橋田壽賀子『渡鬼』取材会で「これでおしまい」発言!番組Pがすかさず…

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TBS系にて、9月17日(月)の20時から3時間SPで放送される橋田壽賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の取材会が27日、都内で行われ、作家の橋田壽賀子石井ふく子プロデューサーが出席。作品の見所などを語った。

1990年にスタートし、2011年に1年間の連続シリーズが終了した後も単発ドラマとして放送されてきた本作。今作では、長女夫婦の誠(村田雄浩)と愛(吉村涼)が中心となって「幸楽」を切り盛りする中、勇(角野卓造)が怪我をしたために五月(泉ピン子)も一緒に店を休むことになるという展開に……。勇がリハビリをする間、眞・貴子(清水由紀)の家に住まわせてもらおうと五月は期待するが、勇・五月夫婦と眞・貴子夫婦の思惑は次第にずれていくなど、高齢の親を抱える家族の問題にスポットが当てられる。

取材会で、橋田は年齢を気にしてか、「2人(橋田と石井)とも90歳を超えているんです。こんな会見あります?」と照れ笑いでコメント。石井も「橋田さんとは50年目。皆さんが生まれる前からお付き合いがあるんですよ」と嬉しそうに続けたが、揃って高齢であることをユーモアたっぷりに話す一幕も。橋田は現在93歳だが、作品作りについて聞かれると「創作意欲はありません」ときっぱり。「(時代として)平成を書かせてもらえたのは、いい時代を書かせてもらえたなって思います。でも、もうわたしは若者の感覚がないので、これでおしまいだと思います」とコメント。「年寄りの話しか書けない。平成と共に去っていくという……」と悲観的に語ると、石井が即座に「それはありません」と一蹴り。

また、今回で510回目の放送となるが、橋田は「昔と今ではもう幸せの考え方が違う。30年前は姑さんが力を持っていましたけど今は力がない。姑さんも悲しい時代になりましたね」と述べ、「介護の問題もありますし、親の面倒見るために会社を辞める人がいて、親が死んだらやることなくなっちゃうなんて、そんな時代になりました。世の中かわいそうな中高年がたくさんいるんです」と家族が抱える高齢者の在宅医療の問題などをテーマにしたことを紹介。「わたし自身看病される側になったら安楽死させてほしいなって考えているんです。安楽死がだめなら、せめて尊厳死をしたいなって。この頃はそんなことばかり考えています」としみじみ。

撮影は24日に終えたといい、石井プロデューサーも「夫婦をテーマに今回のスタッフも皆さんやキャストの皆さんがとっても協力してくださいまして温かいドラマになったと思います」と手ごたえたっぷりの様子。「今、家族のドラマが少なくなっておりますので、それを時代と共に変化した今の家族の皆さんに見ていただきたいです」とアピールした。

「人に向き合う形が世の中で少なくなっている。人間というのは人と人との間の心だと思うんです」と石井。「相手と向かい合うということが最近なくなって、部屋にこもって機械と向き合っている形が多い。なるべく喧嘩してもいいから喋るってことをしたほうがいいんじゃないかって思うんです」と今の時代の家族のコミュニケーションの在り方にも警笛。「わたし自身、これからも心のあるドラマを作っていきたいです」と話していた。

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