五輪を目指す15歳のプロスノーボーダー・森井姫明麗の母が“子育て術”を語る!

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11月20日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20~)では、15歳のプロスノーボーダー・森井姫明麗(もりい・きあら)と、母親の季明香(きみか)さんが出演。子どもの才能を開花させる森井家の独自ルールに迫った。

スケートボードの西矢椛やサーフィンの都筑有夢路のように、新世代の躍進が目立った東京オリンピック。サッカー界でもユース年代で海外に移籍する選手が増えており、若いアスリートの台頭が注目を集める中、2022年2月に開催される冬季北京オリンピックでも、10代の選手の活躍が期待されている。その中の一人である姫明麗は、全日本スノーボード選手権で史上最年少の2冠を達成したスノーボード界の新星。2冠達成をきっかけにプロに転向し、現在はオリンピック出場を目指している。

姫明麗の種目は、障害物やジャンプ台などが配置されたコースを滑るスロープスタイルと、空中での技を競い合うビッグエアの2つ。ビックエアでは、ボードの正面から跳び横に3回転する大技の“フロントサイド1080”を武器に、これまで目覚ましい活躍を見せてきた。

また、姫明麗の兄である19歳の海琉樹(みるき)も同じく注目のプロのスノーボーダー。さらに姉で18歳の月姫明(るきあ)はプロヒップホップダンサーと、森井家は4兄妹のうち3人がプロとして活躍しているプロ一家だ。リモートで出演した季明香さんは、姫明麗の弟で9歳の海琉夢(あらむ)もゲーマーを目指していると告白。解説の福田正博は「いまどきですね!」と驚き、MCの勝村政信は「eスポーツでもいけるかもしれない」と、ゲームのプロになる可能性を指摘した。

番組では、そんな森井家の1日に密着。早朝5時半、駐車場に停めた車の中から出てきた季明香さんは「だいたい週末は立山(富山県)に来ています」と話す。プロスノーボーダーである姫明麗と海琉樹の練習のため、自宅のある名古屋からスノーボードの屋外練習場がある立山まで、季明香さんが車を運転し、6時間かけてやって来るのだとか。移動費を少しでも浮かすため、高速は使わずに下道を利用。宿泊費を節約するため、フルフラットに改造した車で寝泊まりをしているという。

朝の8時になると、その日の練習がスタート。姫明麗と海琉樹の2人は、ジャンプの練習のため、夜の8時まで飛びっぱなし。その間、季明香さんも2人の練習風景をカメラに収めたり、食事の用意をしたりと、忙しくサポートに動いていた。この日の食事は、持参した炊飯器で炊いたご飯と、レトルトのさばの味噌煮。手間を省いたシンプルなワンプレートかと思いきや、しっかりと栄養士のアドバイスを受けたメニューだという。季明香さんも「身体が資本だとよく言われるじゃないですか。私も無理せずできる料理を教えてもらったほうが、効率がいい」と語る。

さらに、食事を済ませた姫明麗は、練習の合間を縫って勉強に集中。“文武両道”は森井家のルールの一つで、中京大学に一般受験で合格した兄の海琉樹も「学校の宿題など、やるべきことを疎かにしちゃうと、スノーボードやダンスをやらせてもらえない。その部分でいうと、結構厳しいのかな」と振り返った。

そんな海琉樹は、姫明麗にとって兄でありスノーボードの先輩でもある。失敗が続いていても、海琉樹からのアドバイスを受けて、姫明麗は調子を取り戻していった。家族だからこそ本気でぶつかり合い、話し合いながら上達していく。高難度の“フロントサイド1080”を連続して成功させた姫明麗は「お兄ちゃんに言われていたことをできていると思っていたんですけど、ちゃんと比較してみたらできていないことが多くて。それを意識しすぎるくらい意識したら、できるようになりました」と明かす。

どんな小さな悩みにも家族みんなで向き合い、解決していくのが“森井家流”。そんな家族の問題を乗り越えるために毎月欠かさずに行っているのがパーティだという。姫明麗は「うちは家族が多くて、6人家族なんですよ。それプラス、ワンちゃんと一緒に暮らしていて、毎月ごとに誕生日が回ってくるんですよね。誕生日以外にも父の日とか、母の日とか、子供の日とか、バレンタインとか。本当に毎月パーティです」と言い、季明香さんも家族がなかなか一緒にいられる時間がないからこそ、定期的なパーティを行うことが子供たちの心のケアになっていると説明する。

また、理容師として夫と共に自宅で理髪店を営む季明香さんは、できるだけ子供たちに仕事をしている姿を見せるように心がけていたそうで、「“こんにちは”だったり、“いらっしゃいませ”が言える子に育ってほしいなという思いはありました」と心境を語った。

10代でプロになったこともあり、大人と接する機会の多い森井家の子供たち。季明香さんは「年齢が低いと、スポンサーなど周りの方たちは“何も考えずにのびのび自由にやればいいよ”と、優しい言葉をかけてくださるんですよね。それは本当にありがたいことなんです。でも、サポートしていただいている以上は、プロとしてしっかりやらないといけないっていうプレッシャーは、私はかけます」と主張した。

プロ意識を子どもたちに持たせるという季明香さんの教育方針には、スタジオの福田も賛同。「プロの選手として正しいことだと僕は思うし、一番近くにいる人が伝えてあげて、気が付かせてあげるのは非常にいい関係性だなと思いますね」と感心した。そして最後は、姫明麗が季明香さんにメッセージを送る。

姫明麗は「1年を通して、練習するために睡眠時間を削って運転してくれたり、栄養バランスを考えた食事を朝昼晩毎回用意してくれたりして、支えてくれて、感謝しかないです」と伝えた上で、「オリンピックで金メダル候補と呼ばれるような実力をつけて、スケートボードとかサーフィンみたいに、スノーボードでも日本で盛り上がるようにしていきたいなって思っています」と意気込んだ。

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