橋田壽賀子、今年に入って2回入院していた…『渡鬼』執筆の苦労明かす

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9月16日(月)20時から3時間スペシャルで放送される『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の記者会見が3日、都内で行われ、脚本の橋田壽賀子石井ふく子プロデューサーが登場し、同ドラマへの思いを語った。

本ドラマは1990年にスタートし、連続シリーズが終了した後も単発番組として放送されてきた人気シリーズの最新作。令和最初の放送となる今回は「世代交代」と「新時代」をテーマに「幸楽」の担い手が五月(泉ピン子)と勇(角野卓造)から娘夫婦に移り、店に居場所がないと落ち込む五月が、勇の助言で料理の腕を生かした調理動画をスマートフォンで配信し始めるさまをユーモアたっぷりに、温かいタッチで描く。

60年の付き合いがある橋田と石井は、本シリーズでは30年間変わらずタッグを組み続けて来た。橋田は「2人合わせて200歳近い年齢なんです。嫌になっちゃう。今日も(人前に出て来るのは)やめたかった」と照れくさそうな表情。「こんな長い間、テレビの仕事をさせてもらえて本当に感謝しています。こんな年になると普通は仕事も来ないんですけど、この作品を書かせてもらったことで長く続けることができています。30年前から今まで、1年おきに書いてきて、歳をとるごとに変わっていくものを全部吐き出せた気がします。書かせていただいたことを本当に感謝しております」と嬉しそうに語った。

石井も「おかげさまでこのドラマも30年。橋田先生にもいろいろご協力いただき、ケンカしながらやってきました。先生とのお付き合いも60年。素敵な方と出会ったと思っています」とにっこり。ケンカの内容を問われると、橋田は「ケンカといっても口ゲンカ程度」とコメント。「書きたくないっていったら書けって怒られる。ドラマの中身ではケンカはしない」とささいなことだといい、「私は今年2度入院しましたから、書きたくてもなかなか体がついていかない時もあるんです。ギリギリになってしまって申し訳なかったです」と満身創痍で挑んだ。

また、橋田は「私はこの人のおかげでライターになれた。松竹の養成所にいた時は才能のある人がたくさんいたけど、その後、惜しい才能がたくさん消えていった。私のようないい出会いがなかったんだなって思う」と石井には感謝しきり。

石井は本ドラマについて「昨今はなかなか家族のドラマをやることが少なくなりましたが、私たちは家族のドラマをずっと追いかけて今でもやり続けております」と家族を描くことへのこだわりを紹介。「最近は子供たちも帰ってくると、機械と向かい合うことばかり。一家団欒が皆無に近い感じ。ただいま、おかえりの後が会話が続かない。人と向かい合わずに機械と向かい合っている。このドラマの中では心をどうつないでいくかということに着眼しています。人間という言葉は人と人との間と書くんです。人と人との間には心がある。会話をしながら家族を繋げるような作品にしたい」と本ドラマへの思いを語った。

また、本ドラマで劇団EXILE小野塚勇人大谷玲凪演じる「おかくら」の日向子に思いを寄せる男性役で出演するが、この経緯についても石井は「子役だった日向子ちゃんが23歳になっている。その相手役を色々考えて、年が若い、日向子とカップルでおかしくない人を考えていたら、たまたまHIROさんとお会いして。相談したら、候補が何人かいるからお会いしてみませんかって。会ってみたら小野塚さんは清潔感があって、舞台経験もある。とてもいい青年だったので選びました」と起用理由について明かした。

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