中井貴一、現代とルネサンスを重ね「自由が必要」と訴える

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中井貴一が欧州4か国8都市を舞台に「ルネサンスとは何か」に迫っていくドキュメンタリー番組『中井貴一ヨーロッパ大紀行Ⅱ 世界を創った天才たちの素顔 ダ・ヴィンチvsミケランジェロ』(BS-TBS)が、6月13日、20日の2週にわたってそれぞれ21時より放送される。

昨年放送された番組の第1弾でも、天才レオナルド・ダ・ヴィンチの謎に迫るべく、欧州を旅した中井。今回のテーマは、彫刻芸術の最高峰「ダヴィデ像」を手掛け、ダ・ヴィンチのライバルとも言われているミケランジェロ・ブオナローティと、天才の中の天才たちが競うように芸術を生み出した時代、ルネサンスだ。

第1夜となる13日は、「究極のルネサンスへの誘い!芸術家たち夢の競演」と題し、今から500年前の半世紀ほどの短い期間、なぜ人類の至宝とも言える芸術が立て続けに生まれたのかを解き明かす。絵画に革命を巻き起こした「ヴィーナスの誕生」、世界一の名画「モナ・リザ」、彫刻芸術の頂点にそびえ立つ「ダヴィデ」……、天才の中の天才たちが競うように芸術を生み出した時代、“ルネサンス”とは何だったのかに迫る。

15泊17日で欧州をめぐった中井は「イタリアに行ったというと、良いなと必ず言われるけど、そんなロケではなかったです(笑)。ものすごく大変でした」と苦笑。「毎朝5時に起きて、なるべく人のいない時間帯を狙い動く。滅多にカメラが入れないところに入れて頂きました」と苦労を明かす。また、「ルネサンスは、自由な変人が認められた時代ですよね。今の日本に必要なんじゃないか、と思ったのが旅の理由。500年前を通し、自分たちに必要なものが少しでも伝わればと思っていろんなところを歩いた」と思い入れを語った。

さらに、この時代のキーワードにもなっている「自由」について触れ、現代について「個人情報の保護と言いながら、どんどんそれが外に流れていって、実はプライバシーがどんどんなくなっている。規律がどんどん厳しくなっていると思う。もっと自由で新しい発想が今の時代に生まれてこないと、どんどん同じ方向に流れされていってしまう。自由がありそうでない今の社会にとって、もっと自由が必要」と説き、「今の時代って、枠からはみ出すことが下劣なことにしか行かない。上の方にはみ出していく何かが生まれればいいかな」と持論を展開した。

さらに、自身が身を置く芸能界については「閉塞感は強いですね。自分たちは嘘をやっているけど、昔は見ている人たちが“これは嘘だよ”と言ってくれていた。でも、いつの間にか現実を重ねることが多くなりすぎた。もっと嘘を楽しんでくれれば良いのに」と零す。「昔は絶対芸能人なんてなっちゃいけないと言われていたほどヤクザな商売だったけど、いつの間にか市民権を得てしまった。異常な市民権を得てしまうと、束縛しかなくなっちゃいますね。そういう閉塞感がある。もっと嘘を楽しんで下さいよ」と熱弁していた。

また、20日放送の第2夜は「ヴァチカン独占撮影!ミケランジェロの真髄に迫る」と題し、ミケランジェロが生涯で4つ作った“ピエタ(キリストの亡き骸を抱く聖母マリア像)”と、彼の生涯を辿る。

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