長瀬智也“マコト”、窪塚洋介“キング”…語っても語り尽くせない俺たち私たちの『池袋ウエストゲートパーク』

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2000年、10~20代の若者を虜にした金曜ドラマが放送をスタート。TOKIO長瀬智也が主演した、石田衣良原作の『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)だが、民放公式テレビポータルサイト「TVer(ティーバー)」にて配信がスタートした。

東京・池袋西口公園(IWGP)を舞台に、主人公のマコト(長瀬)が様々な事件に巻き込まれ、型破りな方法で解決に導いていく。長瀬のほかにも、友人のマサ(佐藤隆太)、彼に思いを寄せるヒカル(加藤あい)、カラーギャング「G-Boys」の“キング”ことタカシ(窪塚洋介)など、超豪華なキャストが魅力あるキャラクターを演じている。さらに、連続ドラマデビューとなる宮藤官九郎の脚本、巨匠・堤幸彦らの演出も相まって、大ヒットとなった。宮藤と長瀬はこのドラマをきっかけに、多くの作品でタッグを組むことに。1月22日から放送されるドラマ『俺の家の話』(TBS系、毎週金曜22:00~)もそのひとつである。

放送当時はまだ携帯電話が普及して間もない頃で、インターネットもいまほど発達しているわけではなかった時代。もちろん、すでに社会人だった人や東京に住む学生もドラマの世界にどっぷり浸かっていただろうが、特に田舎に住む中学生や高校生は、テレビや雑誌などでしか知ることのなかった“東京”へのイメージが不透明な分、本作で登場するリアルな街並みや空気感に、強烈なインパクトを受けていたことだろう。情報が少ないからこそ、ドラマの世界にある池袋が“池袋のすべて”だとイメージしてしまうことも……。

本作が発する魅力を全身に浴びたこともあり、同級生の中には、マコトの口癖「めんどくせぇ」を多用し、携帯の着信音をマコトと同じ「BORN TO BE WILD」に変えていた人もいた。中には、カラーギャングという“何だか分からないけどカッコいいグループ”に憧れを抱いていた人も。また、キングの喋り方を真似する人がいて、友だちのマコトくんは、彼と同じイントネーションで「まこっちゃ~ん」呼ばわりされていたっけ……。

そんな視聴者に影響を与えた名作が現在、「TVer」で視聴可能だ。先日、配信が決定したと発表された際には、当時熱中していた視聴者、DVDでハマった人たちなどがこぞってツイートし、Twitterにもトレンド入りを果たした。

このドラマの不思議な点は、勉強、部活、友だち関係、恋愛、早く大人になりたかった鬱屈した気持ちなど、誰しもが感じた思春期真っ只中の景色を蘇らせてくれるところにある。

あの頃を一生懸命生きていた人たち、そして、いまの10~20代、初見の人にもおすすめしたい『池袋ウエストゲートパーク』。本作を見終えたあなたはこう叫びたくなるはず。「ブクロ最高ー!」と。

(文・浜瀬将樹)

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