真柴くるみ(川口春奈)

川口春奈演じる真柴くるみと、横浜流星演じる藤野駿がシェアハウスで暮らすというドキドキの展開に“うちキュン”する一方で、回を追うごとに人として輝いていく真柴の姿にも心ときめく『着飾る恋には理由があって』(TBS系、毎週火曜22:00~)。今回は、Instagramのフォロワー数19万人を誇るインフルエンサーでアパレル業界に携わる金山大成さんにお話を伺いつつ、真柴と『着飾る恋』の魅力を紐解いていきたい。

実は『着飾る恋』第1話に、インフルエンサー役で出演もしている金山さん。ドラマ出演について尋ねると、「緊張しましたし、放送後には親からも連絡がきて、テレビってすごいなと(笑)。それに川口さんの透明感が高すぎて、背景まで透けてるかと思いました」とお茶目に語ってくれた。

金山大成さん
金山大成さん

インテリアメーカー「el Arco Iris」の広報部に所属する真柴は、プレスリリースの作成やメディア対応といった通常業務に加え、インフルエンサーとしてのPR活動にも労力を惜しまない。何をするにもスマホで写真撮影は欠かさず、会社公式とプライベートという2つのアカウントを駆使。そうして着飾ったインフルエンサー・mameshibashibaの“表の姿”だけでなく、“裏の姿”も描かれる本作は、我々の目に新鮮に映る。

金山さんにドラマの率直な感想を聞くと、「みんながSNSを使える時代だからこそ、自分に置き換えてストーリーにグッと入っちゃう。まさに現代を描いているところが面白いなと思います」といい、今作で描かれるインフルエンサーの生活に関しては「あれがリアルです」とも。イベント前日に、これまでSNSで発信していないコーディネートをするために頭を悩ませる姿も、タイマーをセットしてSNSを更新する姿も、離れて暮らす家族が自身の状況をSNSでチェックしていることも、すべてが“あるある”だという。

真柴にとって、インフルエンサーとしての大きな山場が訪れたのは第2話。葉山祥吾(向井理)の社長退任により、SNS全面停止の状況に立たされたことで、SNSを「本当にやりたいのか」それとも「無理をしていたのか」と葛藤するのだ。そういった経験は金山さんにもあるといい、「4、5回ありますけど、一番大きな壁は去年(2020年)の1月にパリコレに行ったことがきっかけ」と述懐。憧れの場所に降り立ったことで満足してしまい、「SNSで発信している意味がわからなくなっちゃって」と、苦悩の日々を振り返る。

帰国後、自身の持ち味だった“写真への文字入れ”をやめたことで、金山さんのフォロワー数は激減。そんな中、投稿を待つフォロワーの声に自分が求められていることを実感し、自分自身も「発信すること、誰かにギブすることが好きだったんだ」と心をリセット。そこから、SNSとの向き合い方も大きく変化したという。同じく真柴も、自分が「好きでやっていたんだ」と気づいたことで、SNSに対する使命感を捨て、好きな時に、いいなぁと思ったもの、みんなに見せたいと思ったものを届ける更新へと切り替える。そうして真柴は、より温かみのある、イキイキとしたインフルエンサーへと生まれ変わるのだった。

劇中では、駿の「好きなようにすればいい」という言葉を機に前を向く真柴だったが、彼女がフォロワーを思いやったり、コメントからパワーをもらったりする描写は、随所に登場する。第6話で葉山が発した「(真柴にも)10万人以上のフォロワーがいて、世界中とつながっている。そういう力があるってこと、忘れるなよ」との台詞も印象的であったが、インフルエンサーにとって、フォロワーとは一体どんな存在なのか。

昨年、自身のファッションブランド「SUBLATIONS」を立ち上げ、新たな一歩を踏み出した金山さんは、「フォロワーがいなかったら、ブランドをやろうとは思っていない」と力を込める。フォロワーの数は、自分が積み重ねてきたことの自信にもなるといい、「自分自身の付加価値も大事だけど、フォロワーさんはやっぱり大切」と語る視線に、かけがえないエネルギーを抱える強さを垣間見た気がして、羨ましさすら覚えた。

