河相我聞「緊張した」長男・沙羅と初の親子共演『はぐれ署長の殺人急行3』

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恵俊彰主演の月曜名作劇場『はぐれ署長の殺人急行3』(TBS系)が、1月22日(月)20時より放送。河相我聞が事件のカギを握る重要人物役で出演するが、その青年期を我聞の長男・河相沙羅が演じることがわかった。2人にとって、今回が初の親子共演となる。

本作は、昨年12月、今年6月に放送され、好評を呼んだ『はぐれ署長の殺人急行』シリーズの第3弾。警察庁所属の警視長階級のスーパーエリートだったが、ある理由から左遷され、地方の警察署の署長を転々とすることになった北斗鉄太郎(恵)は、エリート街道から外されるも、各地の鉄道に乗ることを喜んでいるという変わり者の鉄道オタク。現場に出る刑事に憧れており、管内で起こった殺人事件を署長らしからぬ行動力と洞察力、そして趣味を活かした鉄道の知識で紐解いていく。

伊豆修善寺署が舞台となる今回も、シリーズ第2弾で『サラリーマン金太郎』以来13年ぶりの共演となった秩父東署刑事・大和公三役の勝村政信との“はぐれ署長とはぐれ刑事”コンビは健在。同じく第2弾に出演していた刑事・市毛明日香役の中山忍も加え、3人のチームワークで、修善寺と秩父にまたがった事件を追っていく。

河相親子が演じる下山浩介は、過去に凶悪事件を起こした少年Aで、鉄太郎が追う二つの殺人事件にも関与しているのではないかと疑われる役どころだ。シングルファーザーとして2人の息子との暮らしをつづったブログが人気の我聞。「自分が本当に何をしたいか考えたい」と言って、演じる側を少し離れていた沙羅について「このお話をいただいて(沙羅は)やるかなと思ったのですが、意外にもいいよと、サラッと返ってきました」とコメント。

ブログではつかず離れずの程よい親子関係のように見えるが、今回の沙羅との“親子リレー”ではやはり緊張したようで、沙羅の撮影現場をこっそり覗いたり、一緒の待ち時間ではぎこちなくなったりしてしまったという。「撮影が始まるまでは何とも思わなかったのですが、いざ現場に入ると僕がドキドキしちゃって。息子が撮影しているところを見たくなって、現場の後ろからこっそり覗いていました(笑)。見守るというよりは、何か気になるんです。これまでは息子が出演した作品をわざわざ見たり、現場に行ったりしたことはありませんでした。基本的には本人の人生ですし、任せようと思ってきたはずなんですけど。今回は、同じ現場で同じ役を演じるせいなのか緊張しましたね。家では普通にしゃべってるのに、現場ではぎこちなくて、一緒にいても何をしゃべっていいのか分からなくなりました(笑)」と親心を覗かせる。

しかし、当の沙羅は「このお話を聞いた時は、一度役者を離れてしまっている時期だったのですが、悩むことなく10秒くらいでやりますとお返事しました。作品としてもリアルですし面白そうだと思ったので。不安はありましたけど、父親の青年期役が出来るのは僕しかいないと(笑)。撮影現場では、普段家にいるのとそんなに変わらなかったです。お芝居に関しては、父は何も言わないので。でも一緒に出る立場になると新鮮な感じもしました」とサラリとコメント。

役作りについては「下山浩介という役は父が演じるものが基本になるので、僕はそのサブとして演じるつもりでいました。ですから、普段の生活の中で役作りをしている父をずっと見ていました。クランクイン前には父と喫茶店でどういう役なんだろうと話し合って。“僕はこういう感じでいる”と父から聞いたので、“僕もそういう感じで演じるよ”と会話をしました。実際に撮影してみると、改めて大変だし難しい仕事だなと思いました。“うまくやろう”とかじゃなくて“下手でもいいから一生懸命やろう”と思って参加させていただきました。役者の仕事から離れて1年くらいブランクがあったので、なかなかつかめない部分もありました」と苦労を明かした。

そんな長男の演技について、我聞は「どうでしょう(笑)。よく頑張っていたなという感じですかね(笑)」と断言を避ける。「僕は息子たちの演技を見て一度も褒めたことがないらしいんです。他のことは褒めるけれど、芝居に関しては褒めないみたいなんです。それは、この仕事をすることを個人的には賛成していないからなんじゃないかと。役を掘り下げることは楽しいけれど、決して楽な仕事ではない。職人みたいな言い方をすると、甘い仕事じゃないんだぞと思っているから、頑張ったねというのはあまり言わないですね。息子がこの先も役者を続けるかどうかは本人に任せていますが、役者に関しては手を貸さない、と思っています」と毅然とした態度を見せる。

最後に、沙羅は「役者の仕事から離れていましたが、きっぱり辞めたわけではありません。もともと役者は父の周りの人が声をかけてくれて始めたこと。役者をするうちに、やりたいことが他にも出てきたのでそっちをやってみようと思い、今は脚本を作ったり映像を撮ったりしています。宮藤官九郎さんのような、どっちもできる人になりたいと思います。もし次に父と共演するなら、父を逮捕する役がやりたいです(笑)」とユーモアを交えて語っている。

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