性が良さそうですね。

かくし芸大会ならぬ「かくしサウナ」ですね(笑)。山梨はもう500年も1000年も前からずっとサウナやお風呂を隠し持っていたぞ、っていう。山梨って、冬は寒くて、夏は暑いじゃないですか。汗をかいて気持ちをリフレッシュすることに関しては、ひとかたならぬ思いのある県民性でもあると思うんですよね。

整った施設でスパを楽しめる場所はもう十分にあると思うんですけど、それ以外の形で、何かそういうサービスの提供とか提案みたいなことができたらなと。サウナやアウトドアに関心がある人たちに来てもらって、他県の同じような“類友”たちに教えてもらえるようなフェスとかを開催できると一番いいですね。

――サウナを通して、山梨の自然の魅力を見つけてもらうわけですね。

山梨って、やっぱり自然豊かじゃないですか。水源が豊かで、飲んでも美味しいし、入っても素晴らしい。人の手が入りすぎていないぶん、高いピュア度が保たれてきたんだと思うんです。

――中央自動車道を使えば、都心からも短時間でアクセスできますね。

来やすいですよね。中央自動車道の勝沼インターチェンジを降りて30分で「ほったらかし温泉」「ほったらかしキャンプ場」に行けますし、また30分ほど車を走らせれば、山梨名物の「ほうとう」が食べられます。そして小一時間後にはふたたび勝沼インターチェンジに乗って、東京に帰れちゃう。できればそのまま帰ってしまうのではなく、寄り道してもっとピュア度の高い体験を楽しんでもらえる場を作れたらいいなと思っています。

――以前、番組でサウナプロジェクトを提唱していましたね。

山梨にはサウナへの可能性がある、ということで、まず前段として山梨の「無尽※」という風習にのっとった「大無尽」というフェス企画をプレゼンしたんです。

※無尽(むじん):地域の互助制度をルーツとした山梨県の宴会文化。料理とお酒を持ち寄り、気の合う仲間と飲み会を行う。

フェスと言えば音楽やお笑いなどいろいろな出し物がありますが、番組では「空き家即売会をやろう」とか、いろいろな企画を自分なりに発信していたんです。その中に「サウナのまちプロジェクト」というのがありました。

当初はみんなキョトンとしていたんですよ。「なんでサウナなんて急に言い出すんだ」って(笑)。でも全国的にサウナが流行っているし、山梨にはいい水が豊富で、サウナへの可能性がいっぱいある。マニアックなサウナーの人たちはサウナ体験に対するピュア度をどんどん高めようとしているから、そういった意味で山梨はサウナの聖地にもなりうると思ったんです。

山梨には広いお庭がある家も多いので、自宅でテントサウナをすることもできる。「みんな一家に一台テントサウナを持っている」みたいな県民性になったらいいなと(笑)。アウトドア業者の人たちが集まってブースを作って、サウナ文化をどんどん広めていくフェスをやるのはどうか、と提案しました。

――その後、山梨県で「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」が立ち上がりました。「サウナのまちプロジェクト」からわずか数か月後のことで、番組では「山梨県が企画をパクったのでは?」と疑惑が持ち上がっていましたが……。

あれは本当に偶然だと思うんですけどね(笑)。「県庁の人たちが似たようなことをやっている」という話があって。ちょうど僕が「サウナのまちプロジェクト」を提唱した後のことだったので、「僕が発信した企画を県庁がパクッてる!」と、県庁の職員さんを番組に呼んで問いただす企画をやったんです。

聞くと、丹波山(たばやま)のキャンプ地で長崎知事がテントサウナをする模様などを県公式YouTube(山梨チャンネル)で発信していると。そこで山梨県はサウナのまち、サウナ県であるということを発信していこうと山梨県職員(やまなし自然サウナ ととのいプロジェクトの担当者)と意気投合しました。

――サウナを通じて、さらなる縁が広がっていったんですね。改めて、マキタさんにとってサウナとは何か、教えてください。

サウナとは…… “解放”の場ですかね。

よく「ととのう」って言うじゃないですか。「ととのう」っていう感覚が自分の体に訪れているということはわかるんですが、どうも個人的に言葉自体のイメージと一致しなくて。「整(ととの)う」と書くイメージが強いからか、どこかピシッとした印象があったんですよね。

僕の感覚はどっちかというと、「無限にだらしなくなっている」というか。すべての時間から切り離されたような瞬間に愛おしさを感じるので、そんな場所ですかね。

――今後も番組でサウナを取り上げていくのが楽しみです。最後に、TVerユーザーの方々にメッセージをお願いします。

『マキタ係長』では、まだまだ全国的にその魅力があまり知られてない山梨のチャーミングでかわいらしい魅力が感じられる番組作りをしています。山梨の秘境性を面白く感じられる番組だと思うので、ぜひとも見ていただきたいです。

■施設紹介

・「金の森山荘」
〒401-0016 山梨県大月市大月町真木6188

山梨県大月市真木の大自然で、楽しく、美味しく、遊んで泊まれる里山の宿です。


・「秋山温泉」
〒401-0201 山梨県上野原市秋山2210

日本の伝統的な温泉文化による湯治効果の良さとドイツの温泉療養やアウフグースを取り入れた健康温泉であり、健康維持、回復、増進のために、又リハビリのために気軽に利用できる温泉療養施設です。

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