石原さとみ、“強さ”が光る法医解剖学医に!新ドラマ『アンナチュラル』

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女優の石原さとみさんがTBSの連続ドラマ初主演を果たす新ドラマ『アンナチュラル』(毎週金曜22:00~ ※初回は15分拡大)が、1月12日にスタート。大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で脚本を担当した野木亜紀子さんが描くオリジナルストーリーだ。

本作は、日本に新設された死因究明専門のスペシャリストが集まる「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台にした、一話完結の法医学ミステリー。石原さん演じる、日本に百数十名ほどしか登録がない死因究明のスペシャリストである“法医解剖医”の三澄ミコトを中心に、癖のある面々が、UDIラボに連日運び込まれる“不自然な死”(アンナチュラル・デス)の怪しい死体に向かいメスを握る。石原さんのほか、ミコトと共にUDIラボで働く面々にも豪華な顔ぶれが集結。法医解剖医・中堂系役に井浦新さん、記録員・久部六郎役に窪田正孝さん、臨床検査技師・東海林夕子役に市川実日子さん、そして所長・神倉保夫役に松重豊さんが決定。制作には、野木さんのほか、湊かなえ原作ドラマ『リバース』『Nのために』『夜行観覧車』を手がけたプロデューサー・新井順子さん、同じく湊作品のドラマで演出を担当した塚原あゆ子さんといったスタッフ陣が顔を揃えている。

今回は石原さんにインタビューをし、役作りや撮影現場の様子、作品のテーマである生や死について、そして今年の抱負などを伺った。

<インタビュー前編>

――脚本はあてがきだそうですが、読んだ時の感想はいかがでしたか?

ずっとマネージャーさんに、脚本先行の作品に出たいとお願いしていたんです。でも、脚本を頂いた時は、まだミコトのキャラクターが定まっていなくて。ちょうど『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子DX』(2017年・日本テレビ系)の番宣をしているタイミングで、悦子の役柄を引きずっていたままだったので、戸惑った部分もありました。あてがきと言われたときに、自分てどんな人間なんだろうって逆に考えてしまって、本読みのとき「もっと柔らかい、そのままの石原さんでいいんだよ」って言われて、自分の中でミコトを掴むのに時間がかかりましたね。

――ミコトのキャラクターを掴むためにしたことは?

クランクインまでの間に、家族や友人に私の印象を言ってもらいました。その中で、「ここはミコトだろう」という部分をチョイスして膨らませてみようと思って。そして、もう一度本読みをさせてもらったら、塚原さんが「その方向性で」と言ってくださったので、何となく「こんな感じだ」と思いました。

――周囲から聞いたご自身の印象で、特にしっくりきたのは?

「あなたはちゃんと柔らかいよ。強い意志はあるけど、伝える時に理性が働いているから大丈夫だよ」と言ってもらえたことですね。ミコトはきっと思いやりがあって、柔らかくて穏やか。色々な過去がある分強さと悲しさを知っていて、人に寄り添える子だと思っています。自分にも挫折の経験があるので、そこへの寄り添い方はわからなくもない。自分の経験を踏まえて理解できたような気がして、無理せず演じられています。

――ミコトはどんなキャラクターに仕上がりましたか?

優しい人や感情をあまり出さない人ってとても強いと思うんですが、そういう強さを持っている子であってほしいです。怒る時も、言い負かすのではなく、諭せるように言えるとか。思ったまま、それを言葉にしたり、正義を振りかざしたりすることが必ずしも強いわけではなくて、ちょっと誘導してみたり、受け取ってみたり、受け流してみたり。私自身、そういう強さに憧れているのでそう演じています。

――演出面ではどう表現していますか?

ミコトは、ドラマの冒頭で天丼を食べているんです。最初は納豆巻きだったけど変わりました(笑)。海外ドラマではよくあるんですが、冒頭でどういうものか一発でわかる演出が好きなんです。野木さんは、ミコトを「たくましい子だ」とおっしゃっていたそうなんですが、たくましさを表したい時、納豆巻きだとちょっと意識してそうじゃないですか(笑)。それは嫌だなと思って、ガッツリ食べて欲しくて天丼になりました。そのシーンは朝から撮ったのですが、5、6回やったので辛かったのを覚えています(笑)。

――撮影現場の雰囲気はどうですか?

すごく楽しいです。TBSの連ドラは13年ぶりで、スタッフさんも全員ほぼ初対面なので、とても新鮮です。キャストの皆さんは知っている方々ばかりなので、自然体でいられます。塚原さんはずっとそれを求めていて、口癖のように「お芝居しなくていいよ」と私たちに伝えてくださいます。塚原さんともよくお話しさせてもらってからクランクインしたら、自分の中でスッと役に入れるようになったので、今はただ現場に来て“生きる”というだけです。

――役には、石原さんの正義や気持ちも反映されているんでしょうか?

この間も監督さんたちとその話をしていたんですよ。とても難しい話なんですが、こんなに本能的でいられる役はあまりないんです。演技って、どこか理性で考えて組み立てていくことがあるんですが、ミコトは“寝起き”がちょうどいい子。寝て起きてあくびするくらいの感覚で演じる方が楽なんです。もちろんシーンによって頑張る時もありますが。例えば、人のテンションや個性が0から100まであるなら、30から50の間を行ったり来たりする子でありたいと思っています。でも実は、これを維持するのってすごく大変で、ミコトは、そのニュートラルな範囲内で行ったり来たりすることが多いので、上がらないように、また下がらないように気を付けました。

<後編へつづく>

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