新垣結衣「橋田賞」受賞『逃げ恥』で見せた確かな演技力が決め手に

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橋田壽賀子が理事を務める一般財団法人橋田文化財団が主催する「第25回橋田賞」および「平成28年度 橋田賞新人脚本賞」が決定し、大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)で主演を務めた新垣結衣が橋田賞を受賞したことがわかった。

「橋田賞」は、日本人の心や人と人とのふれあいを温かくとりあげてきた番組と人に対して贈られる。橋田文化財団は、第1回選考委員会を平成29年1月14日に開催し、各テレビ局、モニター、橋田文化財団選考委員の推薦作品及び人を対象に検討を加え、受賞対象の絞込みを実施。続いて、2月18日に第2回選考委員会を開催し、以下のとおり橋田賞9件の候補を選出、その結果を3月27日に開催された橋田文化財団理事会に報告し承認されたため、発表の運びとなった。

新垣の受賞は、同ドラマで見せた演技に対してのもの。現代女性が抱える悩みを、時にはコミカルに、時には切なく、確かな演技力で表現し、視聴者の共感を呼んだことがその理由となっている。新垣のほか、船越英一郎も橋田賞を、高畑充希が橋田賞新人賞を受賞している。

また「平成28年度 橋田賞新人脚本賞」では、応募作品総数128篇の中から、日本脚本家連盟所属の作家陣による第一次審査を10篇が通過。同財団選考委員による二次審査および平成29年2月18日開催の当財団選考委員会において最終選考を行い、入選作1篇、佳作1篇を選出した。

各賞の受賞作、受賞者は以下の通り。

■第25回橋田賞

<橋田賞大賞>
該当なし

<橋田賞>
土曜ドラマ『夏目漱石の妻』(NHK)
平成28年9月24日~10月15日放送
夏目漱石の妻・鏡子が夫婦について語った「漱石の思い出」を原案に、漱石の資料と作品を参考にして、波瀾万丈の夫婦のリアルな姿を生き生きとユーモアを交えて描いた。丁寧かつ真摯な番組作りの姿勢も高い評価を得た。

『ふつうが一番~作家・藤沢周平 父の一言~』(TBS)
平成28年7月4日放送
藤沢周平と娘、そして再婚した妻の家族愛と小説家への夢を追い続ける姿を娘の目線でとらえた温かくヒューマンな物語を、奇をてらうことなくドラマの基本に忠実に制作した。

『人生フルーツ』(東海テレビ)
平成28年3月20日放送
戦後日本の“ニュータウン”を作り続けてきた90歳の建築家と87歳の妻の自然とともに穏やかに生きる姿を静かにありのままに見つめたドキュメンタリー。夫妻とスタッフの間に生まれた温もりがしみじみと伝わる秀作。

NHKこども幼児番組(NHK)
『おかあさんといっしょ』『ピタゴラスイッチ』ほか、長年に亘り、子どもたちの興味と好奇心に応え、さまざまな感じ方・考え方があることの豊かさ、楽しさを味わってもらう番組を制作。

船越英一郎(俳優)
2時間ドラマのシリーズものや単発ドラマで、こつこつと真面目に役柄に取り組み、確固たる地位を築いている。

新垣結衣(俳優)
今年度の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)での演技に対して。現代女性が抱える悩みを、時にはコミカルに、時には切なく、確かな演技力で表現し、視聴者の共感を呼んだ。

<橋田賞新人賞>
高畑充希(俳優)
今年度の『とと姉ちゃん』(NHK)での演技に対して。「当たり前の暮らしがいかに大切か」という教えを胸に、激動の昭和を駆け抜けていくヒロインを、卓越した演技力で演じ切り、現代の多くの女性たちの共感を得た。

<橋田賞特別賞>
中村吉右衛門(俳優)
28年の長きにわたり、150本に及ぶ「鬼平犯科帳」(フジテレビ)において、硬軟併せ持つ人情味あふれる鬼平を魅力的に演じてこられた功績に対して。

吉永春子(故人・ドキュメンタリスト)
『魔の731部隊』(TBS)をはじめ、非常に幅広いテーマに取り組み社会派のドキュメンタリーを制作し、常に「テレビ報道」のあり方を問い続けてこられた功績に対して。2016年11月4日没。

■平成28年度 橋田賞新人脚本賞
<入選作>  
『夏の通り雨』開真理(35歳・東京都小平市)

<佳作> 
『今日はごみの日』花田麻衣子(35歳・埼玉県所沢市)

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