現役退いた元日本代表・玉田圭司が欧州移籍の若手選手に期待「すごい興味がある」

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サッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)の1時間スペシャルが1月8日に放送され、元日本代表の玉田圭司岩政大樹、サッカー好きとして知られる日向坂46影山優佳がゲスト出演。MCの勝村政信と「魅力ある日本代表」をテーマにトークを繰り広げた。

現在、日本代表は11月に開催されるカタールW杯への切符をかけたアジア最終予選の真っ只中。折り返し地点を過ぎた今、グループ2位で出場圏内をキープしてはいるが、サポーターからは辛辣な意見が続出している。中でも多かった「点が獲れない」という意見に、昨年現役を退いた玉田は「点が獲れないというよりは、チャンスが少ないと思いますね。他人任せな部分をすごい感じていて」と指摘。チーム内で連携が取れておらず、攻撃が単発で終わってしまうという問題点を挙げていた。

また、「個性の強い選手がいない」という意見には、玉田も「監督に言われたことはやりますけど、それ以外はできませんという選手が多いかもしれませんね」と同意。岩政は、世界的にもサッカーが組織的になってきており、突出した個性が求められない時代になっていると説明しながらも、「その個性がどうつながりあって、チーム全体が成り立っているかが見えてくるとチーム全体の個性として面白くなってくる」と解説した。

玉田圭司
玉田圭司

影山も「器用な選手が多いっていう印象があります。なんでもできてしまうので、一個突出しているものが見えないところが、スター選手がいない、見えにくいということにつながっていくのでは」と、サッカーファンとしての考えを明かす。

そんな3人が、個性の見えづらくなってきた現代サッカーの中でも輝きを放つ選手をピックアップ。岩政は10代で2桁ゴールをマークした鹿島アントラーズの荒木遼太郎をチョイス。玉田は、オリンピックでも日本の躍進を支え、ヨーロッパの強豪・セルティックFCへの移籍を果たした旗手怜央を選び、「旗手選手はポリバレント(複数のポジションでプレーできる)な選手。海外でどれくらいやれるのか、すごい興味がありますね」と期待を寄せた。

影山はコンサドーレ札幌の小柏剛と、浦和レッズの鈴木彩艶に着目。昨シーズンはルーキーながら開幕スタメンを飾るなど、ポジションを確立した小柏について「スター選手になりうる一人で、状況を打破できる選手」と評し、チームの次代を担う若きGKの鈴木に対しては「個人的には、世界ですでにトップ5に入るくらいの実力を兼ね備えていると思う」と絶賛した。

岩政大樹
岩政大樹

しかし、これらの選手を活かせるかどうかは監督の采配次第。日本代表を率いる森保一監督の采配に疑問を抱いているサポーターも多く、中でも目立つのは「スタメンを固定しすぎ」という声。これにはサンフレッチェ広島時代に森保監督と師弟関係にあった元日本代表の佐藤寿人も「競争がないとなかなか新陳代謝が行われないので、そこは少し物足りないなというのは外側から見て感じていたところ」と打ち明けた。

スタジオの岩政は「アジア最終予選でスタメンをいじる監督は多くない。最終予選が終わると、もう一回シャッフルして競争しなさいっていうやり方をするのはオーソドックス」としながらも「ただ、固定感があるのは間違いない」と断言。選手との対話を重視する森保監督のチームづくりが、選手の固定化につながっているという。岩政は、海外では試合中に戦術を変えることもあり、日本の“じっくり型のチームづくり”が試合のつまらなさにつながっていると分析。指導者は世界の潮流を認識することが大切だと語った。

岩政はさらに、監督はピッチ上で自分の意志を表現することも重要だと主張する。岩政の意見を受けて、影山は「個人的には、試合中にコーチの“激おこ”なシーンが見たいと思っていて」とコメント。これには玉田も「パフォーマンスでもいいと思うので、怒ってみると選手も見る目が変わるかもしれない」と感心し、岩政も「熱を感じて選手がもう一回やろうかとなる」と賛同していた。

そして、番組では過去の放送回からゲストたちの提言を紹介。「魅力的な日本サッカーを取り戻すための提言集」と題し、元日本代表選手や指導者たちの言葉から、日本代表が強くなるためのヒントを探っていった。

吉田麻也は、日本代表のセンターバックには“強さ”が足りないと指摘。「どうしてもヨーロッパの選手と対峙するときに、弱さが出てしまう。ふんばりきれないところが出てしまう」と話す。中田英寿は「ただゴールを決めるだけではつまらない」と切り出し、「自分ならではのエッセンスがないと、自分がやっている意味がない気がしますね」と語った。

本田圭佑は自身の経験を踏まえながら、「日本自体はすでに世界と戦えているという認識は持っているんですけど、戦えているのと勝ちに行くのは大きく違う。自身の現役を通じて痛感させられたところ」と打ち明ける。

さらに、日本代表の監督を務めたジーコは「日本人は技術とセンスは高いものがある」としながらも、「1点取られるとまるで違うチームになる。この問題を改善しないと勝ち抜けない」と警告。岡田武史も「サッカーというのはボールを蹴る競技なんですよね。ところが日本でうまいと言われるのは、ボール扱いやフェイントで、キックを評価しない。ボールを蹴るということに対する価値観をもうちょっと日本は上げていかないと」と、苦言を呈していた。

番組の最後には、勝村が「僕らは永遠にサッカーを愛している。チームが負けても勝っても応援するっていう、こっち側の気持ちがちゃんとしていれば、おのずと代表の結果もついてくるんじゃないかな」と訴え、玉田も「素晴らしいと思います。どんなときでも日本代表を応援する気持ちは変わらないと思うんです。日本代表を強くするための議論であってほしいなと思います。どんなときも」と締めくくった。

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