一方で「幸せな時間」を尋ねると、「僕ひとりでは何もできないので、一緒に仕事をしている仲間たちの笑顔を見たときです」とにっこり。インフルエンサーと聞くと“スマホの中で、たくさんの人とつながっている”というイメージが先行してしまうが、金山さんの言葉に、目の前にいる人とのつながりが、人生を豊かなものにしてくれるのだと、現代社会において忘れがちなことに気付かされる。そしてそれは、価値観の違うシェアハウスメンバーと出会い、互いの個性を受け入れたことで、そのキャンバスがのびのびと色づいていった真柴もまた、同様といえるだろう。

そんな真柴について、初回から現在に至るまで、一貫して感じる魅力は“一生懸命”さ。スウェットで過ごす“ビフォー真柴”がいるからこそ、外で着飾る“アフター真柴”とのギャップに、彼女の頑張りが際立ち、これこそが真柴に惹かれる大きな理由のひとつとなっている。ドラマの制作発表時、川口は「ただ着飾って、意味もなく自分を取り繕っているだけには見られたくない」とコメント。実際、ドラマに感情移入すればするほど、真柴にとって“着飾ること”は、自分を奮い立たせる戦闘服のようにも見えてくる。

「ファッションは、少しでも自分をかわいく、かっこよく、強く見せるための鎧。アクセサリーもそうですけど、着飾って自分を魅力的に見せるというか。ジャケットを着ると気合が入るのと一緒で、それを着ることによって自分にスイッチが入る。好きな服を着たときに、“今日は仕事が頑張れそうだな”とモチベーションにもなると思います。“着飾る”ってマイナスの言葉に聞こえるけど、プラスの要素も絶対にありますよね」と金山さん。『着飾る恋』では、そうして自分を勇気づけ、外で戦っている真柴の姿が丁寧に描かれているからこそ、人間ドラマとしての側面にも胸が熱くなるのだと腑に落ちる。

最後に、金山さんに真柴に期待することを聞くと、「インフルエンサーを続けて、夢を与えるだけじゃなくて、これからもリアルを伝えてほしいですね。僕も、『なんで高い服ばっかり買えるんですか?』とか言われるけど、それはちゃんと努力してるからだよっていうのも、ドラマを見て知ってほしいです(笑)」と本音も。今回、金山さんにインフルエンサーのリアルを伺ったことで、真柴がますます身近で、応援したくなる存在に。真柴と駿の恋の結末のみならず、インフルエンサーとしての真柴の今後にも、注目していきたい。
(文・nakamura omame)

<金山大成 プロフィール>

1994年生まれ。アパレル業界での経験を経て2020年に独立。現在、自身のファッションブランド「SUBLATIONS」、ジュエリーブランド「h’eres」、さらに映像の可能性を追求するクリエイター集団「Plan β」でディレクターを務めている。Instagramでは、ファッションやラフスタイルなどについて投稿している。

セットアップ:SUBLATIONS/Tシャツ:MARNI/アクセサリー全て:h'eres/シューズ:New Balance
セットアップ:SUBLATIONS/Tシャツ:MARNI/アクセサリー全て:h'eres/シューズ:New Balance

<第9話あらすじ>
真柴(川口)と駿(横浜)二人で出掛けるはずだったレストランデートだったが、駿は仕事で時間に間に合わず、真柴は祥吾(向井)とレストランへ行くことに。一方の駿は、真柴を追いかけたものの、真柴と祥吾の二人を見て、なぜか追いかけられず途方に暮れていた。

そんな中、真柴は自分がSNSに投稿したバッグのデザイナーに、盗作の疑いがある事件が発生。盗作に加担したなどと、心ないコメントが増えはじめ、インフルエンサーとしての活動が脅かされる。

さらに、駿のもとに北海道で店を任せたいというスポンサーが現れ駿の心は揺れ動く。真柴と駿、挫折を味わいながらも、諦めきれないそれぞれの夢に向かうのだが……。

この記事のライター

nakamura omame

制作会社、WEBサイト編集部、長めの専業主婦期を経てフリーライターに。仕事のモットーは“誰も傷つけない、愛のある原稿に仕上げること”。保育士資格を所有するも、自身の生活にはまったく活かせていない2児の母。滞りなく“テレビっ子”になりつつある小学生の息子たちとともに、日々成長中。

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