石井ふく子、橋田壽賀子との50年は「宝物」ドラマ『渡鬼』二夜連続放送

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国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系列)が1年半ぶりに復活し、9月18日(日)、19日(月・祝)とそれそれ21時より二夜連続で放送。1日に都内で会見が行われ、脚本の橋田壽賀子とプロデューサーの石井ふく子が出席した。

今回は、中料理店「幸楽」を40年以上も切り盛りしてきた五月(泉ピン子)が、店舗の改装を機に孤立。「改装のため1ヶ月間休業する」という大事な話を事後報告され立腹、娘の愛(吉村涼)に絶縁宣言するも、「みんなから嫌われていることがわかっていない」と言い返され、大きなショックを受けてしまう。

これまでで最長となる1年半の充電期間を経て、今作を書き上げた橋田。休養中は、『おみやさん』、『はぐれ刑事純情派』といった昔のドラマの再放送を一日中見ていたという。「懐かしい方々が出ていたので、これが面白くて。忘れていたドラマの原点でたくさん見せて頂いた。私たちももう一度ドラマを書いたら、見てくれる方がいるんじゃないかという自信になりました。そういう意味では無駄ではなかったです」と振り返った。

また、石井が「具合が悪いのに無理して書いて下さって……」とねぎらうと、橋田は「書きたくないから、具合が悪いと嘘をついたの。でも書いたら楽しかったです」と茶目っ気たっぷりに返事。続けて、昨今のドラマ事情について、「今、サスペンスドラマが非常に多いですが、家族の中にこそサスペンスがあると思っています。先日、2歳くらいの子どもがゲームをやっているのを見て驚きました。大人しくしているから楽だという理由にはぞっとしました。今の親が“してはいけない”というしつけをしていない。ドラマの中では、互いにキャッチボールできる関係を描ければと思い作っています」と、作品に込めた思いと共に語った。

さらに、石井は「私たちは古いと言われてるけど古くない。いろいろなドラマを拝見するけど、何を言いたいのかわからないものが多い。視聴率重視の結果では。物を作る人間としては少し淋しいです。視聴者というものをもう一度みんなで考え直して欲しいと思っています」とベテランならではの見解を。このほか、石井は「橋田先生と出会い、喧嘩もするけど50年以上もお付き合いしていて、宝物だと思っています」と、橋田との関係もしみじみ振り返っていた。

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