オランダの大都市ロッテルダムの隣に位置するスキーダム。ニシンをはじめとした魚が豊富に水揚げされる港町です。

この地で日本人の斎藤さんが営むラーメン店「Yokohama Ramen Saito」が、“行列のできる人気店”となっています。
オランダの地で受け入れられたのには、一体どのような工夫があったのでしょうか?

工夫① 港町発のこってり味を、オランダの港町へ

実は今、ヨーロッパではあっさり系の豚骨ラーメンが人気だといいます。

対して斎藤さんのラーメンは、出身地である横浜の名物「家系ラーメン」。超濃厚な豚骨醤油スープに、歯ごたえのある中太麺を合わせた、横浜発祥のラーメンです。

斎藤さんのラーメン斎藤さんのラーメン

どちらかといえば体を使う仕事に従事する人々に、こってり味が好まれると考えた斎藤さんは、横浜の味を同じ港町のスキーダムに届けようと決めました。

工夫② 小麦粉の仕入れ先は…風車!?

ラーメンに使う食材の現地調達にこだわった斎藤さん。大切な中太麺に合う粉を探し求めて見つけたのが、日本では高価で出回らない“風車で挽いた小麦粉”です。オランダの伝統的な風車と水車の文化は世界遺産にも登録され、スキーダムにも風車が多く見られます。

スキーダムは風車の街スキーダムは風車の街

風車で挽いた粉は石臼でゆっくり挽くので風味がしっかり残り、小麦粉本来の甘みが引き出されるのが特徴。中華麺にもぴったりの粉だといいます。

斎藤さんは元々製麺所で働いていた経験をいかし、4種類の小麦粉を独自の配合でブレンド。試行錯誤しながら、家系ラーメンに合うモチモチの中太麺を完成させました。

モチモチの自家製、中太麺モチモチの自家製、中太麺

 

工夫③ 宗教や文化の違いにも対応

スキーダムには、イスラム系の人々など移民が多数暮らしています。斎藤さんは、文化や宗教の違うお客さんのさまざまな要望に対応し、家系ラーメンの幅を広げました。
宗教上、豚を口にすることができないお客さんのために鶏ガラを、ベジタリアンのためには野菜を使ったスープを用意しています。

さまざまな要望に応えたスープさまざまな要望に応えたスープ

また、「豚が触れた食器を使いたくない」というお客さんには、テイクアウト用の容器と割りばしで提供しています。

ラーメンの持つ“魔力”を信じて…

オランダのラーメンの価格は平均一杯12~14ユーロ(約1,500~1,750円)ですが、斎藤さんのお店では9ユーロ(約1,130円)ほど。この値段は、オランダのランチで使われる平均的な価格です。(※レートは2020年8月時点のもの)
気軽に食べられるのがラーメンの魅力という思いから価格を決めた斎藤さんは、「ラーメンで育ってきた自分にとって、海外のラーメンが日本のラーメンじゃない、
高級な食べ物”になるのは違和感が強い」と話します。

斎藤さん斎藤さん

自身のラーメンが思った以上に受け入れられたことを「とても驚いていますし、嬉しいですね」「ラーメンが持っている“魔力みたいなもの”を確信していて、はやらないわけがないと信じてきた」などと語ります。

その土地に合わせた真摯な努力を続けたことで、オランダの人々に受け入れられた斎藤さんのラーメン。お店は現在(※2020年8月放送時)、新型コロナウイルスの感染対策で席数を半分におさえ、完全予約制で営業していますが、人気を保ち続けています。


9/13放送の「BACKSTAGE」

CBCテレビ:BACKSTAGE(バックステージ)

日曜よる11:30~

 

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