カメレオン俳優・中村倫也、ストーカー演技は「やりがいを感じる」

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主演の木村文乃をはじめ、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆といった豪華女優陣が残念すぎる女を演じる連続ドラマ『伊藤くん A to E』(MBS/TBS系ネット)。9月5日(火)25時28分に放送される第4話では、前回に引き続き中村倫也がストーカー男を演じる。

柚木麻子の同名恋愛小説を映像化した同作は、木村と岡田将生のW主演で映画化されることが既に決定している(2018年公開予定)。映画では、容姿端麗だが自意識過剰で無神経、関わる女たちの人生を翻弄する前代未聞の痛男(いたお)・伊藤誠二郎(岡田)と、彼に人生を振り回されるAからDの毒女(どくじょ)4人、そして彼女たちの恋愛相談に腹の奥で毒を吐き、自身の再起をかけた新作ドラマのネタに利用しようとする落ち目のアラサー脚本家・矢崎莉桜(木村)の物語が描かれる。

今回は、志田が出演する「自分の殻に閉じこもる女」の後編。第3話の前編では、志田演じる地味な女・野瀬修子(24歳)が、職場の男・伊藤からストーカーのようにつきまとわれ迷惑している様子が描かれた。修子曰く、伊藤は「見た目はまぁイケメン」「とにかくKYでしつこい」男。莉桜は、自身の周りにいる男を思い出し、後輩の脚本家・クズケンこと久住健太郎(中村)に置き換えて想像を膨らませた。

莉桜の想像上の伊藤を演じ、予測不能なストーカーっぷりと痛すぎる言動がネットで話題となったのが中村だ。時代劇、ファンタジー、コメディ、サスペンスなど、作品ジャンル、演じる役柄を問わず、カメレオン俳優の異名を取る中村は、今年発表されているだけでドラマ7本、映画5本と出演作が相次いでいる若手実力派俳優だ。

昨年7月に放送された人気シリーズ『闇金ウシジマくん Season3』で見せた怪演も記憶に新しく、甘い言葉を女性に囁いては言葉巧みに操り、金品を貢がせるとんでもないDV男・演じた神堂大道役は、強烈なインパクトを残した。

一転、今年1月クールに放送された『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系列)の警察官・刈野助造役では、ムロツヨシとのテンポ感抜群のやりとりがシュールな笑いを誘い、ドラマを語るうえで欠かせないキャラクターとなった。

また、上野樹里と共演するダイワハウスのCMシリーズでは、握力が弱く、ビビりで頼りないけど優しい、ほのぼのする夫を好演。さらには『怒りをこめてふり返れ』の舞台に主演として立つなど、毎年多数の映像作品に出演しながらも、舞台の仕事も欠かさない。どんな作品のいかなるキャラクターも変幻自在に演じ分け、その物語に必ず爪痕を残している。

『伊藤くん A to E』で、自身本来の役柄であるクズケンと、莉桜の妄想の中の伊藤という、全く違ったキャラクターを見事に演じ分けている中村は「莉桜の妄想の中の伊藤を演じる俳優は、2話ごとに変わります。自分が演じた伊藤は子どもで、ナチュラルに夢を見ている。(1、2話で伊藤を演じた)田中圭さんが“俺と中村の演じる伊藤は全く違うだろうね”とおっしゃっていたんですが、伊藤はそういう面白さのある実態のつかめないモンスターのようなキャラクター。(演じる人が)違えば違ったほど面白いと思ったので、僕なりの伊藤を演じました。僕が伊藤になる回は、相手役が志田未来さんなのですが、(僕が伊藤を演じたことによって)リアクションが変わっていった。そこにやりがいを感じながら、演じました」と語る。

また本来の役柄・クズケンについても「掴めないヤツになれば面白いかなと思いながら演じました。辛辣で、悩んでいる人がたくさん出てくる作品なので、クズケンとして出る時は、春一番のような風を吹かせたいと思いました。途中は何だかわからないヤツですが、後半もっと女性に絡んでいくので、印象が変わっていくと思います」とコメントしている。

第4話では、伊藤に散々つきまとわれた修子が、ついにはっきり「嫌い!」と伝える。職場場をクビになったり、同居人のマッキー(山下リオ)と大喧嘩したりと踏んだり蹴ったりの修子に、伊藤はさらに予測不能な言動を繰り返す。果たして、修子は、伊藤にどう立ち向かうのか。

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